アフリカのサッカーリーグは、リーグ市場価値という指標だけを見ると、世界の中では控えめな位置づけにあります。しかし一方で、世界トップレベルのクラブで活躍する多くの選手がアフリカをルーツに持つことからも分かるように、この地域は世界最大級の人材供給地として極めて重要な役割を担っています。
CAFに属するリーグは、選手が若い段階で国外へ移籍する構造を持つため、リーグ内に市場価値が蓄積されにくいという特徴があります。
本記事では、2026年1月時点のデータをもとに、アフリカのサッカーリーグ市場価値ランキングTOP10を整理します。どの国のリーグがアフリカ内で相対的に高い評価を受けているのか、そしてその背景にあるリーグ運営、育成環境、国際市場との関係性を読み解いていきます。
なお、本ランキングでは各リーグの立ち位置をより明確にするため、市場価値の高いリーグから順に紹介していきます。数字の大小だけでなく、その裏側にある構造に注目しながら見ていきましょう。
【最新版|2026年1月】アフリカサッカーリーグ市場価値ランキングTOP10
1位:エジプト・プレミアリーグ(エジプト)
1億7488万€(約297億2,960万円)
エジプト・プレミアリーグは、アフリカで最も高い市場価値を誇るリーグです。国内におけるサッカー人気の高さ、歴史ある強豪クラブの存在、そしてCAFチャンピオンズリーグでの安定した実績が、リーグ全体の評価を押し上げています。アフリカの中では例外的に、リーグ内で一定期間選手価値が維持されやすい環境が整っています。
また、国内市場が比較的安定していることから、他のアフリカ諸国と比べてリーグ運営の継続性が高い点も特徴です。欧州への人材流出はあるものの、リーグ自体の競争力が高く、「アフリカ内完結型リーグ」として成立している数少ない例と言えるでしょう。
2位:ベットウェイ・プレミアシップ(南アフリカ)
1億5805万€(約268億6,850万円)
南アフリカのベットウェイ・プレミアシップは、商業的に最も整備されたアフリカリーグのひとつです。放映権やスポンサー環境が比較的安定しており、リーグ単体で市場価値が成立しやすい構造を持っています。インフラ面やクラブ経営の透明性も高く、アフリカの中では例外的な存在です。
一方で、欧州への人材供給という点では西アフリカ諸国に比べると影響力は限定的です。そのため、市場価値は「将来性」よりも「現在の安定性」によって評価されており、成長余地よりも持続性が重視されるリーグと言えるでしょう。
3位:ボトラ・プロ(モロッコ)
1億3909万€(約236億4,530万円)
モロッコのボトラ・プロは、近年急速に評価を高めているリーグです。育成環境の整備と国内クラブの国際競争力向上により、リーグ全体の市場価値が着実に上昇しています。特に若手選手の欧州移籍ルートが明確になってきた点が大きな要因です。
リーグ規模は大きくありませんが、戦術理解度や組織力が高く、育成型リーグとしての完成度はアフリカでも上位に位置します。今後もCAF内で存在感を高めていく可能性が高いリーグです。
4位:アルジェリア・シャンピオナ・ナシオナル(アルジェリア)
9445万€(約160億5,650万円)
アルジェリアリーグは、フィジカルと技術を兼ね備えた選手を多く輩出してきたリーグです。国内リーグとしての市場価値は中堅クラスですが、欧州への人材供給力は依然として高く評価されています。
リーグ内での資金力は限定的ながら、選手の素材力が評価を支えている点が特徴です。
5位:チュニジア・リーグ・プロフェッショネル・アン(チュニジア)
9153万€(約155億6,010万円)
チュニジアリーグは、戦術的な組織力に定評のあるリーグです。派手なスター選手は少ないものの、完成度の高いチームを作り上げる能力に長けており、CAF大会でも安定した成績を残しています。
市場価値は急激に伸びるタイプではありませんが、堅実な評価を受け続けています。
6位:リビア・プレミアリーグ(リビア)
7402万€(約125億8,340万円)
リビア・プレミアリーグは、国内資本を背景に比較的高い市場価値を維持しています。競技力自体は評価されているものの、政治・社会的要因による不安定さがリーグ価値の伸びを抑えています。
環境が安定すれば、評価が見直される可能性を秘めたリーグです。
7位:ガーナ・プレミアリーグ(ガーナ)
2643万€(約44億9,310万円)
ガーナ・プレミアリーグは、アフリカ屈指の人材供給源として知られています。リーグ単体の市場価値は高くありませんが、欧州主要リーグへ多くの選手を送り出してきました。
市場価値は「リーグの強さ」よりも「素材の質」によって評価される典型的な育成型リーグです。
8位:エチオピア・プレミアリーグ(エチオピア)
245万€(約4億1,650万円)
エチオピアリーグは、国内完結型の色合いが強いリーグです。国際移籍市場との接点が限られており、市場価値は小規模にとどまっています。
今後、国外移籍実績が増えれば評価が変わる可能性があります。
9位:ウガンダ・プレミアリーグ(ウガンダ)
153万€(約2億6,010万円)
ウガンダリーグは、発展途上段階にあるリーグです。競技人口は多いものの、育成環境や国際市場との接続が十分とは言えず、市場価値は限定的です。
長期的な整備が進めば、評価向上の余地を残しています。
10位:ナイジェリア・プロフェッショナル・フットボールリーグ(ナイジェリア)
105万€(約1億7,850万円)
ナイジェリアリーグは、リーグ市場価値という点では最下位ですが、人材供給力はアフリカ屈指です。多くの選手が若年期に国外へ移籍するため、リーグ内で価値が形成されにくい構造となっています。
数字以上に「世界市場への影響力」を持つリーグと言えるでしょう。
まとめ:アフリカのリーグ価値は「蓄積されない構造」にある
アフリカのサッカーリーグ市場価値ランキングを振り返ると、この地域が世界の中で特異な位置づけにあることが改めて浮き彫りになります。リーグ単体の市場価値はヨーロッパやアジア、アメリカ大陸と比べて小規模ですが、それは必ずしも競技力や人材の質が低いことを意味しているわけではありません。むしろ、選手が若い段階で国外へ移籍する構造そのものが、リーグ内に市場価値を蓄積させにくくしているのです。
エジプトや南アフリカ、モロッコといった国々は、アフリカの中では比較的リーグ内で価値が形成されやすい環境を持っていますが、それでも多くの国では「育てて外に出す」モデルが基本となっています。これはCAF圏全体に共通する特徴であり、リーグ市場価値が控えめに見える最大の要因です。
ヨーロッパが価値を内部で循環させる完成市場、アジアが投資型と育成型が交錯する市場、アメリカ大陸が将来価値と成長性で評価される市場だとすれば、アフリカは「人材を生み出す源泉」として世界のサッカー市場を支えています。リーグ市場価値という数字だけを見るのではなく、その裏側にある構造を理解することで、アフリカサッカーが果たしている本当の役割が見えてくるはずです。
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