2026年ワールドカップで評価を上げたイングランド代表3人&決勝進出に届かなかった3人

2026年ワールドカップで、イングランド代表はベスト4まで勝ち進みました。

グループステージではクロアチア代表に4-2で勝利し、ガーナ代表とは0-0で引き分け、パナマ代表には2-0で勝利しました。決勝トーナメントではコンゴ代表、メキシコ代表、ノルウェー代表を破り、準決勝まで進出しました。

しかし、準決勝のアルゼンチン代表戦では、アンソニー・ゴードンのゴールで先制しながら、終盤に2失点を喫しました。85分に追いつかれると、後半アディショナルタイムには逆転を許し、非常に悔しい敗戦となりました。

今大会のイングランド代表は、ジュード・ベリンガムやハリー・ケインを中心に結果を残し、ベスト4という成績も決して悪いものではありません。それでも、あと一歩で決勝進出を逃したことで、選手個人の評価だけでなく、トーマス・トゥヘル監督の采配にも疑問が残る大会となりました。

今回は、2026年ワールドカップのイングランド代表メンバーの中から、評価を上げた選手3人と、決勝進出に届かなかった選手3人を紹介します。

目次

トゥヘル采配に残った大きな疑問

イングランド代表は準決勝のアルゼンチン戦で、先制点を奪うところまでは理想的な展開でした。

アンソニー・ゴードンがゴールを決め、イングランドは1-0とリードしました。相手はリオネル・メッシを擁するアルゼンチン代表とはいえ、試合終盤までリードを保っていました。

しかし、問題はその後の試合運びです。

トゥヘル監督はリードを守るために、徐々に守備的な交代を選択しました。攻撃の出口となっていたゴードンを下げ、守備的な選手を投入しました。さらに終盤には、チーム全体が自陣に押し込まれる時間が長くなりました。

もちろん、アルゼンチン相手にリードしている状況で、守備を固める判断そのものは理解できます。メッシがいるチームに対して、最後まで前がかりに戦うのは危険です。試合を閉じにいく判断には、一定の合理性もありました。

ただ、結果的にはその采配が裏目に出ました。

イングランドは守備の人数を増やした一方で、前線でボールを収める力や、相手を押し返す力を失っていきました。ゴードンが下がったことで、カウンターの脅威も薄れ、アルゼンチンに押し込まれる時間が増えていきました。

そして85分に同点ゴールを許し、後半アディショナルタイムには逆転弾を浴びました。

守備を固めたにもかかわらず、守り切ることができませんでした。攻撃のカードを残したまま、相手に流れを渡す形になってしまいました。この点は、トゥヘル監督にとって大きな反省材料と言えるでしょう。

今大会のイングランド代表は、メキシコ戦でも退場者を出しながら逃げ切るなど、我慢強く勝ち上がってきました。その成功体験が、準決勝でも「リードを守り切る」という発想につながったのかもしれません。

しかし、アルゼンチンのような相手に対して、早すぎる守備的シフトはリスクにもなります。守る時間を長くしすぎれば、いつかは個の力でこじ開けられる可能性が高まります。

選手個人の問題だけでなく、ベンチワークも含めて、イングランドは決勝進出に届かなかった大会だったと言えます。

評価を上げた選手

ジュード・ベリンガム

今大会のイングランド代表で最も評価を上げた選手は、ジュード・ベリンガムでしょう。

ベリンガムはグループステージ初戦のクロアチア戦で得点を決めると、パナマ戦でもゴールを決めました。さらに決勝トーナメントでは、メキシコ戦で2得点、ノルウェー戦でも2得点を記録しました。

特にノルウェー戦では、同点ゴールと延長戦での決勝ゴールを決め、イングランドを準決勝へ導いています。大事な試合で結果を残す力は、まさにワールドクラスでした。

もともと市場価値も期待値も非常に高い選手ですが、今大会のベリンガムは、その期待にしっかり応えました。単に上手い選手ではなく、チームを勝たせる選手であることを改めて示した大会だったと言えます。

準決勝のアルゼンチン戦では、終盤に試合から消える時間もあり、チームを決勝へ導くところまでは届きませんでした。それでも、大会全体を通じた存在感は圧倒的です。

イングランド代表がベスト4まで勝ち進んだ最大の理由の一つは、ベリンガムの勝負強さにあったと言っていいでしょう。

アンソニー・ゴードン

アンソニー・ゴードンも、今大会で大きく評価を上げた選手です。

準決勝のアルゼンチン戦では、先制ゴールを記録しました。大舞台で結果を残したことは、今後の代表内での序列を考えるうえでも大きな意味を持ちます。

ゴードンは、単にゴールを決めたから評価されたわけではありません。スピードと運動量で相手の背後を狙い、イングランドの攻撃に縦への推進力を与えていました。守備に回る時間が長くなっても、前線で相手にプレッシャーをかけられる点も強みです。

だからこそ、アルゼンチン戦でゴードンが交代した後、イングランドの攻撃の出口が減ったように見えました。前線に走れる選手がいなくなると、チームは自陣に押し込まれやすくなります。

もちろん、交代そのものは監督の判断であり、ゴードン本人の評価を下げるものではありません。むしろ、彼がピッチにいた時間の価値が、交代後によりはっきりしたとも言えます。

今大会のゴードンは、イングランド代表の攻撃に新しい選択肢を加えた選手でした。ベスト4で敗れたチームの中でも、評価を高めた一人に入れていいでしょう。

モーガン・ロジャーズ

モーガン・ロジャーズも、今大会で評価を上げた選手です。

アルゼンチン戦では先発起用され、ゴードンの先制点をアシストしました。準決勝という大舞台でスタメンに選ばれ、さらに得点に関与したことは、大きな評価材料です。

ロジャーズは、ベリンガムやケインのように大会全体で派手な数字を残したわけではありません。それでも、重要な試合で起用され、結果につながるプレーを見せたことには意味があります。

イングランド代表の攻撃陣は非常に層が厚く、ブカヨ・サカ、マーカス・ラッシュフォード、エベレチ・エゼ、フィル・フォーデン、コール・パーマーなど、候補となる選手は多くいます。その中でロジャーズが準決勝のピッチに立ったこと自体、代表内での評価が高まっていた証拠でしょう。

もちろん、アルゼンチン戦では最終的にチームを勝利に導くところまでは届きませんでした。大会全体で見ても、まだ絶対的な中心選手とは言えません。

それでも、ワールドカップの準決勝で得点に関与した経験は、今後のキャリアにとって大きな財産になります。ロジャーズは、今大会を通じて代表での立ち位置を一段上げた選手と言えるでしょう。

決勝進出に届かなかった選手

ハリー・ケイン

ハリー・ケインの扱いは非常に難しいところです。

大会を通じて複数のゴールを決めており、数字だけを見れば文句のない活躍でした。クロアチア戦で2得点、パナマ戦でも得点、コンゴ戦では終盤の2ゴールでチームを救い、メキシコ戦でも得点を記録しています。

普通に考えれば、評価を上げた選手に入れてもおかしくありません。

それでも、今回は「決勝進出に届かなかった選手」として名前を挙げます。理由は、イングランド代表のエースであり、主将であり、最後にチームを決勝へ導くことを最も期待されていた選手だからです。

準決勝のアルゼンチン戦では、ケインが試合を決める場面は多くありませんでした。イングランドが押し込まれる展開になると、前線で孤立する時間も増え、攻撃の起点としても十分に機能しきれませんでした。

もちろん、これはケインだけの責任ではありません。トゥヘル監督の交代策によってチーム全体が守備に傾き、前線に良い形でボールが入らなくなった影響もあります。

それでも、ワールドカップの準決勝という舞台では、エースには最後の一仕事が求められます。大会全体では素晴らしい数字を残しながらも、あと一歩で決勝に届かなかったという意味で、ケインには悔しさが残る大会だったと言えるでしょう。

ブカヨ・サカ

ブカヨ・サカも、今大会ではやや悔しさが残った選手です。

サカはイングランド代表の攻撃陣の中でも、もともと大きな期待を集めていた選手です。クラブでの実績、市場価値、代表での経験を考えれば、ワールドカップでも主役級の活躍が期待されていました。

しかし、今大会では大会全体を通じて、攻撃の中心になりきったとは言いにくい内容でした。コンゴ戦では途中出場から流れを変えた一人として存在感を見せましたが、準決勝のアルゼンチン戦では先発から外れています。

イングランドが先制後に守備へ傾いていく展開の中で、サカのようにボールを前進させられる選手、相手を押し返せる選手をどのタイミングで使うべきだったのかは、大きな論点です。

結果論にはなりますが、アルゼンチンに押し込まれる時間が続いた中で、攻撃のカードをもう少し早く切る選択肢もあったはずです。その意味で、サカ本人だけでなく、起用法にも悔しさが残ります。

サカの能力に疑いはありません。ただ、2026年ワールドカップが「サカの大会」だったかと言えば、そうではありませんでした。

代表内の競争が激しい中で、次の大会では再び攻撃の主役として存在感を示したいところです。

ジャレル・クアンサー

ジャレル・クアンサーは、今大会で苦い経験をした選手です。

メキシコ戦では先発起用されましたが、退場処分を受けてしまいました。イングランドはその試合を3-2で勝ち切ったものの、10人での戦いを強いられることになり、チームに大きな負担をかけた場面だったと言えます。

若手選手にとって、ワールドカップの決勝トーナメントで先発すること自体は大きな経験です。クアンサーがその舞台に立ったことは、将来性を評価されている証拠でもあります。

しかし、評価を高める大会にするためには、重要な試合で安定したプレーを見せる必要があります。その点で、メキシコ戦の退場はどうしてもマイナス材料として残ります。

もちろん、若い選手には失敗もあります。むしろ、この経験を今後に生かせるかどうかが重要です。

イングランド代表は守備陣にも競争があり、マーク・グエイ、ジョン・ストーンズ、エズリ・コンサ、リース・ジェームズ、ジェド・スペンスなど多くの選手がいます。その中でクアンサーが次に評価を高めるためには、安定感と冷静さを示す必要があるでしょう。

今大会は、クアンサーにとって評価を上げる大会というより、悔しさと課題が残る大会だったと言えます。

まとめ

2026年ワールドカップのイングランド代表は、ベスト4まで勝ち進みながらも、準決勝でアルゼンチン代表に逆転負けを喫しました。

ジュード・ベリンガムは大会を通じて勝負強さを見せ、アンソニー・ゴードンは準決勝で先制点を決めました。モーガン・ロジャーズも大舞台でアシストを記録し、代表内での評価を高めた選手と言えます。

一方で、ハリー・ケインは数字を残しながらも、最後にチームを決勝へ導くことはできませんでした。ブカヨ・サカは期待値ほど大会の主役にはなりきれず、ジャレル・クアンサーはメキシコ戦の退場が悔やまれる大会となりました。

そして、今大会のイングランド代表を語るうえで避けられないのが、トゥヘル監督の采配です。

アルゼンチン戦で先制した後、イングランドは守備的な交代で逃げ切りを図りました。しかし、結果的には攻撃の出口を失い、終盤に押し込まれ、逆転を許しました。

ベスト4という結果は決して悪くありません。それでも、決勝に手が届きかけていたからこそ、采配面の悔しさはより大きく残ります。

選手たちの個人能力は十分に高く、次の大会でもイングランド代表は有力候補の一つになるはずです。だからこそ、今大会の敗戦をどう受け止め、勝負どころでどのようなチーム作りをしていくのかが、今後の大きな課題になりそうです。

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