左ウイングは、現代サッカーにおいて最も試合を動かしやすいポジションのひとつです。縦突破で局面を壊すこともできれば、カットインから自らゴールを奪うこともできる。守備ブロックが整った相手に対しても、個の力で状況を打開できる希少なポジションです。
2025/2026シーズンも中盤戦に入り(2026年2月時点)、欧州主要リーグではタイトル争いと同時に、サイドアタッカーの影響力がより鮮明になっています。得点数だけでなく、ドリブル成功率、決定機創出、ビッグマッチでの存在感――それらすべてが市場価値に直結する時代です。
今回取り上げるのは、左ウイングに限定した市場価値TOP10。純粋なタッチライン型から、内側に入り込むインサイド型までタイプはさまざまですが、共通しているのは「左から違いを生み出せる」ことです。
1億5000万€の絶対的エースから、急成長中の若手まで。2025/2026シーズンここまでの成績と役割を踏まえ、現在の評価が妥当なのかを一人ずつ検証していきます。
10位 アンソニー・ゴードン
市場価値:6000万€(102億円)
アンソニー・ゴードンは、ニューカッスル・ユナイテッドの左ウイングとして継続的に起用されています。2025/2026シーズン途中ではリーグ戦で安定した出場を続け、ゴールとアシストの両面で着実に数字を積み重ねています。特にハイプレス戦術における守備強度と走力は高く評価されています。
ゴードンは派手な突破型というよりも、戦術遂行能力の高いウイングです。縦への推進力と早いクロスでチャンスを作り、守備時には最前線から圧力をかけ続けます。チームバランスに与える影響は数字以上に大きいタイプです。
市場価値6000万€(約102億円)は、プレミアリーグでの継続的な貢献と年齢を考慮した妥当なラインです。今季後半に二桁得点を達成できれば、さらに一段上の評価に近づく可能性があります。
10位 ニコ・ウィリアムズ
市場価値:6000万€(102億円)
ニコ・ウィリアムズは、アスレティック・ビルバオの左ウイングとして今季も主力を務めています。2025/2026シーズン途中ではリーグ戦で安定して先発出場を続け、ゴールとアシストをバランスよく記録。特に左サイドでの縦突破成功率は依然高く、ラ・リーガ屈指のスピードを誇ります。
ニコの最大の武器は爆発的な初速と、タッチライン際での1対1です。相手を外してからの低いクロスやカットバックはチームの主要な得点パターンの一つとなっています。今季はフィニッシュの精度も向上傾向にあり、ゴール前に入る回数が増えている点はポジティブ材料です。
一方で、決定力の安定性や試合ごとの波はまだ課題として残ります。トップクラブ移籍の噂が絶えない中、継続的に数字を残せるかどうかが評価を左右するでしょう。
市場価値6000万€(約102億円)は、若さと突破力を評価した水準です。今季後半で得点関与をさらに伸ばせれば、7000万€帯への上昇も十分に見込めます。
9位 ジェレミー・ドク
市場価値:6500万€(110億5,000万円)
ジェレミー・ドクは、マンチェスター・シティの左ウイングとして今季も重要な選択肢となっています。2025/2026シーズン途中ではリーグ戦でローテーション起用が続く中でも、出場時間あたりのドリブル成功数は依然リーグ上位クラス。ゴールとアシストは爆発的ではないものの、局面打開力でチームに違いをもたらしています。
ドクの最大の武器は純粋な1対1突破力です。左サイドでボールを持てば相手を剥がせる確率が高く、守備ブロックを崩す“起点”として機能しています。一方で、フィニッシュや最終判断には波があり、ここが市場価値上位層との差となっています。
市場価値6500万€(約110億5,000万円)は、将来性と個の能力を評価した水準です。今季後半に得点関与をさらに伸ばせれば、7000万€帯への定着も現実的でしょう。
5位 ラファエル・レオン
市場価値:7000万€(119億円)
ラファエル・レオンは、ACミランの左サイドを長年支えてきたアタッカーであり、2025/2026シーズン途中でも攻撃の中心です。今季リーグ戦では二桁得点圏内に入りつつあり、アシスト数も安定。左からの縦突破は依然としてセリエA屈指の破壊力を持っています。
今季の特徴は、ドリブル回数がやや減る代わりに効率重視のプレーが増えている点です。カットインからのシュート選択や、早いタイミングでのクロスなど、無理をしない判断が増えました。結果として得点関与の“質”が向上しています。
市場価値7000万€(約119億円)は、ピーク年齢に差しかかる中での安定感を反映した評価です。爆発力は健在ですが、今季後半で欧州戦でのインパクトをどこまで残せるかが今後の評価を左右するでしょう。
5位 コーディ・ガクポ
市場価値:7000万€(119億円)
コーディ・ガクポは、リヴァプールで左ウイングとCFを併用しながらプレーしていますが、2025/2026シーズンでは左での起用時により安定感を見せています。リーグ戦ではゴールとアシストをバランス良く記録し、特にカットインからの右足シュートが武器となっています。
ガクポの強みはサイズとテクニックの両立です。単なるスピード型ではなく、ポスト的にボールを収めることもでき、左から中央に入り込む形で得点機に絡みます。今季は守備時の献身性も向上し、チームバランスに寄与しています。
市場価値7000万€(約119億円)は、ポジション適応力と安定した得点関与を評価した水準です。爆発的な数字ではないものの、戦術にフィットする万能型LWとして確かな価値を持っています。
5位 ルイス・ディアス
市場価値:7000万€(119億円)
ルイス・ディアスは、バイエルンで左ウイングの主力として安定した存在感を示しています。2025/2026シーズン途中ではリーグ戦でコンスタントに先発出場し、ゴールとアシストの両面で着実に数字を積み上げています。特にブンデスリーガでは1対1の突破成功率が高く、縦へのスピードは依然として脅威です。
今季は無理な仕掛けを減らし、中央との連携を意識したプレーが増加。左からのカットインと素早いパス交換で崩す形が増え、攻撃の“流れ”を作る役割が明確になっています。チャンピオンズリーグでも重要な局面でチャンスメイクに関与し、欧州レベルでも安定感を示しています。
市場価値7000万€(約119億円)は、年齢とパフォーマンスの継続性を反映した評価です。爆発的なシーズンというよりは、計算できるLWとしての信頼性がこの価格帯を支えています。
5位 ブラッドリー・バルコラ
市場価値:7000万€(119億円)
ブラッドリー・バルコラは、パリ・サンジェルマンで左ウイングとして急速に評価を高めています。2025/2026シーズン途中ではリーグ戦で二桁得点に迫る活躍を見せ、アシストも積み重ねています。特に左からの縦突破と鋭い切り返しはリーグ屈指の武器です。
今季のバルコラは、単なるスピード型から“決定力を持つウイング”へと進化しています。ボックス内への侵入回数が増え、フィニッシュ精度も向上。チャンピオンズリーグでも出場機会を重ね、欧州舞台での経験値も着実に積み上げています。
市場価値7000万€(約119億円)は、若さと成長曲線を強く織り込んだ評価です。左ウイングとしての爆発力と将来性を考えれば、この価格はむしろ上昇途中のラインと言えるでしょう。
4位 ケナン・ユルディズ
市場価値:7500万€(127億5,000万円)
ケナン・ユルディズは、ユヴェントスで左ウイングとして台頭している若き才能です。2025/2026シーズン途中ではリーグ戦で継続的に出場機会を得ており、得点・アシストともに着実に数字を伸ばしています。特にボックス付近での冷静なフィニッシュと、1対1の仕掛けの鋭さはセリエAでも十分通用しています。
ユルディズの強みは、若さに似合わない判断力です。左サイドから無理に仕掛けるのではなく、中央との連携を選択できる柔軟性があり、攻撃の流れを止めません。守備への切り替えも早く、戦術的理解度の高さが目立ちます。
市場価値7500万€(約127億5,000万円)は将来性を大きく織り込んだ評価ですが、今季の安定したパフォーマンスを考えれば決して過大ではありません。左ウイングの世代交代を象徴する存在として、今後の伸びしろは非常に大きいと言えるでしょう。
3位 ラフィーニャ
市場価値:8000万€(136億円)
ラフィーニャは、本来は右ウイング色の強い選手ですが、2025/2026シーズンでは状況に応じて左サイドでも起用され、バルセロナの攻撃に幅をもたらしています。2026年2月時点でリーグ戦では安定してゴールとアシストを積み重ね、特にカットインからのミドルレンジシュートや、逆サイドへの展開力が武器となっています。
左での起用時は縦突破よりも“内側への侵入”が増え、セカンドトップ的な動きでフィニッシュに絡む回数が多いのが特徴です。チャンピオンズリーグでも決定機創出数はチーム上位クラスで、数字以上に攻撃のリズムを作る存在として機能しています。
市場価値8000万€(約136億円)は、年齢とパフォーマンスの安定感を反映した評価です。純粋な突破型というよりは「戦術適応型ウイング」としての価値が評価されている位置づけと言えるでしょう。
2位 フヴィチャ・クヴァラツヘリア
市場価値:9000万€(153億円)
フヴィチャ・クヴァラツヘリアは、パリ・サンジェルマンの左ウイングとして今季も高い存在感を示しています。リーグ戦ではゴールとアシストの両面で安定した数字を残し、左サイドからの1対1突破成功率は依然として高水準。欧州戦でもカットインからのフィニッシュで重要な場面に絡んでいます。
クヴァラツヘリアの強みは、左から中央へ入り込む際の判断の速さとボールの持ち出し方です。今季は無理な仕掛けが減り、味方との連動を重視したプレーが増加。単独突破型から“崩しの起点”へと進化しつつあります。
市場価値9000万€(約153億円)は、得点関与数と年齢を考慮すれば妥当な評価です。左ウイングとしての純粋な突破力に加え、チーム戦術への適応力が評価を支えています。シーズン後半で得点数がさらに伸びれば、1億€台再突入も十分に視野に入るでしょう。
1位 ヴィニシウス・ジュニオール
市場価値:1億5000万€(255億円)
ヴィニシウス・ジュニオールは、2025/2026シーズン途中時点においても世界最高額の左ウイングとして君臨しています。今季もレアル・マドリードの左サイドに固定され、リーグ戦では二桁得点圏内、アシスト数も上位水準を維持。チャンピオンズリーグでも左からの個人突破で局面を打開する場面が目立っています。
今季の特徴は、ドリブル一辺倒ではないプレー選択の成熟です。縦突破とカットインの使い分けがより洗練され、中央へのラストパスやセカンドアクションへの関与も増加。左でボールを持てば決定機が生まれるという“再現性”が最大の強みです。
市場価値1億5000万€(約255億円)は、単なる爆発力ではなく「ビッグマッチでの決定的影響力」を評価したものです。左ウイングとして最も試合を動かせる存在であることが、この価格を正当化しています。
【まとめ|左から“違い”を作れるかどうか】
2025/2026シーズン途中時点の左ウイング市場価値ランキングを振り返ると、明確な評価軸が浮かび上がります。それは「左から試合を動かせるかどうか」です。
1億5000万€の評価を受ける選手は、単にゴールやアシストを記録するだけではありません。ビッグマッチでの決定的な突破、CLでの一発、タイトル争いを左右する局面での存在感――“再現性のある決定力”を持っています。左でボールを持った瞬間にスタジアムの空気が変わる。それが最高額の条件です。
9000万€〜8000万€帯の選手は、数字とパフォーマンスの安定感が評価されています。ドリブル成功率や決定機創出数など、継続的にチームへ貢献していることが価格に反映されています。ただし、CLでの継続的インパクトや得点の爆発力がさらに加われば、1億€の壁を超える可能性は十分にあります。
7000万€〜6000万€帯は、将来性と戦術的価値が評価されたゾーンです。突破力やスピードといった武器は明確ですが、「安定した二桁得点」や「欧州戦での決定力」が次のステップとなります。
シーズン後半戦は、左ウイングにとっても評価を大きく左右する時間帯です。タイトル争いの直接対決、CLノックアウトラウンド――そこで違いを作れるかどうか。市場価値は、ここからさらに動いていくでしょう。
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