チームの心臓部を担うポジション――それがセントラルミッドフィルダーです。
ゴールやアシストといった目に見える数字だけでなく、試合のテンポ、ボール循環、守備強度、トランジションの質。あらゆる要素がこのポジションを経由して形になります。だからこそ、市場価値は単純な得点数では測れません。
今回のランキングでは、6000万€(約102億円)から1億4000万€(約238億円)まで、評価が段階的に跳ね上がる構造がはっきりと表れています。
下位ゾーンは安定感と完成度。
中位ゾーンは攻撃への関与の増加。
そして上位ゾーンでは、「試合そのものを支配できるかどうか」が評価軸になります。
守備特化型でもなく、純粋な攻撃型でもない。
“現代型CM”に求められるのは、攻守両面で試合を動かせる総合力です。
では、市場が最も価値を認めたセントラルミッドフィルダーたちは誰なのか。
価格帯ごとの変化にも注目しながら、ランキングを見ていきましょう。
セントラルミッドフィルダー編
9位 ニコロ・バレッラ
市場価値:6000万€(102億円)
バレッラは依然としてインテルの中盤を支える中心選手です。公式戦39試合2913分出場と安定した稼働率を維持。セリエAでは23試合1681分に出場し、1ゴール5アシストを記録しています。
注目すべきはアシスト効率です。リーグでの90分あたりアシスト0.27と非常に高い水準にあります。ゴール数自体は多くありませんが、ゴール関与0.32/90分と、二列目からの攻撃参加で確実にチャンス創出に絡んでいます。
また、数値には表れにくい守備強度や運動量は依然健在です。29歳という年齢を考えるとピークを迎えている段階であり、「完成度の高さ」が市場価値6000万€を支えているといえます。
若手の将来性評価とは異なり、バレッラは即戦力としての信頼値が反映された価格帯です。
9位 エリオット・アンダーソン
市場価値:6000万€(102億円)
2025/2026シーズン途中時点でのアンダーソンは、数字以上に「出場時間の安定性」が評価を支えています。公式戦39試合・3214分出場という稼働率はチーム内でも上位クラス。プレミアリーグでは27試合2417分に出場し、シーズンを通して主力として機能しています。
一方で、攻撃スタッツは控えめです。リーグ戦では1ゴール2アシスト。90分あたりのゴール数0.04、アシスト0.07、ゴール関与0.11と、フィニッシュ局面での直接的な影響は限定的です。
それでも市場価値が6000万€に位置している理由は、ボール保持時の安定感と中盤の強度維持にあります。攻守のバランスを崩さず、試合を落ち着かせる役割を担える23歳という年齢も加味すれば、「伸びしろ込みの評価」と見るのが自然でしょう。
派手さはありませんが、プレミアリーグでフルシーズンを戦える耐久性と安定性は確かな武器です。
9位 パブロ・バリオス
市場価値:6000万€(102億円)
22歳のバリオスは、アトレティコの中盤における次世代の軸候補です。2025/2026シーズン途中時点で公式戦35試合2410分に出場。ラ・リーガでは21試合1579分に立ち、1ゴール2アシストを記録しています。
リーグでの90分あたりスタッツは、ゴール0.06、アシスト0.11、ゴール関与0.17。数値としては突出していませんが、いずれもリーグ平均を上回る水準に位置しています。特にアシスト面では安定感を示しています。
バリオスの評価を支えているのは、攻守のバランス感覚です。守備ブロックの中でポジションを外さず、ビルドアップにも関与できる柔軟性はアトレティコの戦術と高い親和性を持っています。
派手な決定力ではなく、「構造を崩さない安定型」。
6000万€という価格帯は、若さと継続的な出場実績を踏まえた妥当な評価といえるでしょう。
8位 タイアニ・ラインデルス
市場価値:6500万€(110億5,000万円)
ここから一段階評価が上がります。
ラインデルスは公式戦44試合2796分に出場し、9ゴール7アシストを記録。プレミアリーグでは24試合1464分で5ゴール2アシストと、明確にゴール前で結果を残しています。
リーグでの90分あたりスタッツは非常に優秀です。
ゴール0.31、ゴール関与0.43、ゴール期待値0.36と、攻撃面での効率性が際立っています。
ラインデルスの強みは「中盤から得点できること」。
CMでありながらフィニッシャーの役割も担える点が、6000万€帯との差を生んでいます。
出場時間はフルタイム級ではありませんが、限られた時間で高い得点効率を示しており、攻撃寄りのミッドフィルダーとしての価値が明確に数字に表れています。
6500万€という評価は、攻撃性能の高さを強く反映した価格帯といえるでしょう。
7位 ブルーノ・ギマランイス
市場価値:7500万€(127億5,000万円)
6000万€帯から一段階評価が上がる理由は、明確な「得点効率」にあります。
2025/2026シーズン途中時点で公式戦35試合2852分に出場し、10ゴール6アシストを記録。プレミアリーグでは23試合2020分で9ゴール4アシストと、セントラルミッドフィルダーとしては非常に高い得点関与を示しています。
特に注目すべきは90分あたりのスタッツです。
ゴール0.40、ゴール関与0.58と、リーグ内でもトップクラスの水準。中盤の選手でありながら、攻撃面で明確に違いを作れていることが分かります。
さらにゴール期待値0.36という数値からも、偶発的な得点ではなく、継続的にゴールチャンスへ入り込んでいることが読み取れます。
ギマランイスは単なるゲームメイカーではありません。
守備強度を維持しながら、自らフィニッシュにも絡める“両立型”のミッドフィルダーです。
7500万€という評価は、「中盤の安定役」から「勝敗を左右する存在」へと格上げされた証と言えるでしょう。
5位 アレクシス・マック・アリスター
市場価値:8500万€(144億5,000万円)
マック・アリスターは派手な数字を残すタイプではありませんが、試合全体への影響力で評価を高めています。2025/2026シーズン途中時点で公式戦38試合2599分に出場。プレミアリーグでは26試合1826分で1ゴール2アシストを記録しています。
リーグでの90分あたりゴール関与は0.15と爆発的な数値ではありません。しかし彼の価値は、ビルドアップ参加、守備への切り替え、試合のテンポ調整といった“中盤の機能性”にあります。
得点数は少ないものの、ポジショニングと配球で攻撃の土台を整え、チームの構造を安定させる役割を担っています。
8500万€という評価は、決定力ではなく「完成度」と「信頼性」に対する価格といえるでしょう。
5位 エンソ・フェルナンデス
市場価値:8500万€(144億5,000万円)
同じ価格帯でも、エンソはより“攻撃寄り”の数値を示しています。
2025/2026シーズン途中時点で公式戦40試合3166分に出場し、11ゴール4アシストを記録。プレミアリーグでは26試合2238分で8ゴール2アシストと、セントラルミッドフィルダーとしては高水準の得点力を発揮しています。
90分あたり0.32ゴール、ゴール関与0.40という数値は、中盤の選手としてはリーグ上位クラス。さらにゴール期待値も高水準で、継続的にフィニッシュ局面へ入り込んでいることが分かります。
エンソは配球だけでなく、自ら得点に絡める“推進力型CM”。
同じ8500万€でも、マック・アリスターが「安定型」なら、エンソは「突破力型」と整理できるでしょう。
4位 ジョアン・ネヴェス
市場価値:1億1000万€(187億円)
ここから評価は一気に“次世代支配型”の領域に入ります。
ネヴェスは2025/2026シーズン途中時点で公式戦26試合1930分に出場し、9ゴール2アシストを記録。リーグ・アンでは14試合1003分で5ゴールと、中盤の選手としては極めて高い得点効率を示しています。
90分あたり0.45ゴール、ゴール関与0.54という数値は、セントラルミッドフィルダーとしては明確にリーグ上位水準。さらにxGも高く、偶発的なゴールではなく、継続的に決定機へ関与していることが分かります。
22歳という若さを考えれば、この価格は「現在の実力+将来性」の両方を織り込んだ評価といえるでしょう。
ネヴェスは守備強度だけでなく、自ら試合を動かせる攻撃力を備えた“現代型CM”です。
2位 デクラン・ライス
市場価値:1億2000万€(204億円)
価格帯がさらに上がると、評価の軸は「得点力」から「支配力」へ移ります。
ライスは公式戦46試合3443分に出場し、5ゴール12アシストを記録。プレミアリーグでは27試合2329分で4ゴール4アシストと、攻守両面で安定した数字を残しています。
90分あたりのゴール関与は0.31。突出したスコアラーではありませんが、アシスト効率は高く、攻撃の起点としての役割が明確です。
しかしライスの真価は、数値だけでは測れません。
広範囲の守備カバー、セカンドボール回収、前進推進力。チームの強度そのものを引き上げる存在です。
1億2000万€という評価は、「中盤の核」としての信頼値を反映した価格といえるでしょう。
2位 フェデリコ・バルベルデ
市場価値:1億2000万€(204億円)
バルベルデの評価は、単純な得点力ではなく「万能性」にあります。
2025/2026シーズンは公式戦35試合2942分に出場し、2ゴール10アシストを記録。ラ・リーガでは24試合で7アシストを挙げ、90分あたり0.32アシストという極めて高い供給力を示しています。
特筆すべきは、ポジションの流動性です。
セントラル、インサイドハーフ、時には右サイドまでカバーしながら、走行距離・守備強度・前進推進力を高水準で維持しています。
ゴール数は多くありませんが、ゴール関与は安定しており、攻撃のテンポを上げる役割を担っています。
1億2000万€という評価は、「どの局面でも強度を落とさない存在」への信頼値と言えるでしょう。
バルベルデは派手さよりも“総合力”で価値を証明するタイプです。
1位 ペドリ
市場価値:1億4000万€(238億円)
セントラルミッドフィルダー編の頂点は、やはりペドリです。
2025/2026シーズンは公式戦30試合2143分で4ゴール8アシスト。ラ・リーガでは17試合5アシストを記録し、90分あたり0.36アシストというリーグ屈指の創造性を示しています。
ペドリの最大の武器は、試合の“流れ”を操る能力です。
テンポの調整、狭い局面でのターン、ファイナルサードでの決定的なラストパス。ゴール関与0.51/90分という数値が示す通り、攻撃に直接的な影響を与え続けています。
さらに守備面でもポジショニングが優れており、攻守両面でチームの軸を担っています。
1億4000万€という価格は、「チームの未来そのもの」としての評価です。
ペドリは単なる中盤の選手ではなく、クラブの方向性を体現する存在といえるでしょう。
セントラルミッドフィルダー編|まとめ
セントラルミッドフィルダーの市場価値ランキングを通して見えてくるのは、「中盤の価値は、得点力だけでは決まらない」という事実です。
6000万€前後の選手たちは、安定した出場時間と高い守備強度を武器に、チームを支える存在として評価されています。試合を壊さず、確実に循環させる能力が価格に反映されています。
6500万€〜8500万€のゾーンに入ると、そこに“前進力”と“攻撃関与”が加わります。ゴールやアシストといった目に見える結果だけでなく、90分あたりの関与数やビルドアップ貢献が評価を押し上げています。
そして1億€を超える領域では、基準が明確に変わります。
求められるのは「試合を支配できるかどうか」です。
ジョアン・ネヴェスのように得点力を兼ね備えた次世代型。
デクラン・ライスやフェデリコ・バルベルデのように、強度と万能性でチームの基準を引き上げる存在。
そしてペドリのように、テンポと創造性で試合そのものを操る存在。
価格が上がるごとに、「役割」から「影響力」へと評価軸が変化していく構造がはっきりと見えます。
現代サッカーにおいて、セントラルミッドフィルダーは単なる繋ぎ役ではありません。
攻守の接着剤であり、強度の基準であり、そしてチームの未来を象徴するポジションです。
今回のランキングは、市場がどのタイプの中盤を最も価値ある存在と見なしているのかを示す指標と言えるでしょう。
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