【J1第5節】市場価値は結果に表れた?全10試合をデータで振り返る【2026/27】

2026/27シーズンのJ1リーグは第5節が終了しました。

市場価値上位クラブが7勝2分1敗と順当に勝点を積み上げた第4節から一転し、第5節は3勝3分4敗。市場価値で上回るクラブの勝率は30%にとどまり、戦力評価と試合結果が大きくずれた一節となりました。

なかでも大きな驚きとなったのが、水戸ホーリーホックの勝利です。市場価値で1083万ユーロ上回る鹿島アントラーズを4-2で破り、渡邉新太が全4得点を記録。開幕4連勝中だった鹿島を止めました。同じく開幕から全勝だった柏レイソルもセレッソ大阪に敗れ、二つの連勝が同じ節で途切れています。

さらに、全10試合で得点が生まれ、80分以降だけで10得点。長崎対G大阪や福岡対浦和など、終盤に結果が大きく動いた試合も目立ちました。

今回も順位を並べるのではなく、第5節の全10試合を一つずつ取り上げます。両クラブの市場価値、スコア、シュート数を確認しながら、数字と実際の結果にどのような関係が見られたのかを振り返ります。

なお、市場価値は第1節からの比較を揃えるため、シーズン開幕時点の数値で統一しています。

目次

水戸ホーリーホック 4-2 鹿島アントラーズ|渡邉新太の4得点で今節最大の番狂わせ

市場価値:水戸 1050万ユーロ(18億9,000万円)-鹿島 2133万ユーロ(38億3,940万円)
シュート数:水戸 7本-鹿島 14本

市場価値差は1083万ユーロ。第5節で最も大きな戦力差を覆したのは、水戸でした。

主役となったのは渡邉新太です。8分に先制点を挙げると、21分にも追加点。後半も48分、55分にゴールを決め、一人で4得点を記録しました。鹿島もレオ・セアラが53分と83分に2点を返しましたが、水戸が4-2で勝利しています。

シュート数は鹿島が14対7と倍の本数を記録しました。それでも、水戸は7本のシュートから4得点。少ない機会を高い確率でゴールへ結びつけました。

鹿島は市場価値、シュート数の両方で上回りながら今季初黒星。水戸は第4節で町田と引き分けたのに続き、市場価値上位クラブから勝点を獲得しました。渡邉の決定力によって大きな戦力差を覆した、第5節を象徴する試合です。

ジェフユナイテッド千葉 1-2 ファジアーノ岡山|岡山が市場価値とシュート数を逆転させる

市場価値:千葉 1405万ユーロ(25億2,900万円)-岡山 1048万ユーロ(18億8,640万円)
シュート数:千葉 5本-岡山 14本

市場価値では千葉が357万ユーロ上回っていましたが、試合内容では岡山が優勢でした。

31分にレオ・ガウショが決めて岡山が先制。千葉も41分に田中和樹が追いつき、そのまま1-1で終盤を迎えました。しかし90+4分、神谷優太が決勝点を挙げ、岡山が勝点3を手にしています。

終了間際のゴールで決着した試合ですが、シュート数は岡山が14対5。市場価値で下回る岡山が、内容でも千葉を大きく上回りました。

単に少ない好機をものにした番狂わせではありません。岡山が市場価値差を覆し、試合内容を結果へつなげた一戦でした。

東京ヴェルディ 0-2 ヴィッセル神戸|市場価値差が内容にも表れた完封勝利

市場価値:東京V 960万ユーロ(17億2,800万円)-神戸 1675万ユーロ(30億1,500万円)
シュート数:東京V 3本-神戸 12本

市場価値差715万ユーロの対戦は、戦力評価どおり神戸が勝利しました。

16分に髙橋壱晟が先制点を挙げると、51分には永戸勝也が追加点。神戸が前後半に1点ずつを奪い、東京Vを無得点に抑えました。

シュート数も神戸が12対3と大きく上回っています。東京Vに許したシュートを3本に抑え、市場価値、スコア、試合内容のすべてで優位に立ちました。

市場価値上位側がわずか3勝に終わった第5節において、最も数字どおりの結果になった試合の一つといえるでしょう。

FC町田ゼルビア 2-1 川崎フロンターレ|途中出場の小川航基が6分間で逆転の2得点

市場価値:町田 1840万ユーロ(33億1,200万円)-川崎F 2055万ユーロ(36億9,900万円)
シュート数:町田 9本-川崎F 9本

市場価値では川崎が215万ユーロ上回っていましたが、町田が逆転勝利を収めました。

59分に脇坂泰斗が決め、川崎が先制。しかし、60分から出場した小川航基が試合を大きく動かします。75分に同点ゴールを挙げると、81分にも得点。わずか6分間で2ゴールを奪い、町田を逆転勝利へ導きました。

シュート数は9対9で同数。市場価値差も215万ユーロにとどまり、試合全体ではほぼ互角だったことが数字にも表れています。

その均衡を崩したのが、ベンチから送り出された小川でした。町田は交代選手の決定力で接戦を制し、第5節終了時点で首位に浮上しています。

アビスパ福岡 2-3 浦和レッズ|83分、85分の連続得点で浦和が再逆転

市場価値:福岡 1203万ユーロ(21億6,540万円)-浦和 1400万ユーロ(25億2,000万円)
シュート数:福岡 10本-浦和 13本

7分にマテウス・サヴィオが決め、浦和が早い時間帯に先制しました。しかし福岡も24分に碓井聖生、35分に師岡柊生が得点。前半のうちに試合をひっくり返します。

福岡が2-1とリードしたまま終盤へ入りましたが、浦和は83分に途中出場の林幸多郎が同点ゴール。さらに85分には、同じく途中出場のオナイウ阿道が逆転点を挙げました。

シュート数は浦和が13対10。市場価値でも197万ユーロ上回っており、最終的な結果は戦力評価どおりです。ただし、一度は逆転を許し、残り10分を切ってから再びひっくり返す難しい試合でした。

前節の横浜FM戦に続き、浦和はビハインドから逆転勝利。今回は二人の途中出場選手が、わずか2分間で試合を決めました。

セレッソ大阪 2-0 柏レイソル|櫻川ソロモンの2得点で柏の連勝を止める

市場価値:C大阪 1350万ユーロ(24億3,000万円)-柏 1785万ユーロ(32億1,300万円)
シュート数:C大阪 10本-柏 10本

開幕4連勝中の柏を止めたのは、市場価値で435万ユーロ下回るC大阪でした。

20分に櫻川ソロモンが先制点を挙げると、68分にも再び櫻川が得点。C大阪が2-0で完封勝利を収めました。

シュート数は10対10で同数です。市場価値では柏が上回っていましたが、試合内容に大きな差はなく、決定力でC大阪が上回りました。

第4節まで全勝だった柏は今季初黒星。鹿島と同じ節に開幕連勝が途切れました。市場価値やシュート数では測れない、櫻川の決定力が勝敗を分けた試合です。

清水エスパルス 1-1 FC東京|先制から3分後に清水が追いつく

市場価値:清水 1355万ユーロ(24億3,900万円)-FC東京 1715万ユーロ(30億8,700万円)
シュート数:清水 8本-FC東京 9本

前半は両チーム無得点。50分に安斎颯馬が決め、FC東京が先制しました。

しかし、そのわずか3分後に木下康介が同点ゴール。清水がすぐに試合を振り出しへ戻し、その後はスコアが動かず1-1で終了しました。

市場価値ではFC東京が360万ユーロ上回っていますが、シュート数は9対8。試合内容には大きな差が見られませんでした。

市場価値上位のFC東京が先に得点したものの、リードを保てたのは3分間だけ。清水が戦力差を感じさせない内容で勝点1を手にした一戦です。

サンフレッチェ広島 3-0 名古屋グランパス|終盤の3得点で内容の差をスコアへ反映

市場価値:広島 2005万ユーロ(36億900万円)-名古屋 1335万ユーロ(24億300万円)
シュート数:広島 16本-名古屋 3本

前半は両チーム無得点でしたが、シュートを重ねていた広島が終盤に一気に試合を動かしました。

71分に加藤陸次樹が先制すると、80分に鈴木章斗が追加点。90+1分にはセバスティアン・アレーも得点し、広島が3-0で勝利しました。

シュート数は広島が16対3。市場価値差670万ユーロが、試合内容にもはっきりと表れています。

得点が生まれるまでには時間を要しましたが、最後は3得点で完封勝利。市場価値上位側の勝利が少なかった第5節の中で、神戸と並んで戦力評価どおりに相手を上回った試合でした。

横浜F・マリノス 1-1 京都サンガF.C.|市場価値、シュート数、結果のすべてがほぼ互角

市場価値:横浜FM 1410万ユーロ(25億3,800万円)-京都 1498万ユーロ(26億9,640万円)
シュート数:横浜FM 14本-京都 13本

市場価値差は88万ユーロ。両クラブの評価が近い対戦は、ピッチ上でも接戦となりました。

64分に中野瑠馬が決めて京都が先制しましたが、横浜FMも73分に谷村海那が同点ゴール。その後は追加点が生まれず、1-1で勝点を分け合いました。

シュート数は横浜FMが14本、京都が13本。市場価値では京都がわずかに上回り、シュート数では横浜FMが1本上回っています。

市場価値、シュート数、スコアのどれを見ても大きな差はありません。数字の近い両クラブが、そのまま互角の結果を残した試合です。

V・ファーレン長崎 2-2 ガンバ大阪|90分からの2得点でG大阪が追いつく

市場価値:長崎 1363万ユーロ(24億5,340万円)-G大阪 1535万ユーロ(27億6,300万円)
シュート数:長崎 18本-G大阪 14本

前半から終盤までスコアが動かなかった試合は、残り時間が少なくなってから激しい展開となりました。

79分に保田堅心が決めて長崎が先制すると、84分にはマテウス・ジェズスが追加点。残り時間を考えれば、長崎が勝利へ大きく近づいたように見えました。

しかしG大阪は90分にデニス・ヒュメットが1点を返すと、90+4分にはイッサム・ジェバリが同点ゴール。土壇場の2得点で2-2に追いつきました。

市場価値ではG大阪が172万ユーロ上回っていますが、シュート数は長崎が18対14で優勢です。長崎は内容でも上回り、終盤に2点を先行しながら勝ち切れませんでした。

80分以降に10得点が生まれた第5節。その中でも、最後の数分で結果が最も大きく変わった試合でした。

J1第5節は市場価値どおりだったのか

第5節の市場価値上位クラブは3勝3分4敗。勝利したのは神戸、浦和、広島の3クラブにとどまりました。

第4節は市場価値上位側が7勝2分1敗でしたが、今節は勝率30%まで低下。水戸、岡山、町田、C大阪の4クラブが、自分たちより市場価値の高い相手を破っています。

最大の番狂わせは、水戸の勝利です。鹿島との市場価値差は1083万ユーロ。シュート数でも7対14と下回りましたが、渡邉新太が一人で4得点を奪い、開幕4連勝中の鹿島を止めました。

一方、岡山は市場価値で357万ユーロ下回る千葉に対し、シュート数で14対5と圧倒。市場価値差を覆しただけでなく、試合内容でも上回っています。町田対川崎FとC大阪対柏はシュート数が同数で、互角の内容を小川航基と櫻川ソロモンの決定力が動かしました。

市場価値差が結果と内容の両方に表れたのは、東京V対神戸と広島対名古屋です。神戸はシュート12対3、広島は16対3。市場価値上位側が勝った3試合のうち、はっきりと相手を上回ったのはこの2試合でした。

また、第5節は終盤の得点が目立ちました。80分以降に生まれた得点は10点。浦和は83分と85分に連続得点して福岡に再逆転し、G大阪は90分と90+4分のゴールで長崎に追いついています。岡山の決勝点も90+4分でした。

全10試合で得点が生まれ、総得点は32。開幕から全勝だった鹿島と柏がそろって敗れ、町田が首位へ浮上しました。市場価値上位クラブが順当に勝った前節とは対照的に、今節は決定力、交代策、終盤の粘りによって戦力差が何度も覆されています。

市場価値はクラブが持つ戦力を比べる一つの目安ですが、その差が毎試合そのまま結果へ表れるわけではありません。第5節は、それを今季ここまでで最も強く感じさせる一節だったといえるでしょう。

➡【2026/2027】J1第4節をデータで振り返る

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