2026/27シーズンのJ1リーグは第6節が終了しました。
第5節は市場価値上位クラブが3勝にとどまりましたが、第6節も4勝2分4敗。2節続けて、市場価値で下回るクラブが4勝を挙げる結果となりました。
なかでも大きな驚きとなったのが、ファジアーノ岡山の勝利です。市場価値で957万ユーロ上回るサンフレッチェ広島を3-2で破り、河野孝汰がハットトリックを達成。シュート数では8対18と大きく下回り、後半には退場者も出しながら中国ダービーを制しました。
また、横浜F・マリノスは柏レイソルを2-0で破り、市場価値差に加えて日立台での悪い相性も克服。千葉は開幕6試合目で初勝利を挙げ、鹿島と柏は開幕4連勝後の2連敗となっています。
今回も順位を並べるのではなく、第6節の全10試合を一つずつ取り上げます。両クラブの市場価値、スコア、シュート数を確認しながら、数字と実際の結果にどのような関係が見られたのかを振り返ります。
なお、市場価値は第1節からの比較を揃えるため、シーズン開幕時点の数値で統一しています。
アビスパ福岡 1-1 水戸ホーリーホック|水戸が終盤に追いつき5試合負けなし
市場価値:福岡 1203万ユーロ(21億6,540万円)-水戸 1050万ユーロ(18億9,000万円)
シュート数:福岡 13本-水戸 10本
市場価値では福岡が153万ユーロ上回り、シュート数でも15対13とわずかに優勢でした。
試合が動いたのは53分です。師岡柊生が決めて福岡が先制し、そのまま終盤まで1点のリードを維持しました。
しかし水戸は86分、木本恭生が同点ゴール。敵地で試合を振り出しへ戻し、勝点1を持ち帰りました。
水戸は第5節で市場価値首位の鹿島を破ったのに続き、今節も市場価値上位クラブから勝点を獲得。第2節から5試合負けなしとなっています。
福岡が市場価値とシュート数の両方で上回ったものの、最後までリードを守り切れなかった一戦です。
鹿島アントラーズ 0-1 浦和レッズ|市場価値差733万ユーロを覆して浦和が3連勝
市場価値:鹿島 2133万ユーロ(38億3,940万円)-浦和 1400万ユーロ(25億2,000万円)
シュート数:鹿島 13本-浦和 11本
市場価値差733万ユーロの対戦は、浦和が1-0で勝利しました。
決勝点となったのは20分のオウンゴールです。その後は追加点を奪えなかったものの、鹿島の攻撃を無失点に抑え、1点のリードを守り切りました。
シュート数は鹿島が15対11と上回っています。市場価値、シュート数のどちらを見ても鹿島が優位でしたが、最後までゴールを奪うことはできませんでした。
開幕4連勝を飾った鹿島は、第5節の水戸戦に続く2連敗。一方の浦和は、横浜FM、福岡、鹿島を相手に3連勝となりました。
市場価値下位側が勝った4試合すべてでシュート数も下回った第6節。その流れを象徴するような、浦和の粘り強い完封勝利です。
ジェフユナイテッド千葉 2-0 ガンバ大阪|開始1分の先制点から今季初勝利
市場価値:千葉 1405万ユーロ(25億2,900万円)-G大阪 1535万ユーロ(27億6,300万円)
シュート数:千葉 10本-G大阪 14本
開幕から勝利のなかった千葉が、第6節で今季初勝利を挙げました。
試合開始からわずか1分、矢村健が先制点を記録。早い時間帯に主導権を握ると、52分には津久井匠海が追加点を奪いました。
市場価値ではG大阪が130万ユーロ上回り、シュート数も17対13で優勢でした。しかし、最後まで得点を奪えず、千葉が2-0で完封勝利を収めています。
第6節は開始直後のゴールが多く生まれましたが、その中でも最も早かったのが矢村の得点です。開始1分の一撃を勝点3へつなげ、千葉が6試合目でようやく最初の白星を手にしました。
名古屋グランパス 1-3 FC町田ゼルビア|シュート数で下回りながら町田が終盤に突き放す
市場価値:名古屋 1335万ユーロ(24億300万円)-町田 1840万ユーロ(33億1,200万円)
シュート数:名古屋 10本-町田 9本
市場価値では町田が505万ユーロ上回っていましたが、シュート数は名古屋が11対10。試合内容には大きな差が見られませんでした。
前半終了間際の45+7分、白崎凌兵が決めて町田が先制。名古屋も55分にオウンゴールで追いつき、1-1のまま終盤へ入りました。
均衡を破ったのは町田です。75分に明本考浩が勝ち越し点を挙げると、90+7分には松尾佑介が追加点。終盤の2得点で3-1と突き放しました。
市場価値上位側の勝利ではありますが、シュート数では町田が1本下回っています。互角に近い内容の中で、得点が必要な時間帯に決め切る力が勝敗を分けました。
町田は開幕から5勝1分の無敗を維持し、勝点16で首位。2位神戸との差を3ポイントとしています。
ファジアーノ岡山 3-2 サンフレッチェ広島|河野孝汰のハットトリックで中国ダービーを制す
市場価値:岡山 1048万ユーロ(18億8,640万円)-広島 2005万ユーロ(36億900万円)
シュート数:岡山 8本-広島 18本
第6節最大の番狂わせは、岡山が広島を破った中国ダービーです。
両クラブの市場価値差は957万ユーロ。シュート数でも広島が19対9と大きく上回りましたが、岡山には河野孝汰がいました。
河野は10分に先制点を挙げると、21分にも追加点。広島は45+2分にセバスティアン・アレーが1点を返しましたが、河野は50分にこの日3点目を決め、ハットトリックを達成しました。
広島は64分に川辺駿が得点し、再び1点差まで迫ります。さらに岡山は61分にオベルダンが退場。残り約30分を10人で戦う苦しい展開となりました。
それでも岡山は最後まで3-2のリードを守り切りました。市場価値ではほぼ2倍の差があり、シュート数でも10本下回り、退場者まで出した中での勝利です。
第5節では水戸の渡邉新太が4得点を挙げて鹿島を破りました。今節は河野がハットトリックで広島を撃破。2節続けて、日本人選手の爆発的な決定力が最大の番狂わせを生み出しています。
柏レイソル 0-2 横浜F・マリノス|鬼門・日立台で市場価値差と相性を覆す
市場価値:柏 1785万ユーロ(32億1,300万円)-横浜FM 1410万ユーロ(25億3,800万円)
シュート数:柏 13本-横浜FM 9本
横浜FMが、市場価値で375万ユーロ上回る柏を敵地で破りました。
19分に宮市亮が先制点を挙げると、48分には二田理央が追加点。前後半の早い時間帯に1点ずつを奪い、柏を無得点に抑えて2-0で勝利しました。
シュート数は柏が14対11。市場価値だけでなく、シュート数でも横浜FMは下回っていましたが、限られた機会を得点へ結びつけています。
さらに、横浜FMにとって日立台は近年の鬼門でした。試合前の時点で、J1百年構想リーグを含む日立台でのリーグ戦は5連敗中。リカルド・ロドリゲス監督体制の柏にも、カップ戦を含めて全敗していました。
今回の勝利は、単に市場価値差375万ユーロを覆しただけではありません。苦手としてきたスタジアムと対戦相手を乗り越え、日立台でのリーグ戦連敗を止めた価値ある白星です。
開幕4連勝だった柏は、C大阪戦に続いて2試合連続の完封負け。一方の横浜FMは、対柏の公式戦連敗と日立台でのリーグ戦連敗を同時に止めました。
川崎フロンターレ 3-1 清水エスパルス|退場後に追いついた清水をマルシーニョが突き放す
市場価値:川崎F 2055万ユーロ(36億9,900万円)-清水 1355万ユーロ(24億3,900万円)
シュート数:川崎F 19本-清水 8本
市場価値差700万ユーロの対戦は、川崎が3-1で勝利しました。
開始1分、持山匡佑が決めて川崎が先制。清水は41分に住吉ジェラニレショーンが退場となり、1点を追う状況で残り時間を10人で戦うことになりました。
それでも清水は68分、オ・セフンの得点で同点に追いつきます。しかし川崎は77分にマルシーニョが勝ち越し点を挙げ、90分にも再びマルシーニョが得点。終盤に2点を加えて突き放しました。
シュート数は川崎が19対8。市場価値と数的優位を考えれば順当な結果ですが、一度は10人の清水に追いつかれています。
最後はマルシーニョの2得点で戦力差をスコアへ反映させたものの、川崎にとっては決して簡単な勝利ではありませんでした。
セレッソ大阪 0-0 東京ヴェルディ|市場価値とシュート数で上回ったC大阪が無得点
市場価値:C大阪 1350万ユーロ(24億3,000万円)-東京V 960万ユーロ(17億2,800万円)
シュート数:C大阪 14本-東京V 5本
第6節で唯一得点が生まれなかったのが、C大阪対東京Vです。
市場価値ではC大阪が390万ユーロ上回り、シュート数も17対6と大きな差がつきました。しかし、C大阪は最後までゴールを奪えませんでした。
東京Vにとっては、押し込まれる時間が長い中での無失点。市場価値とシュート数の両方で劣勢ながら、勝点1を獲得しています。
市場価値上位側が勝利したかどうかだけで見れば引き分けですが、内容を踏まえると東京Vが粘り強い守備で戦力差を埋めた試合といえるでしょう。
ヴィッセル神戸 3-1 V・ファーレン長崎|開始2分の先制点と郷家友太の2得点
市場価値:神戸 1675万ユーロ(30億1,500万円)-長崎 1363万ユーロ(24億5,340万円)
シュート数:神戸 12本-長崎 9本
市場価値で312万ユーロ上回る神戸が、スコアとシュート数でも長崎を上回りました。
開始2分に永戸勝也が先制点を挙げると、34分には郷家友太が追加点。郷家は52分にも得点し、神戸が3点のリードを奪いました。
長崎は90+3分に松本天夢が1点を返しましたが、反撃はここまで。神戸が3-1で勝利しています。
シュート数は神戸が13対10。開始直後に先制し、前半のうちにリードを広げ、後半にも追加点を奪う安定した試合運びでした。
市場価値上位側の勝率が40%にとどまった第6節において、戦力評価が比較的素直に結果へ表れた一戦です。
FC東京 2-0 京都サンガF.C.|5分間の連続得点でFC東京が完封勝利
市場価値:FC東京 1715万ユーロ(30億8,700万円)-京都 1498万ユーロ(26億9,640万円)
シュート数:FC東京 10本-京都 5本
市場価値ではFC東京が217万ユーロ上回り、シュート数も18対8。数字どおりFC東京が優勢に試合を進めました。
前半は両チーム無得点でしたが、70分にマルセロ・ヒアンが先制点。さらに75分には長倉幹樹が決め、わずか5分間で2点のリードを奪いました。
京都に許したシュートを5本に抑え、そのまま2-0で完封勝利。得点が生まれるまでには時間がかかりましたが、試合を動かした後は危なげなく勝点3を手にしています。
市場価値、シュート数、スコアのすべてでFC東京が上回った、第6節の中では最も戦力評価どおりといえる試合の一つです。
J1第6節は市場価値どおりだったのか
第6節の市場価値上位クラブは4勝2分4敗。勝利したのは町田、川崎F、神戸、FC東京の4クラブでした。
第5節の3勝3分4敗に続き、2節連続で市場価値下位側が4勝。戦力評価どおりに決着する試合が少ない流れが続いています。
今節で特に興味深いのは、市場価値下位側が勝った4試合すべてで、勝者がシュート数でも下回っていたことです。
- 浦和:市場価値733万ユーロ下、シュート数11対15
- 千葉:市場価値130万ユーロ下、シュート数13対17
- 岡山:市場価値957万ユーロ下、シュート数9対19
- 横浜FM:市場価値375万ユーロ下、シュート数11対14
市場価値上位の町田も、名古屋にシュート数10対11で勝利しました。そのため、勝敗がついた8試合のうち5試合で、シュート数の少ない側が勝っています。
最大の番狂わせは岡山の勝利です。広島との市場価値差は957万ユーロ。シュート数でも10本下回り、61分には退場者を出しましたが、河野孝汰のハットトリックによって3-2で逃げ切りました。
横浜FMの勝利も印象的です。市場価値とシュート数で上回る柏を2-0で破っただけでなく、日立台で続いていたリーグ戦5連敗もストップ。数字上の戦力差と近年の相性を同時に覆しました。
一方で、川崎F、神戸、FC東京は市場価値とシュート数の両方で相手を上回って勝利しました。市場価値上位側が勝った4試合のうち、シュート数でも優勢だったのはこの3試合です。町田はシュート数で1本下回りながら、終盤の決定力で名古屋を突き放しました。
また、開始直後の得点も今節の特徴です。千葉の矢村健と川崎Fの持山匡佑が開始1分、神戸の永戸勝也が2分に先制点を記録。3試合で開始2分以内にゴールが生まれ、その3クラブはいずれも勝利しています。
首位の町田は開幕6試合無敗。対照的に、開幕4連勝だった鹿島と柏はそろって2連敗となりました。第4節終了時点では全勝だった2クラブが、どちらも2試合続けて市場価値下位の相手に敗れています。
市場価値はクラブの戦力を比較する一つの目安ですが、決定力や守備の粘り、スタジアムとの相性までは表せません。第6節は、シュート数まで下回ったクラブが次々と勝利し、数字だけでは予想しにくい結果が続いた一節となりました。
※試合結果、得点者、シュート数はJリーグ公式記録を参照。日立台での対戦成績はJリーグ公式の試合情報を参照。市場価値はシーズン開幕時点のデータです。
コメント