【2026/27】プレミアリーグ第4節を市場価値で振り返る|リーズ4発、10人のシティ、無得点に苦しむ2クラブ

2026/27シーズンのプレミアリーグ第4節が終了しました。

今節は、市場価値上位クラブが順当に勝った試合よりも、戦力差だけでは説明できない試合が目立ちました。

市場価値でニューカッスルを下回るリーズが4-1で大勝し、マンチェスター・シティは前半に退場者を出しながらマンチェスター・ダービーを制覇。一方では、トッテナムとコヴェントリーが開幕から続く深刻な無得点に苦しんでいます。

市場価値上位クラブの成績は4勝4分け2敗。下位クラブが全10試合中6試合で勝点を獲得しました。

今回は、この三つのテーマを中心に、プレミアリーグ第4節の全10試合を市場価値とスタッツから振り返ります。

※市場価値は今回作成したクラブランキングを使用し、1ユーロ=180円で換算しています。
※xGは媒体によって若干異なる場合があります。

目次

プレミアリーグ第4節の結果

ホーム結果アウェー市場価値上位クラブの結果
アストン・ヴィラ1-2ノッティンガム・フォレスト勝利
AFCボーンマス2-2ブレントフォード引き分け
チェルシー2-2ハル・シティ引き分け
クリスタル・パレス2-3イプスウィッチ・タウン敗戦
リヴァプール0-0フラム引き分け
トッテナム・ホットスパー0-0エヴァートン引き分け
サンダーランド0-2アーセナル勝利
マンチェスター・ユナイテッド0-1マンチェスター・シティ勝利
コヴェントリー・シティ0-5ブライトン勝利
リーズ・ユナイテッド4-1ニューカッスル・ユナイテッド敗戦

今節の総得点は29得点。ホームチームの成績は1勝4分け5敗で、唯一のホーム勝利がリーズの4-1でした。

アストン・ヴィラ 1-2 ノッティンガム・フォレスト

市場価値

  • アストン・ヴィラ:5億2,130万ユーロ/938億3,400万円(13位)
  • ノッティンガム・フォレスト:5億5,080万ユーロ/991億4,400万円(11位)

主なスタッツ

  • xG:0.82-1.92
  • ボール支配率:53%-47%
  • シュート数:7-22
  • 枠内シュート:5-7

市場価値で約53億円上回るフォレストが、数字の上でもヴィラを圧倒しました。

後半開始直後にリアム・デラップが先制。ヴィラも74分にアリソンのゴールで追いつきましたが、88分に途中出場のイゴール・ジェズスが決勝点を奪いました。

ヴィラはボール支配率では上回ったものの、シュート数は7対22。市場価値の差以上に、チャンスの量と質に大きな開きがありました。

ヴィラにとってアリソンの得点は今季のプレミアリーグ初ゴールでしたが、開幕4試合で1分け3敗。ようやく無得点から抜け出した一方、勝利にはつながっていません。

AFCボーンマス 2-2 ブレントフォード

市場価値

  • AFCボーンマス:5億7,588万ユーロ/1,036億5,840万円(9位)
  • ブレントフォード:5億6,180万ユーロ/1,011億2,400万円(10位)

主なスタッツ

  • xG:2.18-0.50
  • ボール支配率:57%-43%
  • シュート数:20-8
  • 枠内シュート:10-2

市場価値ではボーンマスが約25億円上回っていますが、両クラブの戦力差はほとんどありません。

試合も引き分けに終わりましたが、内容ではボーンマスが大きく上回っていました。

ボーンマスは20本のシュートを放ち、そのうち10本が枠内。対するブレントフォードの枠内シュートはわずか2本でした。

しかし、その2本をケヴィン・シャーデがどちらも得点につなげています。ブレントフォードの決定力が、ボーンマスの物量を打ち消した試合でした。

ボーンマスは開幕から4試合続けて、一度はリードしながら勝利を逃しています。攻撃が機能していないわけではないだけに、試合の締め方が大きな課題になっています。

チェルシー 2-2 ハル・シティ

市場価値

  • チェルシー:13億5,000万ユーロ/2,430億円(2位)
  • ハル・シティ:1億4,430万ユーロ/259億7,400万円(20位)

主なスタッツ

  • xG:0.90-1.51
  • ボール支配率:68%-32%
  • シュート数:12-13
  • 枠内シュート:7-5

今節で最も大きな市場価値差があった試合です。

チェルシーの市場価値はハルの約9.36倍。数字だけを見れば、チェルシーがホームで勝たなければならない組み合わせでした。

実際にチェルシーは7分、モーガン・ロジャーズのゴールで先制します。しかし、ハルはモハメド・ベルミが28分と34分に連続得点。前半のうちに逆転しました。

チェルシーは66分にジョアン・ペドロが同点ゴールを決めましたが、逆転までは届きませんでした。

支配率ではチェルシーが68%を記録した一方、シュート数とxGではハルが上回っています。ボールを持った時間の長さと、相手ゴールを脅かした回数が一致していません。

ハルは昇格クラブながら開幕4試合で2勝2分け。市場価値ランキング最下位という評価を、序盤戦の結果で覆しています。

クリスタル・パレス 2-3 イプスウィッチ・タウン

市場価値

  • クリスタル・パレス:5億4,540万ユーロ/981億7,200万円(12位)
  • イプスウィッチ・タウン:2億9,965万ユーロ/539億3,700万円(18位)

主なスタッツ

  • xG:0.62-1.67
  • ボール支配率:46%-54%
  • シュート数:11-12
  • 枠内シュート:4-6

市場価値で約442億円下回るイプスウィッチが、敵地で勝点3を獲得しました。

パレスは14分にアナン・ハライリが先制しましたが、23分にエメルソンが同点ゴール。さらに34分にはアクセル・ディサシが退場し、パレスは残り時間を10人で戦うことになりました。

イプスウィッチはレイフ・デイヴィスのゴールで逆転。パレスも75分にヨルゲン・ストランド・ラーセンが追いつきましたが、90分にジアン・フレミングが決勝点を奪いました。

退場の影響は無視できませんが、イプスウィッチは支配率、シュート数、枠内シュート、xGのすべてでパレスを上回っています。

市場価値下位クラブによる勝利ではあったものの、内容を伴った勝点3でした。

リヴァプール 0-0 フラム

市場価値

  • リヴァプール:9億6,300万ユーロ/1,733億4,000万円(4位)
  • フラム:3億4,880万ユーロ/627億8,400万円(17位)

主なスタッツ

  • xG:1.13-0.71
  • ボール支配率:56%-44%
  • シュート数:14-10
  • 枠内シュート:3-4

リヴァプールの市場価値はフラムの約2.76倍です。

リヴァプールは支配率とシュート数で上回りましたが、14本のシュートのうち枠内は3本。フラムの枠内シュート4本を下回りました。

極端に悪い内容ではありませんが、市場価値差を考えればホームで勝ち切りたかった試合です。

リヴァプールは開幕4試合で1勝3分け。無敗を維持している一方、すでに3試合で勝点を取りこぼしています。

フラムにとっては今季初勝点です。市場価値で1,100億円以上の差がある相手から、守備の粘りによって勝点1を持ち帰りました。

トッテナム・ホットスパー 0-0 エヴァートン

市場価値

  • トッテナム:8億2,950万ユーロ/1,493億1,000万円(6位)
  • エヴァートン:4億7,110万ユーロ/847億9,800万円(14位)

主なスタッツ

  • xG:0.64-1.17
  • ボール支配率:62%-38%
  • シュート数:14-12
  • 枠内シュート:2-3

今節の三本柱の一つが、トッテナムの深刻な得点力不足です。

トッテナムは62%のボール支配率を記録し、シュート数でもエヴァートンを上回りました。しかし、14本のシュートで枠内はわずか2本。xGも0.64にとどまっています。

ボールは持っているものの、相手の守備を崩して決定機を作るところまで進めていません。

トッテナムはこれで開幕4試合連続無得点。シーズン開幕から4試合続けて得点できなかったのは、クラブ史上初めてです。

市場価値はエヴァートンより約645億円高く、攻撃陣にも実績のある選手をそろえています。それでも、選手個人の価値が攻撃の連係やシュートの質に結びついていません。

守備では2試合連続のクリーンシートを記録しており、改善の兆しもあります。ただし、得点がなければ勝点3は獲得できません。

サンダーランド 0-2 アーセナル

市場価値

  • サンダーランド:3億9,888万ユーロ/717億9,840万円(16位)
  • アーセナル:14億5,000万ユーロ/2,610億円(1位)

主なスタッツ

  • xG:1.64-1.97
  • ボール支配率:42%-58%
  • シュート数:12-11
  • 枠内シュート:3-5

市場価値トップのアーセナルが、サンダーランドに苦しめられながらも勝利しました。

試合最大の分岐点は56分です。サンダーランドがPKを獲得しましたが、エンゾ・ル・フェのシュートをダビド・ラヤがセーブ。そのわずか121秒後、ブルーノ・ギマランイスが先制点を決めました。

サンダーランドはシュート数でアーセナルを上回っており、スコアほど一方的な試合ではありません。

それでもアーセナルは、相手のPK失敗直後に得点し、終了間際にはブカヨ・サカがPKを成功。勝負を左右する場面での精度が違いました。

市場価値約1,892億円の差は、90分間の圧倒的な内容ではなく、重要な局面を逃さない勝負強さとして表れています。

アーセナルは開幕4連勝。マンチェスター・シティを得失点差で上回り、首位を維持しています。

マンチェスター・ユナイテッド 0-1 マンチェスター・シティ

市場価値

  • マンチェスター・ユナイテッド:9億2,930万ユーロ/1,672億7,400万円(5位)
  • マンチェスター・シティ:13億3,000万ユーロ/2,394億円(3位)

主なスタッツ

  • xG:0.95-0.99
  • ボール支配率:55%-45%
  • シュート数:16-6
  • 枠内シュート:3-2

二つ目の柱は、10人になったマンチェスター・シティのダービー勝利です。

シティは23分、フィル・フォーデンがブルーノ・フェルナンデスへの報復行為で退場。試合の大半を10人で戦いました。

数的優位を得たユナイテッドは、支配率55%、シュート16本を記録しています。しかし、枠内シュートは3本で、xGも0.95。人数が一人多い状況を、決定的なチャンスの増加につなげられませんでした。

対するシティはシュート6本に抑えられながら、xGは0.99。少ない攻撃機会の中で、ユナイテッドよりも質の高いチャンスを作っています。

そして60分、ヨシュコ・グヴァルディオルのクロスからアーリング・ハーランドが決勝点を奪いました。

この得点は、オフサイドポジションにいたエンソ・フェルナンデスが守備に影響を与えたとして議論を呼び、試合後には審判組織がVARの判断ミスを認めています。

判定を巡る問題は残りましたが、シティが10人でも試合を壊さず、少ないチャンスを得点につなげたことも事実です。

市場価値差は約721億円。今節のシティは、選手層の厚さだけでなく、退場後に戦い方を変えられる対応力によって戦力差を示しました。

コヴェントリー・シティ 0-5 ブライトン

市場価値

  • コヴェントリー:2億9,215万ユーロ/525億8,700万円(19位)
  • ブライトン:5億8,850万ユーロ/1,059億3,000万円(7位)

主なスタッツ

  • xG:1.39-2.69
  • ボール支配率:31%-69%
  • シュート数:14-22
  • 枠内シュート:6-7

トッテナムと並んで無得点問題を抱えているのが、昇格クラブのコヴェントリーです。

ブライトンはハラランポス・コストゥラス、マリック・ヤルクイエ、パスカル・グロス、ルイス・ダンク、ヤシン・アヤリと、5人の選手が得点しました。

コヴェントリーは54分にタイウォ・アウォニイが退場。この時点ですでに0-2で、数的不利になってからさらに3失点しました。

ただし、コヴェントリーは14本のシュートを放ち、そのうち6本が枠内。xGも1.39を記録しています。

トッテナムが決定機そのものを作れていないのに対し、コヴェントリーは一定のチャンスを作りながら得点できていません。両クラブの無得点は、同じように見えて原因が少し異なります。

それでもコヴェントリーは開幕4連敗、無得点、10失点。クラブにとって107年ぶりとなる厳しいスタートです。

一方のブライトンは22本のシュートを放ち、5人が得点。今季は4試合でリーグ最多の13得点を記録しています。

市場価値で約2倍の差が、そのまま攻撃の厚みと選択肢の多さに表れた試合でした。

リーズ・ユナイテッド 4-1 ニューカッスル・ユナイテッド

市場価値

  • リーズ:4億255万ユーロ/724億5,900万円(15位)
  • ニューカッスル:5億8,630万ユーロ/1,055億3,400万円(8位)

主なスタッツ

  • xG:1.91-0.85
  • ボール支配率:51%-49%
  • シュート数:15-7
  • 枠内シュート:6-5

第4節最大のインパクトを残したのが、リーズの4-1です。

市場価値ではニューカッスルが約331億円上回り、金額ではリーズの約1.46倍。それでも試合内容は、リーズが明確に上回りました。

32分にルイス・マイリーのオウンゴールで先制すると、35分にジェイデン・ボーグル、45+1分にはドミニク・キャルバート=ルーウィンが追加点。わずか14分間で3点を奪い、前半だけで試合を大きく動かしました。

後半にはノア・オカフォーが4点目。ニューカッスルは終了間際にバズマナ・トゥーレが1点を返すのが精いっぱいでした。

リーズの4得点に対してxGは1.91であり、決定力の高さは際立っています。しかし、単にシュートが効率よく入っただけではありません。

シュート数は15対7、xGは1.91対0.85。支配率も51%対49%で上回り、市場価値下位クラブが守備を固めて偶然勝った試合ではありませんでした。

リーズは強度、球際、攻守の切り替えでニューカッスルを上回り、前半の短時間で試合を決めています。

この勝利によってリーズは2勝2分けの無敗で3位へ浮上。市場価値ランキング15位のクラブが、序盤戦で最も大きな上振れを見せています。

まとめ

プレミアリーグ第4節における市場価値上位クラブの成績は、4勝4分け2敗でした。

アーセナル、マンチェスター・シティ、ブライトン、ノッティンガム・フォレストは、市場価値で下回る相手に勝利しています。

しかし、チェルシー、リヴァプール、トッテナムはホームで引き分け。クリスタル・パレスとニューカッスルは、市場価値下位クラブに敗れました。

特に印象的だったのがリーズです。ニューカッスルとの約331億円の市場価値差を覆しただけでなく、シュート数やxGでも相手を上回りました。市場価値では測り切れないチームの完成度や強度が、結果に表れています。

マンチェスター・シティは、フォーデンの退場によって通常の戦い方ができなくなった中でも勝利しました。こちらは市場価値の高さが、選手層や対応力、ハーランドの決定力として表れた試合といえます。

そして深刻なのが、開幕4試合無得点のトッテナムとコヴェントリーです。

トッテナムはボールを保持しても決定機を作れず、コヴェントリーはシュートを打ちながら得点に結びつけられていません。同じ無得点でも、それぞれ異なる問題を抱えています。

市場価値はクラブが抱える選手の評価を示しますが、その金額がそのままピッチ上の完成度になるわけではありません。

市場価値上位クラブが10試合中6試合で勝てなかった第4節は、そのことがよく表れた一週間となりました。

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