セリエA市場価値ランキングTOP10|戦術と才能が交差する“再び輝きを取り戻した舞台”

2025年10月7日、セリエA(イタリア1部リーグ)の最新市場価値ランキングが更新されました。かつてヨーロッパを席巻したこのリーグは、近年再び国際的な評価を高めつつあり、戦術的な完成度と新世代の台頭が共存する魅力的な舞台へと進化しています。堅守と組織力を基盤にしながらも、攻撃的でダイナミックなスタイルを取り入れるクラブが増え、セリエA全体のテンポと迫力がかつてないほど向上しています。

今季も、インテル、ナポリ、ユヴェントス、ミランといった伝統的強豪が上位を争い、ヨーロッパの舞台でも存在感を発揮。特に若手の成長が目覚ましく、クヴァラツヘリア、バストーニ、ケナン・ユルディズらが市場価値を急上昇させています。一方で、経験豊富な選手たちも依然として重要な役割を果たしており、若手とベテランのバランスが取れた構成が今季のセリエAを象徴しています。

本記事では、そのセリエA市場価値ランキングTOP10(2025年10月7日更新版)を紹介し、戦術的洗練と個の才能が高次元で融合するイタリアサッカーの今を、最新データとともに詳しく見ていきます。

目次

市場価値ランキング – セリエA編

9位 マヌ・コネ(ASローマ)

5000万€(85億円)

ボルシアMGから2024年夏にASローマへ加入したフランス代表MF、マヌ・コネ。現在の市場価値は5,000万ユーロ(約85億円)。ローマが中盤の強度と推進力を補うために獲得した選手で、その加入はチームの戦術的バランスを大きく変えています。

2024/25シーズンはセリエAで34試合に出場し、プレッシングとボール奪取能力で高い評価を獲得。守備的MFでありながら、ドリブルで前進し、ライン間に縦パスを差し込むことができる稀有なタイプです。今シーズンもその特徴は健在で、リーグ戦10試合すべての試合でフルタイム出場。中盤の潤滑油として機能しています。

ダニエレ・デ・ロッシ監督のもとでインテンシティの高い戦い方を要求される中、コネは高い走力とタックル成功率でチームに安定感を与えています。ポジション的には4-3-3のインサイドハーフやダブルボランチの一角を担い、ピッチ全体をカバーする豊富な運動量が持ち味。ボール奪取から即座に攻撃へ転じる“トランジションの速さ”はローマの新たな武器となっています。

年齢はまだ24歳。セリエAの守備的な環境にもすぐに順応しつつあり、今後数年でリーグ屈指のボックス・トゥ・ボックスMFへと成長する可能性を秘めています。ローマが欧州で再び存在感を示すためには、このフランス人のダイナミズムが欠かせないでしょう。

9位 スコット・マクトミネイ(ナポリ)

5000万€(85億円)

2024年夏、マンチェスター・ユナイテッドからSSCナポリへ移籍したスコット・マクトミネイ。市場価値は5,000万ユーロ(約85億円)。プレミアリーグで培った強靭なフィジカルと闘志を武器に、セリエAの舞台でも存在感を示し始めています。

マンチェスター・ユナイテッドでは“中盤のハードワーカー”として知られていましたが、昨季(2024/25)は開幕から途中出場が増え、クラブ内での立場がやや不安定に。そんな中、ナポリが中盤の刷新を目的に彼を獲得。新天地での挑戦を決断しました。加入当初は戦術適応に苦しんだものの、持ち前の運動量と献身性で徐々に評価を高めています。

今季(2025/26)は主に4-3-3のインサイドハーフで起用され、守備時には中盤のバランスを取る一方、攻撃時にはボックス内へ飛び込む積極的な動きが特徴。開幕から9試合で2ゴールを挙げており、セリエA特有の守備的な試合展開でも“推進力”として貴重な存在になっています。デ・ラウレンティス会長も「マクトミネイはチームにプレミアの強度をもたらした」と語るなど、クラブ内の評価は上昇中です。

その闘志あふれるプレースタイルと、どんな状況でも怯まないメンタリティは、まさにナポリの求めていた特性。派手さはないものの、チームに安定と戦う姿勢を与える“青の戦士”として、セリエAの新たな環境でも確実に存在感を放っています。

9位 フェデリコ・ディマルコ(インテルナツィオナーレ・ミラノ)

5000万€(85億円)

イタリア代表の左サイドを支える攻撃的ディフェンダー、フェデリコ・ディマルコ。現在の市場価値は5,000万ユーロ(約85億円)。インテルにとって欠かせない主力の一人であり、戦術的柔軟性と高い技術を兼ね備えたサイドプレーヤーとして安定した評価を保ち続けています。

2024/25シーズンは公式戦51試合に出場し、4ゴール・11アシストを記録。3バックシステムの左ウイングバックとしてプレーし、的確なポジショニングと高精度の左足クロスでチームの攻撃を牽引しました。守備でも対人の強さと集中力が増し、攻守両面で成熟したシーズンとなりました。

今季(2025/26)はやや負傷がちなスタートを切ったものの、復帰後はすぐに存在感を発揮。すでにリーグ戦で2ゴール・3アシストをマークしており、前線のテュラムやラウタロとの連携も健在です。特に後方からのロングレンジのクロスやカットインからのミドルシュートは、インテルの攻撃に幅を与えています。

また、チーム内外からの信頼も厚く、ピッチ上ではキャプテン代理として指示を出す場面も増加。サン・シーロでは“バンディエラ(旗手)”と称されるほどクラブ愛を示しており、ファンからの支持も絶大です。攻撃的SBとして欧州屈指の地位を築いたディマルコは、インテル黄金期の象徴として今後もチームを牽引し続けるでしょう。

9位 ブレーメル(ユヴェントスFC)

5000万€(85億円)

ブラジル代表センターバックのブレーメルは、現在もユヴェントス守備陣の中心として揺るぎない地位を保っています。市場価値は5,000万ユーロ(約85億円)。2022年にトリノから加入して以来、3シーズンにわたって安定したパフォーマンスを続けており、セリエA屈指の守備職人として高く評価されています。

2024/25シーズンは2024年10月に右膝前十字靭帯を断裂し、2024/25シーズンのほとんどを欠場。ユヴェントスにとっても守備の柱を欠く厳しい時期となりましたが、ブレーメルは手術とリハビリを経て、2025年8月に開幕戦で復帰を果たしました。その後の数試合では試合勘の不足が見られたものの、今季(2025/26)はついに本来のフィジカルと安定感を取り戻していました。しかし10月に左ひざの半月板を断裂してしまい再び手術を受けることになってしまいました。

2025/26シーズンは怪我をするまでは開幕からレギュラーとして出場を続けており、リーグ戦5試合でフル出場。失点数の少なさは彼の存在によるところが大きく、守備ブロックの統率力、ラインコントロールの精度は年々向上しています。ビルドアップ時には縦パスやサイドチェンジにも積極的に関与し、守備専業ではない“モダンCB”としての進化も見られます。

その強靭な体と冷静な判断力はユーヴェのディフェンスに欠かせず、監督スパレッティも「ブレーメルがいると守備陣が落ち着く」とコメント。欧州の複数クラブが関心を寄せていますが、本人はトリノでの生活を気に入っており、契約延長にも前向きな姿勢を示しています。ユヴェントスが再び頂点を狙う上で、このブラジル人CBの存在は絶対的な安心材料と言えるでしょう。

9位 アレッサンドロ・ボンジョルノ(ナポリ)

5000万€(85億円)

2024/25シーズンにトリノからSSCナポリへ加入したイタリア代表センターバック、アレッサンドロ・ボンジョルノ。現在の市場価値は5,000万ユーロ(約85億円)。セリエAで最も評価を高めたDFの一人として注目されており、ナポリ守備陣の再建に欠かせない存在となっています。

トリノ時代から堅実な守備と冷静な対応力で評価されていたボンジョルノは、ナポリ移籍後すぐにレギュラーの座を確保。屈強なフィジカルを生かした空中戦の強さと対人守備でチームに安定をもたらし、セリエAでも屈指のセンターバックへと成長しました。度々怪我で離脱はありましたが出場試合は安定した守備を見せていました。

今季(2025/26)も少しの怪我はありますが出場試合は安定しています。左利きのセンターバックとして、後方からのビルドアップにも積極的に関与し、ナポリの攻撃構築においても重要な役割を担っています。特にカバーリングの読みやラインコントロールの正確さは一段と磨かれ、守備リーダーとしてチーム全体を統率する姿が見られます。

代表レベルでもイタリア代表での出場機会を増やしており、コンテ監督からの信頼も厚い状況です。ナポリではカプテン候補の一人とされ、将来的にはチームの象徴的存在となる可能性も。トリノ出身ながら南イタリアの地で新たなキャリアの頂点を目指すボンジョルノは、セリエAのディフェンスシーンを牽引する逸材としてますます注目を集めています。

9位 モイーズ・キーン(ACFフィオレンティーナ)

5000万€(85億円)

かつてユヴェントスの“神童”と呼ばれたモイーズ・キーンは、今シーズンからACFフィオレンティーナで新たなキャリアを歩み始めています。現在の市場価値は5,000万ユーロ(約85億円)。移籍後すぐに攻撃の中心として存在感を発揮し、フィオレンティーナの前線に新たな推進力を与えています。

2023/24シーズンはユヴェントスで怪我もあり出場機会に恵まれず、リーグ戦わずか19試合の出場にとどまりました。しかし、移籍後はその鬱憤を晴らすかのように絶好調。セリエAで32試合に出場し、19ゴール・3アシストを記録。持ち前のスピードとパワーに加え、ゴール前での冷静さも増しており、キャリアの“再ブレイク”を予感させるスタートを切っています。

ステファノ・ピオリ監督の下では主にセンターフォワードとして起用され、サイドに流れながらスペースを突くプレーでチームの攻撃を活性化。アルベルト・グズムンドソンとの連携も良好で、フィオレンティーナの新しい攻撃パターンを形成しています。

一時は伸び悩みが指摘されていたキーンですが、今季はメンタル面の安定とともにプレーの成熟度が増し、チームを勝利に導く勝負強さも取り戻しています。まだ25歳と若く、イタリア代表復帰も視野に入る中で、フィオレンティーナでの成功が彼のキャリアを再び輝かせる可能性は十分です。

8位 ニコ・パス(コモ1907)

5500万€(93億5,000万円)

スペインの名門レアル・マドリードからセリエAのコモ1907に移籍し、今季イタリアで大きな注目を集めているのがニコ・パスです。現在の市場価値は5,500万ユーロ(約93億5,000万円)。まだ20歳という若さながら、その卓越したテクニックと創造性でチームの攻撃を牽引しています。

レアル・マドリードの下部組織出身で、2023/24シーズンにトップチームデビューを果たしたパス。限られた出場時間の中でも落ち着いたボールタッチと決定的なラストパスを見せ、スペイン国内で“マドリーの至宝”と称されました。2024/25シーズンにはより多くの出場機会を求めてコモに完全移籍し、新天地で一気に才能を開花させています。

今季(2025/26)はセリエA昇格2年目のコモで主力として全試合に出場。トップ下やインサイドハーフで攻撃のリズムを作り、すでに4ゴール・4アシストを記録。足元の技術と視野の広さはセリエAでも群を抜き、対戦チームの監督たちからも高い評価を受けています。

また、マドリード仕込みのパスセンスに加え、守備への献身も見せるなど、単なる技巧派にとどまらない完成度を見せている点も印象的です。今後、ビッグクラブからの関心が高まることは間違いなく、イタリアでの成功が再びスペイン復帰への道を開く可能性も。

セリエAで急速に存在感を高めるニコ・パスは、レアルが買い戻しをするかどうかも今季の注目となっています。

7位 クリスティアン・プリシッチ(ACミラン)

6000万€(102億円)

アメリカ代表のスターとして世界的に知られるクリスティアン・プリシッチ。チェルシーからACミランに加入して3シーズン目の今、彼はセリエAで確固たる地位を築きつつあります。現在の市場価値は6,000万ユーロ(約102億円)。サイドアタッカーとしての爆発力と得点力を兼ね備え、ミランの攻撃陣を支えるキープレイヤーの一人です。

2024/25シーズンは公式戦41試合に出場し、13ゴール・7アシストを記録。左サイドからのドリブル突破と右足での鋭いカットインは、イタリアの守備的なチームをも切り裂く破壊力を持ち、チーム内MVP級の活躍を見せました。特にシーズン終盤のローマ戦では、チャンピオンズリーグ出場権を手繰り寄せる決勝弾を挙げ、サン・シーロを熱狂させました。

今季(2025/26)はより攻撃的な4-2-3-1システムの右ウイングでプレー。ここまで7試合で2ゴール・3アシストと上々のスタートを切っています。ステファノ・ピオリ監督は彼を「戦術理解と献身性を兼ね備えたプレーヤー」と評しており、攻守の両面でチームに不可欠な存在となっています。

チェルシー時代の不安定さから一転、ミランで安定した成績を残していることも注目点。怪我のリスクを減らし、フィジカル面でも充実を見せる今、プリシッチはキャリアのピークに差しかかっています。セリエAにおいて、アメリカ人選手として前例のない成功を収めようとしている彼の今後から目が離せません。

6位 ニコロ・バレッラ(インテルナツィオナーレ・ミラノ)

6500万€(110億5,000万円)

イタリア代表の中盤を長年支えてきたニコロ・バレッラ。そのプレースタイルは一言で言えば「攻守を完璧にこなす万能型ミッドフィルダー」です。現在の市場価値は6,500万ユーロ(約110億5,000万円)。今季もインテルの中盤に欠かせない存在として、チームの攻撃と守備のバランスを支えています。

2024/25シーズンは公式戦56試合に出場し、3ゴール・10アシストを記録。ハイテンポなビルドアップにおける中継役としてだけでなく、試合の流れを読む判断力とプレッシングの強度でも圧倒的な存在感を放ちました。チャンピオンズリーグでは、ラウタロやテュラムといった攻撃陣との連携から多くのチャンスを生み出し、インテルのベスト8進出に大きく貢献。

今季(2025/26)も、クリスティアン・キヴ監督のもとで主力としてプレー。セリエA開幕からここまで11試合に出場し、1ゴール・3アシストをマーク。疲れ知らずのスタミナと、ボールを持った瞬間のスピード感は健在で、インテルの中盤に「流動性と強度」をもたらしています。

また、キャプテンのラウタロ・マルティネスとともに精神的支柱としてもチームを支えており、試合終盤まで声を張り上げて味方を鼓舞する姿が印象的です。クラブと長期契約を結んでいることから、バレッラは今後もインテルの中心としてチームを牽引し続けるでしょう。

その安定感と高い技術、そしてリーダーシップによって、バレッラはセリエA屈指のミッドフィルダーとしての地位を確固たるものにしています。

5位 ラファエル・レオン(ACミラン)

7000万€(119億円)

ACミランの象徴的存在となったポルトガル代表FW、ラファエル・レオン。その圧倒的なスピードとしなやかなドリブルで、イタリアだけでなくヨーロッパ全体から注目を集めています。現在の市場価値は7,000万ユーロ(約119億円)。クラブの攻撃の中心として、エースナンバー10を背負う彼は今季もサン・シーロを沸かせています。

2024/25シーズンは公式戦50試合に出場し、12ゴール・11アシストを記録。特にチャンピオンズリーピオリ監督のもとで自由度の高い左ウイングとしてプレーし、カウンターやポゼッションのどちらでも違いを生み出せる万能さを発揮。チームにとって不可欠な存在となっています。

今季(2025/26)は、エースとしての責任感がより強まり、開幕8試合で4ゴール・3アシストと上々のスタート。攻撃だけでなく守備面での献身性も増し、ピッチ上でのリーダーとして若手を引っ張る姿が見られるようになりました。特に新加入のホアキン・ピエレスとのコンビは非常に相性が良く、左サイドを制圧するシーンも多く見られます。

一方で、契約延長問題や移籍の噂も絶えず、パリ・サンジェルマンやマンチェスター・シティなど複数のビッグクラブが関心を示しているとも報じられています。それでも本人は「ミランでの挑戦を続けたい」と語っており、チームの中心としてセリエA制覇を目指しています。

ラファエル・レオンは今や単なるスピードスターではなく、技術・戦術理解・精神面すべてで進化を遂げた“完成されたエース”。その才能は今季もヨーロッパの舞台で輝きを放ち続けています。

3位 マーカス・テュラム(インテルナツィオナーレ・ミラノ)

7500万€(127億5,000万円)

フランス代表ストライカー、マルクス・テュラムは、セリエAでも屈指の万能型フォワードとして存在感を示しています。現在の市場価値は7,500万ユーロ(約127億5,000万円)。2023年にボルシアMGからインテルへ加入して以来、その適応力と爆発力でチームの攻撃をけん引してきました。

2024/25シーズンは公式戦50試合に出場し、18ゴール・5アシストというの成績を残しました。ラウタロ・マルティネスとの“黄金コンビ”はイタリア全土を席巻し、2トップの呼吸は年々成熟。特にチャンピオンズリーグ準々決勝でのマンチェスター・シティ戦では、テュラムの独走ゴールがチームを勝利に導き、そのインパクトは世界に轟きました。

今季(2025/26)は、より中央寄りのポジションでプレー。開幕から9試合で5ゴール・2アシストと、安定した結果を残しています。フィジカルの強さと裏への抜け出しの鋭さに加え、足元の柔らかさとチームプレーへの意識の高さが評価されており、インザーギ監督の信頼も絶大です。

また、テュラムはピッチ外でもリーダーシップを発揮。若手選手の面倒をよく見る兄貴分としてチーム内で慕われており、父リリアン・テュラム譲りの知性とメンタリティでチームの雰囲気を引き締めています。代表チームでも欧州選手権で主力を務め、フランスの攻撃の中核としても期待されています。

マーカス・テュラムは今や「ラウタロと並ぶもう一人のインテルの象徴」。その才能と人間性の両面で、ネラッズーリを次の時代へ導く存在となりつつあります。

3位 ケナン・ユルディズ(ユヴェントスFC)

7500万€(127億5,000万円)

トルコ代表の若きスター、ケナン・ユルディズは、ユヴェントスが誇る“新時代の希望”として急成長を遂げています。現在の市場価値は7,500万ユーロ(約127億5,000万円)。わずか20歳ながら、セリエA屈指の攻撃的タレントとして、ヨーロッパ中の注目を集めています。

2024/25シーズンは公式戦45試合に出場し、8ゴール・5アシストを記録。特に中盤と前線を自在に行き来するポジショニングセンス、そして狭いスペースでもボールを失わない足元の技術が際立ちました。ユヴェントスでは、左サイドを任されることが多く、時にトップ下やセカンドストライカーとしても機能し、攻撃の幅を広げています。

今季(2025/26)はアッレグリ監督から「より中心的な役割」を与えられ、開幕から8試合で3ゴール・4アシストと好調なスタート。特に9月のローマ戦では、ミドルシュートからの決勝点でチームを勝利に導き、そのパフォーマンスがファンの間で話題となりました。

また、トルコ代表でもユーロ予選で重要な役割を担い、チームのエースとして結果を出し続けています。スピード・テクニック・創造性を兼ね備えたユルディズは、同国史上最高のタレントと評されることも多く、ガラタサライやフェネルバフチェのファンからも憧れの存在です。

ユルディズのプレースタイルは、ドリブルで切り裂きながらも冷静にチャンスメイクできるバランス型。まだ20歳ながら戦術理解が深く、試合ごとに成長を感じさせる彼の姿は、ユヴェントスの未来を象徴しています。今後、セリエAでのさらなる飛躍とともに、世界的スターの仲間入りを果たす日はそう遠くないでしょう。

2位 アレッサンドロ・バストーニ(インテルナツィオナーレ・ミラノ)

8000万€(136億円)

インテルの守備を支えるイタリア代表センターバック、アレッサンドロ・バストーニ。現在の市場価値は8,000万ユーロ(約136億円)と、セリエAのディフェンダーではトップクラスの評価を受けています。左足から繰り出されるビルドアップ能力と戦術理解の深さで、今や世界最高峰の左利きCBの一人として名を馳せています。

2024/25シーズンは公式戦57試合に出場し、2ゴールを記録。守備面では1対1の強さだけでなく、ボール保持時の貢献が絶大でした。特にチャンピオンズリーグ準々決勝のアーセナル戦では、ロングパスで先制点を演出し、攻撃の起点としても存在感を発揮。インザーギ監督の3バックの要として、チームの安定感を支えました。

今季(2025/26)は主将ラウタロ・マルティネスに次ぐ副キャプテンとしてピッチに立ち、よりリーダーシップを発揮しています。

また、バストーニのパス成功率は88%超を記録。センターバックでありながらも、前線への鋭い縦パスやサイドチェンジで試合をコントロールする姿は、まるで中盤のレジスタのよう。守備職人でありながら芸術的なプレーメーカーでもある稀有な存在です。

アレッサンドロ・バストーニはまだ26歳という若さながら、インテルとイタリア代表の両方で“絶対的な柱”。彼が築く冷静沈着な守備と華麗なビルドアップは、これからのセリエAを象徴するスタイルのひとつになるでしょう。

1位 ラウタロ・マルティネス(インテルナツィオナーレ・ミラノ)

8500万€(144億5,000万円)

インテルのキャプテンであり、アルゼンチン代表の主力ストライカーでもあるラウタロ・マルティネス。現在の市場価値は8,500万ユーロ(約144億5,000万円)と、セリエAで最も高い評価を受ける選手の一人です。ゴールへの嗅覚、リーダーシップ、そしてクラブへの忠誠心。そのすべてがインテルの象徴として彼を特別な存在にしています。

2024/25シーズンは公式戦53試合に出場し、24ゴール・3アシストを記録。チャンピオンズリーグでも準優勝に大きく貢献しました。インザーギ監督の下でキャプテンマークを託されてからというもの、チームを精神面でも牽引する姿が際立ち、まさに“闘志と冷静さを併せ持つリーダー”としての成熟を感じさせます。

今季(2025/26)は、エースとしての役割に加え、若手選手への指導や試合中のメンタルコントロールにも注力。開幕から14試合で8ゴール・2アシストと高水準のパフォーマンスを維持しており、セリエA連覇を狙うインテルにとって不可欠な存在です。特に新戦力マーカス・テュラムとのコンビネーションは年々磨きがかかり、インテルの攻撃の中心として欧州でも屈指の破壊力を誇ります。

また、アルゼンチン代表ではリオネル・メッシの後継的存在としてキャプテン候補に名を連ねており、コパ・アメリカ2024でもチームを優勝に導きました。ワールドクラスのストライカーとしてだけでなく、精神的支柱としての価値も年々増しており、そのリーダー性はクラブ内外で高く評価されています。

ラウタロ・マルティネスは“ゴールでチームを救うキャプテン”。その存在は、単なる得点源ではなく、勝利を呼び込む象徴となっています。今やインテルの背番号10は、彼の代名詞そのもの。セリエAを代表するストライカーとして、今季もその名を輝かせ続けるでしょう。

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まとめ(セリエA市場価値ランキング 2025年10月7日更新版)

2025年10月7日更新のセリエA市場価値ランキングでは、ラウタロ・マルティネス(インテル/8500万ユーロ=約144億5000万円)が首位を獲得しました。インテルのキャプテンとして攻撃陣を牽引し、安定した得点力とリーダーシップでチームの精神的支柱となっています。成熟したプレースタイルと勝負強さを兼ね備え、今やセリエAを象徴するストライカーへと成長しました。

2位には、同じくインテル所属のアレッサンドロ・バストーニ(8000万ユーロ=約136億円)がランクイン。守備面の安定感に加え、後方からのビルドアップ能力でも評価を高めており、モダンなセンターバックとしての完成度が際立っています。インテルはラウタロとバストーニという攻守の要が揃って上位を占める形となり、クラブの安定した強さを裏づける結果となりました。

3位には、マルクス・テュラム(インテル/7500万ユーロ=約127億5000万円)ケナン・ユルディズ(ユヴェントス/同)が並びました。テュラムは高いフィジカルと柔軟なポジショニングで、セリエAでもトップクラスのアタッカーとして定着。ユルディズは若干20歳ながらユヴェントスの攻撃に欠かせない存在となり、イタリア国内のみならず欧州全体から注目を集めています。

5位には、ラファエル・レオン(ACミラン/7000万ユーロ=約119億円)が続きました。独特のスピードとドリブルでチームの攻撃を支え、引き続きリーグ屈指のウインガーとして高い評価を維持しています。

今回のランキングからは、インテルの攻守両面での支配力が改めて浮き彫りとなりました。トップ5のうち3人が同クラブ所属という結果は、セリエAにおけるチームバランスと安定性を物語っています。また、ユルディズやレオンのような若い才能が上位に食い込んでいる点も、リーグ全体の新陳代謝と未来への希望を感じさせる要素です。

戦術的な完成度と個の力が融合するイタリアサッカーにおいて、今季の主役は間違いなくインテル勢。その中で若きスターたちがどこまで追い上げるのか──2025/2026シーズンのセリエAは、成熟と躍動が共存する注目のシーズンとなりそうです。

各国の開幕直後の市場価値TOP10

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