かつてセンターバックは、経験を積んだベテランが評価されやすいポジションでした。しかし現在は、対人守備の強さだけでなく、後方から攻撃を組み立てる技術や、広いスペースをカバーできるスピードも求められています。
その変化は市場価値にもはっきり表れています。今回のランキングでは10代の選手が複数入り、プレミアリーグ勢を中心にセンターバックの評価額がさらに上昇しました。
本記事では、2026/27シーズン開幕直後におけるセンターバックの市場価値ランキングTOP10を、2025/26シーズン開幕時のデータと比較しながら紹介します。
※市場価値はTransfermarktを参考にしています。日本円は今回のランキングを1ユーロ=180円、2025/26シーズン開幕時を1ユーロ=170円で換算しています。比較は為替の影響を受けないユーロ建てを基準とします。
※同順位を含むため、今回は11人を掲載しています。
センターバック市場価値ランキングTOP10【2026/27シーズン開幕直後】
9位 ルカ・ヴシュコヴィッチ
市場価値:6000万ユーロ(108億円)
所属:ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC
国籍:クロアチア
年齢:19歳
19歳のルカ・ヴシュコヴィッチが、6000万ユーロで同率9位に入りました。
2025/26シーズンはハンブルガーSVでプレーし、空中戦の強さに加えて6得点を記録。センターバックでありながら、セットプレーで得点源になれることも証明しました。
2026年夏にはトッテナム・ホットスパーFCからブライトンへ完全移籍。若さ、サイズ、得点力を兼ね備えており、今後さらに市場価値を伸ばす可能性があります。
9位 ディーン・ハイセン
市場価値:6000万ユーロ(108億円)
所属:レアル・マドリード
国籍:スペイン
年齢:21歳
レアル・マドリードのディーン・ハイセンも、6000万ユーロで同率9位です。
2025/26シーズンは公式戦38試合に出場して2得点。長身を生かした守備だけでなく、縦パスやサイドチェンジで攻撃の起点になれる点も高く評価されています。
市場価値は前年開幕時と同じ6000万ユーロですが、順位は8位から9位へ下がりました。ハイセン自身の評価が落ちたというより、周囲のセンターバックの市場価値が上昇した影響が大きいでしょう。
9位 ヤン・ポール・ファン・ヘッケ
市場価値:6000万ユーロ(108億円)
所属:トッテナム・ホットスパーFC
国籍:オランダ
年齢:26歳
ヤン・ポール・ファン・ヘッケが、新たにランキングへ加わりました。
2025/26シーズンはブライトンでプレミアリーグ36試合に先発し、3得点3アシスト。189回のクリア、53回のタックル、47回のインターセプトを残すなど、年間を通して最終ラインを支えました。
2026年夏にはトッテナムへ移籍。即戦力として計算できるプレミアリーグでの実績が、6000万ユーロという評価につながっています。
8位 アレッサンドロ・バストーニ
市場価値:6500万ユーロ(117億円)
所属:インテルナツィオナーレ・ミラノ
国籍:イタリア
年齢:27歳
8位はインテルのアレッサンドロ・バストーニです。
2025/26シーズンは公式戦39試合で2得点6アシスト。左足から繰り出す正確なパスと、ボールを前方へ運ぶ能力は、世界のセンターバックの中でも屈指です。
前年開幕時は8000万ユーロで同率1位でしたが、今回は6500万ユーロまで下がり、順位も8位となりました。それでも、守備者でありながら攻撃の組み立てに直接関与できる希少性は変わっていません。
6位 ヨシュコ・グヴァルディオル
市場価値:7000万ユーロ(126億円)
所属:マンチェスター・シティFC
国籍:クロアチア
年齢:24歳
ヨシュコ・グヴァルディオルは、7000万ユーロで同率6位です。
2025/26シーズンは負傷の影響を受け、公式戦25試合の出場にとどまりました。市場価値も前年開幕時の7500万ユーロから500万ユーロ下がっています。
一方で、24歳という年齢に加え、センターバックと左サイドバックの両方を高い水準でこなせる点は大きな強みです。コンディションを取り戻せば、再び上位へ浮上する可能性は十分にあります。
6位 マルク・グエイ
市場価値:7000万ユーロ(126億円)
所属:マンチェスター・シティFC
国籍:イングランド
年齢:26歳
2026年1月にクリスタル・パレスFCからマンチェスター・シティへ加入したマルク・グエイが、同率6位に入りました。
プレミアリーグで積み重ねてきた経験に加え、対人守備の安定感や広いスペースへの対応力を備えています。シティ加入後も公式戦20試合に出場して2得点を記録しました。
契約期間の影響から移籍金は市場価値より低く抑えられましたが、選手としての評価は7000万ユーロ。シティにとっては、実力と市場価値の両面で大きな補強になっています。
4位 ガブリエウ
市場価値:7500万ユーロ(135億円)
所属:アーセナルFC
国籍:ブラジル
年齢:28歳
アーセナルのガブリエウが、7500万ユーロで同率4位です。
2025/26シーズンは公式戦51試合に出場し、4得点5アシスト。強さと高さを生かした守備に加え、セットプレーでは相手にとって大きな脅威となりました。
市場価値、順位ともに前年開幕時と変わっていません。ランキング上位の顔ぶれが大きく動くなか、28歳で7500万ユーロを維持していることが、ガブリエウの安定した評価を示しています。
4位 ダヨ・ウパメカノ
市場価値:7500万ユーロ(135億円)
所属:FCバイエルン・ミュンヘン
国籍:フランス
年齢:27歳
ダヨ・ウパメカノが7500万ユーロで同率4位に入り、前年開幕時のランキング外から上位へ浮上しました。
2025/26シーズンのブンデスリーガでは21試合に出場し、1得点1アシスト。高い身体能力とスピードを備え、最終ラインを高く設定するチームでも広いスペースをカバーできます。
27歳はセンターバックとして経験と身体能力のバランスが取りやすい年齢です。守備だけでなく、後方からボールを前進させる能力も今回の評価につながっています。
3位 ウィリアン・パチョ
市場価値:8000万ユーロ(144億円)
所属:パリ・サンジェルマンFC
国籍:エクアドル
年齢:24歳
3位はパリ・サンジェルマンFCのウィリアン・パチョです。
2025/26シーズンは公式戦43試合に出場し、チャンピオンズリーグで2得点を記録。左利きでスピードがあり、背後に広いスペースを抱えるPSGの守備でも安定したパフォーマンスを見せました。
前年開幕時の6500万ユーロから1500万ユーロ上昇し、順位も6位から3位へ。24歳で主力として結果を残したことが、市場価値に反映されています。
1位 パウ・クバルシ
市場価値:1億ユーロ(180億円)
所属:FCバルセロナ
国籍:スペイン
年齢:19歳
パウ・クバルシが、市場価値1億ユーロで同率1位となりました。
2025/26シーズンはFCバルセロナで公式戦40試合以上に出場。さらにスペイン代表として2026年ワールドカップ優勝を経験し、大会最優秀若手選手にも選ばれました。
前年開幕時も8000万ユーロで同率1位でしたが、そこからさらに2000万ユーロ上昇。19歳とは思えない判断力とパス能力を備えており、将来性を含めた評価ではすでに世界最高水準に達しています。
1位 ウィリアム・サリバ
市場価値:1億ユーロ(180億円)
所属:アーセナルFC
国籍:フランス
年齢:25歳
ウィリアム・サリバも、1億ユーロで同率1位です。
2025/26シーズンはプレミアリーグ31試合、公式戦48試合に出場。スピード、対人守備、ボール保持時の落ち着きを兼ね備え、アーセナルの最終ラインを支えました。
前年開幕時の8000万ユーロから2000万ユーロ上昇し、世界最高額の座を維持しています。2026年ワールドカップで負傷し、シーズン開幕時点では離脱が続いているものの、これまで積み重ねてきた実績と完成度への評価は揺らいでいません。
2025/26シーズン開幕時との比較
前年開幕時から続けてランキングに入った7人の変化は、以下のとおりです。
| 選手 | 2025/26シーズン開幕時 | 2026/27シーズン開幕直後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| ディーン・ハイセン | 6000万ユーロ・8位 | 6000万ユーロ・9位 | 変動なし |
| アレッサンドロ・バストーニ | 8000万ユーロ・1位 | 6500万ユーロ・8位 | -1500万ユーロ |
| ヨシュコ・グヴァルディオル | 7500万ユーロ・4位 | 7000万ユーロ・6位 | -500万ユーロ |
| ガブリエウ | 7500万ユーロ・4位 | 7500万ユーロ・4位 | 変動なし |
| ウィリアン・パチョ | 6500万ユーロ・6位 | 8000万ユーロ・3位 | +1500万ユーロ |
| パウ・クバルシ | 8000万ユーロ・1位 | 1億ユーロ・1位 | +2000万ユーロ |
| ウィリアム・サリバ | 8000万ユーロ・1位 | 1億ユーロ・1位 | +2000万ユーロ |
前年開幕時の最高額は8000万ユーロでしたが、今回は1億ユーロまで上昇しました。また、ランキング最下位の市場価値も5500万ユーロから6000万ユーロへ上がっています。
同順位を含む掲載人数が異なるため単純比較はできませんが、平均市場価値も前年開幕時の約6708万ユーロから、今回は約7409万ユーロへ上昇。上位だけでなく、ランキング全体の水準が引き上げられています。
新たにランクインした選手
| 選手 | 今回の順位 | 市場価値 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| ルカ・ヴシュコヴィッチ | 9位 | 6000万ユーロ | 19歳での急成長とブライトン移籍 |
| ヤン・ポール・ファン・ヘッケ | 9位 | 6000万ユーロ | ブライトンでの実績とトッテナム移籍 |
| マルク・グエイ | 6位 | 7000万ユーロ | シティ加入とプレミアリーグでの安定感 |
| ダヨ・ウパメカノ | 4位 | 7500万ユーロ | スピードとビルドアップ能力への評価 |
特に興味深いのが、ブライトンとトッテナムの動きです。前年までブライトンの主力だったファン・ヘッケがトッテナムへ移り、トッテナムが保有していたヴシュコヴィッチはブライトンへ加入しました。
両者の市場価値は同じ6000万ユーロですが、26歳でプレミアリーグでの実績を持つファン・ヘッケと、19歳で将来性の大きいヴシュコヴィッチでは、評価されている部分が異なります。
前年開幕時からランキング外となった選手
| 選手 | 2025/26シーズン開幕時の順位 | 当時の市場価値 |
|---|---|---|
| レヴィ・コルウィル | 10位 | 5500万ユーロ |
| レニー・ヨロ | 10位 | 5500万ユーロ |
| ムリーロ | 10位 | 5500万ユーロ |
| イブラヒマ・コナテ | 8位 | 6000万ユーロ |
| ルベン・ディアス | 6位 | 6500万ユーロ |
ランキング外になったことが、そのまま選手としての評価低下を意味するわけではありません。今回のボーダーが6000万ユーロまで上がったことに加え、新たな若手の台頭や所属クラブでの出場状況なども順位に影響しています。
センターバック市場にも進む若年化
今回掲載した11人の平均年齢は約24.2歳で、25歳以下が6人を占めました。なかでもクバルシとヴシュコヴィッチは、まだ19歳です。
経験が重要とされてきたセンターバックでも、早い段階からトップレベルで起用される選手が増えています。守備の強さだけでなく、ビルドアップ能力やスピードが求められるようになったことで、若手選手の市場価値も上がりやすくなりました。
リーグ別では、プレミアリーグ所属選手が11人中6人。市場価値の合計は4億3500万ユーロで、ランキング全体の約53.4%を占めています。
クラブ別では、アーセナルのサリバとガブリエウが合計1億7500万ユーロ。マンチェスター・シティもグヴァルディオルとグエイで合計1億4000万ユーロとなっており、優勝を争うクラブが最終ラインにも大きな価値を持っていることが分かります。
まとめ
2026/27シーズン開幕直後のセンターバック市場では、最高額が前年開幕時の8000万ユーロから1億ユーロへ上昇しました。ランキングのボーダーも5500万ユーロから6000万ユーロへ上がり、ポジション全体の市場価値が一段階引き上げられています。
完成度の高いサリバと、19歳で急成長を続けるクバルシが同じ市場価値で並んでいる点は、今回のランキングを象徴しています。現在の実力を高く評価される選手と、将来性を含めて評価される若手が、同じ1億ユーロに到達しました。
また、パチョの上昇、ヴシュコヴィッチやファン・ヘッケの新規ランクインなど、順位の変化も目立ちます。センターバックに求められる役割が広がるなか、守れるだけではなく、攻撃の起点にもなれる選手の価値は今後も高まっていきそうです。

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