2024/2025シーズンを終えた今、守備的ミッドフィルダー(DMF)の市場価値ランキングにも注目が集まっています。かつては「守備専門」としての役割が強かったこのポジションも、現代サッカーではその役割が大きく進化しました。相手の攻撃を未然に防ぐ守備力に加え、攻撃の起点となるビルドアップ能力、試合展開を読む戦術眼、そして時にはゴール前まで飛び出す積極性まで、多様なスキルが求められるポジションへと変わっています。
特にトップクラブでは、守備的ミッドフィルダーの質がそのままチーム全体の安定感とパフォーマンスに直結すると言っても過言ではありません。パスコースの限定、危険なスペースのカバー、ボール奪取からの素早い攻撃展開など、地味ながらも勝敗を大きく左右する重要な役割を担っています。近年は「アンカー型」「レジスタ型」「ボックス・トゥ・ボックス型」などプレースタイルのバリエーションも増え、選手の市場価値にも様々な特徴が反映されています。
今回は、Transfermarktの最新データをもとに、2024/2025シーズン終了時点の守備的ミッドフィルダー市場価値ランキングを紹介します。現代サッカーの「見えにくい主役」たちが、今シーズンどのように評価を高め、どの選手がトップに立ったのか。その勢力図を詳しく見ていきましょう。
市場価値ランキング – 守備的ミッドフィルダー編
8位 ヨシュア・キミッヒ(バイエルン・ミュンヘン)
5000万€(85億円)
2024/2025シーズン終了後、バイエルン・ミュンヘンのヨシュア・キミッヒは、クラブ内外で大きな岐路に立たされる存在となっています。シーズンを通じて主力としてプレーを続けたものの、キャリアの転機を感じさせるような雰囲気が漂う一年となりました。
このシーズン、キミッヒは主に中盤の底でプレーし、公式戦40試合以上に出場。3ゴール10アシストという数字を残しましたが、注目すべきはそのゲームメイク能力と配球の安定感にあります。相手のプレスをいなす落ち着いたパス捌き、試合をコントロールするテンポ管理は、やはりチームにとって代えがたい存在であり続けました。また、セットプレーからの精度の高いクロスやミドルシュートでも見せ場を作るなど、攻撃面での貢献も健在でした。
シーズン終了後には、移籍の可能性も取り沙汰されており、契約期間が残り1年となるなかで、クラブ側が今後の中盤再編をどのように考えているのかが注目されています。バルセロナやマンチェスター・シティといったビッグクラブの関心も噂されており、彼の去就は夏の移籍市場の焦点の一つになりそうです。
キミッヒは30歳となり、選手として円熟期を迎えています。今後はどのクラブでプレーするにせよ、“ピッチ上の監督”としての知性とリーダーシップを武器に、さらなる高みを目指すことが期待されます。バイエルンでのラストシーズンとなるのか、あるいは新たな契約で中心に据え直されるのか、2025年夏、彼の決断に大きな注目が集まります。
8位 モルテン・ヒュルマンド(スポルティングCP)
5000万€(85億円)
2024/2025シーズン終了後、スポルティングCPに所属するデンマーク代表MFモルテン・ヒュルマンドは、ポルトガルリーグでも屈指の守備的ミッドフィルダーとしてその地位を確立しました。昨夏にレッチェから加入して以降、わずか1年でチームの中軸へと成長を遂げ、その安定したパフォーマンスとインテリジェンスあふれるプレースタイルが欧州のビッグクラブのスカウトたちの注目を集めています。
今季のヒュルマンドは、プリメイラ・リーガを中心に公式戦45試合以上に出場。主にダブルボランチの一角として起用され、特に守備時のカバーリング範囲の広さと鋭いボール奪取能力が際立っていました。インターセプトとタックルの成功数はリーグトップクラスであり、対人の強さと読みの良さを兼ね備えた現代的なセントラルMFとして高い評価を受けています。
また、単なる守備職人にとどまらず、攻撃面でも確実なビルドアップに貢献。視野の広さと落ち着いた判断力を活かして、縦への効果的なパス供給も幾度となく見せ、チームのトランジションにおける要となっていました。キャプテンシーにも優れ、若い選手が多いスポルティングの中にあって精神的支柱としても重要な存在です。
その活躍により、イングランドの複数クラブがすでに動向を注視しており、特にプレミアリーグ中堅〜上位クラブからの関心が高まっています。スポルティング側も放出には慎重な姿勢を見せていますが、好条件のオファーがあれば売却も辞さない構えとされており、2025年夏の去就は大きな注目ポイントです。
国際経験とクラブでの実績を積み重ねているヒュルマンドは、次のステージとして欧州5大リーグでのチャレンジに踏み出す可能性も十分に考えられます。今季の充実したシーズンを糧に、彼がどのようなキャリア選択をするのか、その一挙手一投足に注目が集まります。
8位 アレクサンダル・パヴロヴィッチ(バイエルン・ミュンヘン)
5000万€(85億円)
2024/2025シーズン終了後、バイエルン・ミュンヘンに所属するアレクサンダル・パヴロヴィッチは、ブンデスリーガで最も注目を集めた若手セントラルミッドフィルダーの一人としてその名を大きく広めました。2023/2024シーズンにトップチームデビューを果たした後、今季は序盤から継続的にプレータイムを得て、クラブの中盤の貴重なオプションとして台頭しました。
彼の特徴は、190cmというサイズを持ちながらも非常に機動力に優れており、守備範囲の広さと対人戦の強さを兼ね備えている点にあります。特に守備的ミッドフィルダーとしての役割で信頼を得ており、カバーリング、セカンドボールの回収、インターセプトといった守備的局面で大きな貢献を見せました。また、落ち着いたパス捌きとポジショニングセンスにより、攻撃の起点としても着実な成長を見せています。
2024/2025シーズンは公式戦30試合以上に出場し、バイエルンの中盤において、ジョシュア・キミッヒやレオン・ゴレツカといった経験豊富な選手とのローテーションや併用の中で出番を勝ち取りました。特にチャンピオンズリーグのグループステージ数試合でスタメン起用されたことは、彼の評価がクラブ内外で高まっている証左と言えるでしょう。
ユーロ2024を目前に控えた段階では負傷離脱があったものの、代表チームにおける将来のレギュラー候補としての期待も高まっています。バイエルンとしても将来の主軸として長期的に育てたい意向があり、契約延長も行われました。
今後の課題としては、プレーの安定感と試合への影響力の強さをさらに高めることで、バイエルンの“アンカー”として確固たる地位を築くこと。クラブの中でも多くのスター選手と競争しながら、成長を続けるパヴロヴィッチがどこまで到達できるのか。ブンデスリーガ、そしてヨーロッパの舞台でのさらなる飛躍が期待されます。
8位 アマドゥ・オナナ(アストン・ヴィラ)
5000万€(85億円)
アマドゥ・オナナ選手はエヴァートンからアストン・ヴィラに移籍し、中盤の守備的要として確かな存在感を示しました。長身とフィジカルの強さを活かしたボール奪取能力はプレミアリーグでも屈指であり、ヴィラの中盤において欠かせないピースとなっています。
このシーズン、オナナ選手はプレミアリーグを中心に30試合以上に出場し、守備的ミッドフィルダーとして安定したパフォーマンスを継続しました。特に相手のカウンターに対してのカバーリングと、空中戦での強さが際立ち、多くの局面でチームを救うプレーを披露しています。1対1の守備だけでなく、セカンドボールの回収やインターセプトでも多くの数字を残しており、ボール非保持時の貢献度は極めて高いと言えます。
攻撃面においても、ボールを前進させる能力を評価されており、長短織り交ぜたパスで味方のビルドアップを支援。ドリブル突破で中盤を押し上げる場面も何度か見られ、フィジカルだけでなく足元の技術にも磨きがかかっている印象を受けました。アストン・ヴィラにおいては守備の要としての役割だけでなく、攻守のつなぎ役としての存在感も強まりつつあります。
ウナイ・エメリ監督の戦術の中で、オナナは中盤に厚みを加える重要なパーツとなっており、特に4-2-3-1のダブルボランチの一角として、もう一人の中盤の選手との連携にも優れていました。相手の強力なアタッカー陣を抑える場面では、その判断力とタックルの精度が光っていました。
年齢的にもまだ若く、これからの成長が非常に期待される選手の一人です。今シーズンの活躍を経て、アマドゥ・オナナ選手はアストン・ヴィラにとって中長期的な中盤の軸として、今後もプレミアリーグでの存在感を強めていくことでしょう。
7位 マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ)
6000万€(102億円)
2024/2025シーズン終了後、レアル・ソシエダの中盤を支えるマルティン・スビメンディは、スペイン国内外で高い評価を受け続ける守備的ミッドフィルダーとしての地位を確立しています。ラ・レアル一筋で成長してきた彼は、2024/25シーズンにおいても抜群の安定感を発揮し、リーグ戦を中心に公式戦40試合以上に出場。中盤のバランサーとしての役割を全うしました。
スビメンディの最大の強みは、ポジショニングの的確さと、的を射たインターセプト、そして落ち着いたボール配給能力です。過度に前に出すぎず、チームのバランスを保ちながら、守備ではスペースの管理とカバーリング、攻撃では最終ラインと中盤を繋ぐパスを確実に通し、ビルドアップの起点となる働きを見せました。
特に2024/25シーズンは、ハイプレスを仕掛けてくる相手にも動じず、1タッチで縦にボールを差し込む判断力が際立っており、代表招集の声もより強くなってきました。彼のスタイルはセルヒオ・ブスケツの後継者と称されることも多く、実際にバルセロナやアーセナル、バイエルン・ミュンヘンなどが獲得に興味を示していると報道されています。
現在ラ・リーガの中盤で最も安定したパフォーマンスを発揮する一人として認知されています。守備的MFにしては派手なプレーは少ないものの、試合全体をコントロールする影の立役者として、チームには欠かせない存在です。
レアル・ソシエダとしては、彼の残留が来季の成績を左右する重要なポイントとなるでしょうが、ステップアップの可能性も含め、今後の去就に大きな注目が集まっています。スペイン代表でも出場機会が増えており、2025年夏の移籍市場では、ヨーロッパのトップクラブによる争奪戦が本格化するかもしれません。
6位 ジョアン・ネヴェス(パリ・サンジェルマン)
6500万€(110億5,000万円)
ジョアン・ネヴェス選手は、2024年夏にパリ・サンジェルマンへ加入して以来、目覚ましい成長を遂げた若き守備的ミッドフィールダーです。ベンフィカ時代から注目されていたその守備能力とプレービジョンは、リーグ・アンの舞台でもいかんなく発揮されました。2024/2025シーズンのパリ・サンジェルマンではリーグ戦29試合に出場し、3ゴール8アシストという数字で、中盤のバランサーとしてチームに不可欠な存在となりました。
身長174cmとフィジカル面では小柄ながらも、対人守備能力とインターセプトのセンスは抜群で、90分間を通じてピッチを縦横無尽に駆け回るスタミナは圧巻です。特に今季は、敵陣でのプレスや後方からのビルドアップで多くの場面に関与し、守備的MFとしてだけでなく、攻撃の起点となる場面も増えました。
また、チャンピオンズリーグでも17試合に出場し、欧州の強豪を相手にしても自信を持ってプレーする姿が印象的でした。ビルドアップ時の安定感と、相手のプレッシャーをかわすターンの技術は特筆すべきものであり、今後のパリ・サンジェルマンの中盤を担う存在として確固たる地位を築きつつあります。
ポルトガル代表としても招集されており、EURO2024の予選でも出場を果たしました。若干20歳でありながら既に国際舞台で経験を積んでおり、今後のさらなる成長が期待されます。技術・戦術理解・フィジカルの三拍子を兼ね備えた彼の存在は、パリ・サンジェルマンにとって中長期的な重要ピースとなるでしょう。
ジョアン・ネヴェス選手の2024/2025シーズンは、「飛躍の年」と言っても過言ではありません。ベンフィカからパリ・サンジェルマンへの移籍という大きなステップを踏みながらも、適応の早さと戦術理解の高さでチームに貢献し、将来のワールドクラスのミッドフィールダーとしての片鱗を見せてくれました。今後はさらに前線との連携を深め、攻撃への貢献度を高めることが次なる課題となりますが、現在の成長曲線を考えれば、それも時間の問題でしょう。
5位 ライアン・フラーフェンベルフ(リヴァプールFC)
7500万€(127億5,000万円)
ライアン・フラーフェンベルフ選手は、2024/2025シーズンにおいてリヴァプールの中盤に新たな可能性を示し、チームのタイトル獲得に貢献した重要な存在として進化を遂げました。
プレミアリーグでは37試合に出場し、アシスト数は4と攻撃面でも存在感を示しました。公式戦全体の出場は49試合にのぼり、安定した出場機会を獲得しています 。シーズンを通じてスターティング11に定着し、ゲームを安定させる“中盤の潤滑油”としてその重要性を増してきました。
アーネ・スロット監督のもと、守備的MFとしての役割に加え、前線にボールをつなぐ展開力も発揮。ボール奪取やインターセプトに長け、パス成功率約89%、1試合あたりのキーパスは0.73本という成績も残しています 。
4月のロンドン・ダービーや5月のブライトン戦では、相手のプレスを受け止めつつ冷静にビルドアップに加わる姿勢が光り、ファンとメディアからは「落ち着きのある中盤の要」として高い評価を獲得しました。シーズン終盤に獲得したプレミアリーグ優勝は、彼の貢献があってこその成果です 。
個人賞としては「プレミアリーグ若手最優秀選手」にも選出され、クラブも化けしない自然体な成長に高評価を寄せています 。
今後は攻撃への積極参加やシュート意識の強化が求められますが、23歳にして「中盤の芯」を担える選手としての地位を確立したことは間違いありません。リヴァプールが再びヨーロッパの舞台で頂点を狙うための重要な駒として、ますます飛躍を遂げることが期待されます。
3位 オーレリアン・チュアメニ(レアル・マドリード)
8000万€(136億円)
オーレリアン・チュアメニ選手は、2024/2025シーズンもレアル・マドリードの中盤において重要な役割を果たしました。今季は主にアンカーとして起用され、カゼミーロ退団後の後継者として期待されていた彼が、徐々にその期待に応える安定感と存在感を見せたシーズンとなりました。
今季は公式戦を通じて45試合以上に出場し、ラ・リーガだけでなくチャンピオンズリーグでもスタメンに名を連ねることが多く、アウェー戦でも臆することなくピッチでプレーする姿が印象的でした。守備面ではインターセプトやボール奪取に加えて、対人守備の粘り強さが光りました。加えて、今季はパスレンジと判断力にも磨きがかかり、ビルドアップの起点としても大きく貢献しました。
特に注目されたのは、負傷者が多発した時期にセンターバックとしてプレーした複数の試合です。本職ではないにもかかわらず、危なげない守備対応を見せ、監督からの信頼の厚さを示しました。また、攻守の切り替えの速さや空中戦の強さといった持ち味も健在で、試合のリズムを整える存在としてチームのバランスを支えました。
一方で、中盤の競争は激しく、クロースやカマヴィンガ、バルベルデといった実力者とのポジション争いも継続しており、90分間フル出場の機会は限られていたのも事実です。それでも、チュアメニ選手は起用された場面で着実に結果を残し、チームのタイトル争いに不可欠な戦力として位置付けられました。
将来を見据えると、今後もカマヴィンガ選手との共存や役割のすみ分けが鍵となるでしょうが、戦術理解度の高さと戦えるフィジカルを兼ね備えたチュアメニ選手は、クラブの長期的なビジョンにおいて欠かせない存在であることは間違いありません。2025年夏の移籍市場でも他クラブからの関心が噂されてはいますが、現時点ではマドリーにとって重要な中核選手として位置づけられています。
3位 ブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル・ユナイテッドFC)
8000万€(136億円)
ブルーノ・ギマランイス選手は、2024/2025シーズン終了時点でニューカッスル・ユナイテッドの中盤を支えるキープレーヤーとして、引き続き存在感を発揮しました。プレミアリーグでの安定したパフォーマンスはもちろんのこと、ヨーロッパの舞台でも高いクオリティを見せ、チームの中核としての地位を確かなものとしています。
今シーズン、ブルーノ選手はプレミアリーグでのほとんどの試合にスタメン出場し、豊富な運動量とインテリジェントなポジショニングで攻守に貢献しました。守備面ではボール奪取力と対人の強さを武器に相手の攻撃の芽を摘み、攻撃では鋭い縦パスや展開力を生かしてリズムを生み出しました。中盤の潤滑油として、攻守のトランジションにおいても高いパフォーマンスを維持していたことが評価されています。
また、キャプテンシーの面でも進化が見られ、試合中に味方を鼓舞する姿がたびたび見受けられました。若手選手との連携や戦術的な理解度も高く、エディ・ハウ監督の下で築かれたチームスタイルにおいて欠かせないピースであることは間違いありません。得点やアシストといった目に見える結果に加え、ボールの受け方や味方との距離感など、細かな部分での気配りも彼の強みです。
シーズン終盤にはパリ・サンジェルマンやバルセロナといったビッグクラブからの関心も報じられましたが、本人はニューカッスルでのプロジェクトに対する強い信頼と愛着を口にしており、少なくとも短期的な移籍の可能性は低いと見られています。今後はさらなるリーダーシップの発揮と、チームのトップ4定着への貢献が期待されており、ニューカッスルの野心的な未来において、ブルーノ・ギマランイス選手は中心的な存在であり続けるでしょう。
2位 モイセス・カイセド(チェルシーFC)
9000万€(153億円)
モイセス・カイセド選手は、2024/2025シーズン終了時点でチェルシーFCの守備的ミッドフィルダーとして、クラブにとって欠かせない存在へと完全に定着しました。前シーズンに1億ポンド超の移籍金で加入した際はプレッシャーも大きく、序盤は適応に苦しむ場面も見られましたが、今季は本来のポテンシャルをフルに発揮し、プレミアリーグでもトップクラスの中盤の破壊者としてその名を広めました。
今季カイセド選手は、プレミアリーグでほぼ全試合に出場し、守備においてはタックル成功率とインターセプト数の両面でリーグ上位の数字を記録しました。ピッチ全体をカバーするような運動量は健在で、相手のカウンターを素早く潰す能力においては特筆すべきものがあります。チェルシーの中盤でアンカーとして君臨し、エンソ・フェルナンデスとのコンビネーションも向上しており、彼の存在が後方からのビルドアップと守備の安定性の鍵となっています。
また、ポチェッティーノ監督のもとで戦術理解度も深まり、単なる守備的MFにとどまらず、ボールの配給役としても信頼されるようになりました。安全な横パスだけでなく、前線への縦パスやスペースへの展開力も向上しており、チームの攻撃の第一歩を担う存在として評価されています。
チームとしては若手主体の再建期にありながら、シーズンを通じて安定したパフォーマンスを維持したことで、カイセド選手自身の市場価値も回復。今後のチェルシーがトップ4争いを続けていくうえで、彼の存在はまさに「礎」となるものであり、エクアドル代表でも中心選手としてさらなる飛躍が期待されています。2024/2025シーズンの活躍は、移籍金に見合った価値を証明するものとなり、チェルシーの未来を担うキープレーヤーとしての地位を不動のものにしました。
1位 ロドリ(マンチェスター・シティFC)
1億1000万€(187億円)
ロドリ選手は、2024/2025シーズンを通じて大きな試練に直面しました。9月にアーセナル戦で前十字靱帯断裂および半月板損傷という重傷を負い、以後長らく離脱を余儀なくされました 。グアルディオラ監督は「今季絶望」と明言し、チームは彼の不在を大きく影響を受けました 。
リハビリは順調に進み、3月には個別トレーニングを再開、4月末からは集団練習へも復帰しました 。クラブワールドカップ出場を見据えたフィットネス調整の中、シーズン終盤となる5月20日のボーンマス戦で83分からピッチに登場し、わずか数分ながら公式戦復帰を果たしました 。
今季のプレミアリーグ出場はわずか3試合にとどまりましたが、その影響は大きく、彼不在の試合ではクラブの勝率が急落。競争力ある中盤の重要性を改めて示す結果となりました 。復帰後は安堵の拍手に包まれ、ピッチ上では安定感と安心感をもたらしました。
2024年のバロンドール受賞者でもあるだけに、その復活はチームにとって象徴的な出来事です。現在はコンディションの回復を最優先し、来季の完全復帰に向けて準備中です。2025年シーズンでは中盤の軸として再び中心的な役割を担うことが期待されており、クラブワールドカップやネーションズリーグなど舞台を問わず、真価が問われる1年になります。
ロドリ選手の存在があって初めて機能するマンチェスター・シティ中盤。その復帰と回復が、再びクラブを頂点へと導くカギとなるでしょう。
まとめ
このような安定感とパフォーマンスから、ロドリ選手の市場価値は30歳を迎える年齢にもかかわらず高水準を維持しており、今後もマンチェスター・シティの黄金時代を象徴する存在として君臨し続けることでしょう。2024/2025シーズンもまた、彼が現代最高峰の守備的ミッドフィルダーであることを強く印象づける1年となりました。
2024/2025シーズン終了時点の守備的ミッドフィルダー市場価値ランキングは、現代サッカーにおける「攻守をつなぐ司令塔」たちの重要性と進化を示す結果となりました。単に守備のスペシャリストではなく、ビルドアップ・展開力・戦術理解・運動量まで幅広いスキルが求められる中で、多彩な実力者たちが高く評価されています。
1位は、マンチェスター・シティのロドリ。市場価値は1億1000万ユーロ(約187億円)まで上昇しました。今季もシティの中盤を完全に掌握し、ビルドアップの起点としての落ち着き、試合全体を読む力、そして要所での得点力まで発揮。ペップ・グアルディオラのサッカーを支える絶対的存在として、守備的ミッドフィルダーの新たな完成形を体現しています。
2位は、チェルシーのモイセス・カイセドで9000万ユーロ(約153億円)。プレミアリーグ特有のハイテンポな攻防に完全に適応し、高いインターセプト能力と素早い攻守の切り替えでチェルシーの守備に安定感をもたらしました。守備面だけでなく、的確なパスワークでも成長を見せ、市場価値をさらに高めています。
3位にはオーレリアン・チュアメニ(レアル・マドリード)とブルーノ・ギマランイス(ニューカッスル・ユナイテッドFC)が8000万ユーロ(約136億円)で並びました。
チュアメニはレアル・マドリードの若き中盤を支える柱として着実に成長を続け、守備の読み・パス精度ともに安定感を高めています。
ギマランイスはニューカッスルの中盤で攻守にわたる影響力を拡大。展開力・運動量・局面の強さでプレミアリーグでも屈指の存在感を発揮しています。
5位にはリヴァプールのライアン・フラーフェンベルフが7500万ユーロ(約127億5000万円)でランクイン。今季は出場機会を重ね、持ち前の高い足元の技術とダイナミズムを示しました。まだ若く、これからのさらなる成長が大いに期待される存在です。
今回のランキング全体を通して浮かび上がったのは、守備的ミッドフィルダーが「守備だけの選手」ではなくなっているという点です。展開力・攻撃への関与・テンポのコントロール・判断力といった要素が市場価値を大きく左右し、万能型の選手ほど高評価を受ける時代になっています。
また、上位にランクインしている選手の多くが20代前半から中盤と非常に若く、今後も新たな才能の台頭と勢力図の入れ替わりが続くポジションであることも明確です。来季以降、さらなる成長を遂げるのは誰なのか、守備的ミッドフィルダーという中盤の司令塔たちの進化から今後も目が離せません。
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