2024/2025シーズン終了を迎えた今、セントラルミッドフィルダー(CMF)の市場価値ランキングにも大きな注目が集まっています。現代サッカーにおけるセントラルミッドフィルダーは、単なる「中盤のつなぎ役」ではなく、攻守のリズムをコントロールし、チーム全体の心臓部として機能する極めて重要なポジションとなりました。ボールを的確にさばくパス能力、広い視野と判断力、守備時の危機察知能力、さらには試合展開に応じて攻撃に絡む柔軟性まで、まさに多才さが問われるポジションです。
2024/2025シーズンでも、各リーグで様々なタイプのセントラルミッドフィルダーが躍動しました。試合をコントロールする冷静沈着なプレーメイカー型、中盤を縦横無尽に動き回るボックス・トゥ・ボックス型、守備で相手の芽を摘み取るバランサー型など、それぞれの個性が各チームの戦術を支え、シーズンの成績にも大きく影響を与えました。
今回は、Transfermarktの最新データをもとに、2024/2025シーズン終了時点のセントラルミッドフィルダー市場価値ランキングを紹介します。どの選手がこの過酷なポジションで高く評価され、市場価値を高めたのか。現代サッカーの中盤戦争を制する実力者たちの顔ぶれを、最新データとともに詳しく見ていきましょう。
市場価値ランキング – セントラルミッドフィルダー編
9位 サンドロ・トナーリ(ニューカッスル)
6000万€(102億円)
サンドロ・トナーリは2024/2025シーズン、戦線離脱状態からの復帰を果たし、ニューカッスル・ユナイテッドにおける重要なピースとして徐々に存在感を取り戻しました。前シーズンの途中で発覚したスポーツベットの規則違反による10か月間の出場停止処分が明けたのは2024年8月末で、2024/25シーズンは主に後半戦からの本格復帰となりました。
イタリア代表としても将来を嘱望される存在だったトナーリは、復帰後の試合において以前のような配球力とテンポコントロールを見せ、プレミアリーグの中盤でその技術力を発揮。シーズン後半にはスタメンに定着し、リーグ戦では36試合に出場し4ゴール2アシストを記録しました。プレースタイルとしてはボール奪取能力とパスセンスを兼ね備え、中盤のバランスを保つうえで重要な役割を果たしました。
戦術的には、エディ・ハウ監督の4-3-3システムにおいてインサイドハーフあるいはアンカーとして起用され、守備とビルドアップの両面でチームに安定感を与えました。特にヨーロッパカンファレンスリーグでは、途中出場から流れを変えるプレーを披露し、一定の評価を獲得しました。
とはいえ、復帰直後は試合勘の不足やコンディション面で課題も多く、イタリア代表復帰には至らず。ユーロ2024のメンバー入りも逃しましたが、クラブでの地道な積み重ねは高く評価されており、2025/26シーズンの完全復活が期待されています。
ニューカッスルにとって、トナーリの本格稼働は中長期的なプロジェクトにおける大きな鍵であり、今後の中盤の軸として再び脚光を浴びる日も近いでしょう。今シーズンは「再出発の年」として記憶されることになりそうです。
9位 ヴィティーニャ(パリ・サンジェルマンFC)
6000万€(102億円)
ヴィティーニャ(ヴィトール・フェレイラ)は2024/2025シーズン、パリ・サンジェルマンFCにおける中盤の中心選手として確かな進化を遂げ、クラブにおける存在感を一段と高めたシーズンとなりました。クリストフ・ガルティエ監督体制時代に、戦術理解とフィジカル面の成長が見られ、チームの攻守において極めて重要な役割を担いました。
リーグ・アンでは29試合に出場し、5ゴール1アシストという成績を残しつつ、パス成功率は約91%を記録。特に中盤でのボール保持と展開能力はチームに安定感をもたらし、デジレ・ドゥエやウスマン・デンベレといった攻撃陣へのパス供給源として機能しました。また、UEFAチャンピオンズリーグでも17試合に出場し、グループステージやノックアウトステージでのプレッシャーの高い試合においても冷静なプレーを披露しました。
ヴィティーニャの特長はその優れたポジショニングと、相手の間を通す縦パスにあります。小柄ながらもバランス感覚に優れ、プレッシング回避能力が高いため、相手のプレッシャーを受けてもミスが少なく、パリSGのボール保持型戦術にとって理想的な中盤選手といえるでしょう。また、守備面でもプレー強度が向上しており、90分間を通じて高い運動量を維持し続けました。
フランス国内ではすでに高い評価を得ており、今季はフランス・プロ選手協会(UNFP)のリーグ・アン年間ベストイレブンにも初選出。ポルトガル代表としてもEURO2024メンバーに招集され、中盤のセカンドオプションとして期待されています。
2024/2025シーズンは、ヴィティーニャにとって「信頼と成熟の年」であり、攻守両面での貢献によってワールドクラスのミッドフィルダーへと確かなステップを刻んだシーズンとなりました。来季以降はより一層のリーダーシップとゴール前でのインパクトが求められますが、その可能性を十分に感じさせる1年だったと言えるでしょう。
9位 ワレン・ザイール=エメリ(パリ・サンジェルマンFC)
6000万€(102億円)
ワレン・ザイール=エメリは、2024/2025シーズンのパリ・サンジェルマンFCにおいて、さらなる飛躍を遂げた若き中盤の要です。18歳という若さながら、チームの主力としてリーグ・アンおよびチャンピオンズリーグで安定した出場を続け、その成熟したプレーぶりはすでにベテランの風格すら漂わせています。
今季は公式戦48試合に出場し、3ゴール2アシストを記録。主にインテリオールとしてプレーし、ボール奪取能力、前線への推進力、そして冷静なゲームメイク力で中盤に安定感をもたらしました。特にプレッシャーの強いビッグマッチではその精神的な強さと判断力が光り、チャンピオンズリーグ準々決勝のバイエルン戦では圧巻のパフォーマンスを披露。試合のMVP級の活躍でサポーターの心を掴みました。
守備面ではデュエル勝率が高く、1対1の対応やセカンドボールの回収でも重要な役割を果たしています。攻撃面ではボールを受けてからの判断が早く、狭いスペースでも正確なパスを通す技術があり、ビルドアップの基点として信頼されています。また、フィジカル面でも昨季より一回り成長しており、当たり負けしないプレーで強豪相手にも臆することなく戦えるのが大きな武器です。
ザイール=エメリの存在は、今後10年のフランス代表の中盤を支える中心的なピースとなる可能性を秘めています。
2024/2025シーズンは、単なる「才能ある若手」から「チームの核」へと進化した重要な転換点でした。今後、より攻撃的な数字を求められる中で、ゴールやアシストの面でのさらなる飛躍が期待されるでしょうが、彼のキャリアはすでに世界最高峰への階段を着実に登り始めています。パリ・サンジェルマンにとって、そしてフランスにとっても、未来を託すに値する逸材です。
7位 エドゥアルド・カマヴィンガ(レアル・マドリード)
7000万€(119億円)
エドゥアルド・カマヴィンガは、2024/2025シーズンのレアル・マドリードにおいて、けがとの戦いを乗り越えつつ、中盤の重要な存在感を示しました。23歳にしてまだ伸びしろのある彼は、今季公式戦で35試合に出場し、1ゴール2アシストを記録しました。しかし、シーズンを通じて負傷の影響を大きく受け、出場可能試合数の約45%を欠場しました。
カマヴィンガは主にアンカーや左インテリオールのポジションで起用され、豊富な運動量と対人の強さを武器に、ボール奪取と中盤での切り替えの局面で絶大な存在感を発揮。回復後の彼は、1試合平均2.5回以上のボール奪取や、守備と切り替え時の迅速な対応力を見せ、中盤の底での仕事に手応えを掴みました。90分間を通してハイレベルなパフォーマンスを維持できるコンディションの安定性は、戦術の柔軟性を生む重要な要素でした。
特に今季は戦術的な理解度が大きく向上し、リスク管理やポジショニングの精度も高まりました。タックル成功率やインターセプト数ではラ・リーガトップクラスを記録し、ピッチの中央で「防波堤」として相手の攻撃の芽を摘む役割を見事にこなしています。
フランス代表でも安定的に招集されており、カンテやポグバに代わる次世代の守備的MFとしての期待が大きく、ザイール=エメリやチュアメニとの共存も見据えた布陣の中で、非常に重要な役割を担っています。
2024/2025シーズンは、カマヴィンガにとって「信頼されるレギュラー」から「不在が痛手となるキープレイヤー」へと完全に移行したシーズンでした。そのプレーぶりには安定感と迫力が共存しており、すでに世界トップクラスの守備的MFと評されるにふさわしい内容でした。将来的にはレアルのキャプテン候補とも言われるカマヴィンガ。さらなる飛躍を予感させるシーズンとなりました。
7位 ガビ(FCバルセロナ)
7000万€(119億円)
ガビ選手は2024/2025シーズン、怪我からの復帰を果たしながらも大きな前進を見せました。ラ・リーガでは26試合に出場し、1ゴール1アシストを記録。総出場は42試合で、公式戦通じて3ゴール2アシストをマークしています 。
2023年11月に受けた前十字靭帯断裂による長期離脱から10月にチームへ復帰し、シーズン終盤には主力としての存在感を取り戻しました。ポジションはダブルボランチやインテリオールとしての起用が中心となり、守備意識の高さと攻撃への推進力を併せ持つ中盤の要として定着しています 。
攻守両面における貢献も見逃せません。特にスルーパスやキーパスといったチャンス創出能力において高い評価を獲得。Pass成功率約90%、Key pass per 90は1.45本と、ボール保持と展開力においてもチームに安定をもたらしました 。
契約面では2025年1月に2030年までの延長を果たし、クラブの将来プランの中核に据えられる形となりました。バルセロナの中盤を支える存在として国内外から期待が集まっています。
シーズン終盤には、健康状態への懸念からズボーラ戦で途中交代もありましたが、大事には至らず、チームとしての信頼を維持しています 。また、スペイン代表でもネーションズリーグ準決勝のメンバーに名を連ね、負傷前と変わらぬ評価を受け続けています 。
ケガを乗り越えて完全復活の兆しを見せた2024/25シーズン。来季は怪我なくフル稼働し、攻守両面でバルセロナらしいテンポとエネルギーを中盤に吹き込むことが期待されます。ガビ選手のさらなる成長が、チームの未来を左右する重要な要素になるでしょう。
6位 エンソ・フェルナンデス(チェルシーFC)
7500万€(127億5,000万円)
エンソ・フェルナンデス選手は、2024/25シーズンのチェルシーにおいて公式戦通算38試合に出場し、うちプレミアリーグでは36試合に出場して6ゴール7アシストを記録しました 。
シーズン序盤から中盤にかけては主に中盤の底で起用され、守備強度と展開力を示しましたが、1月以降はその視野の広さと縦パス精度が評価され、チームの攻撃構築において影響力を増していきました。特にトッテナム戦でのゴールはシーズンの分岐点となり、チームを上位争いに押し上げるきっかけとなりました 。
また、PK戦やクラブワールドカップを含むカップ戦にも安定して出場し、守備と攻撃のバランスに加えて、冷静さとリーダーシップも評価されています。FAカップやEFLカップでは勝負どころでプレーし、カンファレンスリーグ制覇にも貢献しました 。
一方で、右目の結膜炎で「片眼」でのプレーもこなすなどタフさを見せる一方、レアル・マドリード移籍の噂も浮上しており、近日中にマドリードで新居を探しているとの報道もあります 。チェルシー側は残留に意欲を見せていますが、今後の去就には注目が集まります。
総じて、エンソ・フェルナンデス選手は2024/25シーズン、主力として守備の安定性と攻撃の創造性の両面でクラブに不可欠な存在となり、その成長はクラブとファンの期待を大きく上回るものでした 。移籍報道が出ている中でも、来季への準備とさらなる飛躍に向けた期待が高まっています。
5位 ニコロ・バレッラ(インテル・ミラノ)
8000万€(136億円)
2024/2025シーズン、インテル・ミラノの中盤に君臨し続けたのは、イタリア代表の司令塔ニコロ・バレッラでした。シーズンを通じて絶対的なスタメンとしてプレーし、持ち前のダイナミズムと攻守両面での貢献度の高さで、中盤を支え続けました。インテルがセリエAで安定した成績を維持し、欧州の舞台でも一定の成果を収めることができた背景には、彼のハードワークとピッチ全体をカバーする運動量がありました。
バレッラの強みは、単なるボール奪取力だけにとどまらず、ボールを奪った後の展開力、攻撃のスイッチを入れる縦パス、そして自らのオーバーラップによる数的優位の創出にあります。特に、ラウタロ・マルティネスやマルクス・テュラムといった攻撃陣との呼吸は完璧で、インテルの縦に速いカウンターサッカーを支えるキープレイヤーとなりました。リーグ戦でも多くのキーパスを供給し、ゴールやアシストといった数字以上の価値あるプレーを数多く見せてくれました。
また、精神的な面でもチームに与える影響は大きく、副キャプテンとしてピッチ上で味方に積極的に声をかける姿勢や、試合のテンポを読む落ち着いたプレーで、試合の流れをコントロールする存在へと成長しました。ビッグゲームに強く、ユヴェントスやミランといったライバルチームとの重要な試合では、特に集中力が高く、ピッチ上での存在感が際立っていたのも印象的です。
そんなバレッラにとって、今シーズンは「トッププレーヤーとしての地位を確立した年」と言っても過言ではありません。すでにヨーロッパのビッグクラブからの関心が報じられている中でも、本人はインテルへの忠誠を繰り返し口にしており、クラブと共にタイトルを目指す姿勢を崩していません。2025/2026シーズンも、中盤のエンジンとしてネラズーリを牽引していくことが期待されます。技術、戦術眼、精神力、すべてにおいて完成度を高め続けるバレッラは、間違いなく現在のセリエAを代表するミッドフィルダーのひとりです。
4位 アレクシス・マク・アリスター(リヴァプールFC)
1億€(170億円)
アレクシス・マク・アリスター選手は、2024/2025シーズンでさらに進化を遂げ、リヴァプールの中盤における絶対的な存在となりました。プレミアリーグでは35試合に出場し5ゴール5アシストを記録、チャンピオンズリーグでも8試合2ゴールを挙げるなど主要大会で安定した活躍を見せました 。
リーグ戦では毎試合平均約40本のパスをこなすパス配球者として貢献し、攻撃の起点として存在感を放ちました。また、守備動作も光り、クロスを含むブロックショット96回、タックル成功率57%、デュエル勝率も高く、90分間通してピッチを支配するエネルギーと献身性を発揮しています 。
特に印象的だったのは、2025年4月に自身初となる「プレミアリーグ月間最優秀選手」および「リヴァプール月間MVP」(4月)を受賞し、チームのタイトル獲得に貢献したことです 。チャンピオンズリーグではミラン戦での初ゴールや、レアル・マドリード戦でのMOM級パフォーマンスといった輝かしい瞬間もありました 。
彼はまた、2024年にアルゼンチン代表としてコパ・アメリカ優勝に貢献し、UEFA欧州対南米王者決定戦(フィナリシマ)も制するなど、国際舞台でも成果を挙げました 。
総じて、アレクシス・マク・アリスター選手の2024/25シーズンは、プレミアリーグ制覇や個人賞受賞、ビッグマッチでの活躍など充実した内容となりました。中盤のエンジンとして攻守に貢献し、今や世界屈指のミッドフィールダーのひとりとして認められています。
来季に向けては、さらなるフィニッシュ精度向上や、一貫した守備カバレーション能力の進化が期待されます。リヴァプールの中盤を支える“心臓”として、その成長はチームの未来を左右する重要な要素になるでしょう。
2位 デクラン・ライス(アーセナルFC)
1億2000万€(204億円)
2024/2025シーズン、アーセナルFCにおいてデクラン・ライスは絶対的なキープレーヤーとして、クラブの戦術基盤を支え続けました。加入2年目の今季はより一層チームにフィットし、そのリーダーシップと守備力、そして攻撃への関与のすべてにおいて進化を遂げた印象を残しました。ミケル・アルテタ監督の下で、中盤の底から全体を統率する“司令塔”としての役割が明確となり、彼の存在がアーセナルの躍進に大きく貢献しました。
今シーズン、ライスは主にアンカーとして出場しながらも、必要に応じてボールを持ち運んで前線へ関与する“ボックス・トゥ・ボックス”型のプレーも数多く見せました。守備ではインターセプトや対人での強さに加え、ポジショニングの改善により無駄のない守備を実現。攻撃ではミドルシュートやロングパスでの展開力も光り、リーグ戦で4ゴール7アシストという結果を残しています。特にビッグマッチでのパフォーマンスが安定しており、クラブの「大黒柱」としての地位を確立しました。
さらに、精神面での貢献も見逃せません。昨季から副キャプテン格としてチームを鼓舞し続けており、ピッチ内外でのリーダーシップは多くの若手選手にとって模範となりました。また、CLでの経験を積み重ねたことで国際舞台でも評価が高まり、今やプレミアリーグでもトップクラスのミッドフィールダーとしての地位を確立しています。
2025/2026シーズンに向けては、より攻撃的な役割を担う可能性も含め、彼のプレースタイルの幅が試される局面が増えるかもしれません。それでも、守備の安定を提供しながら、前線にも顔を出せる万能性は、アーセナルが次のタイトルを狙う上で欠かせない存在となるでしょう。ライスの継続的な進化とリーダーシップは、クラブと代表の両方にとって今後も極めて重要な要素であり続けるはずです。
2位 ペドリ(FCバルセロナ)
1億2000万€(204億円)
2024/2025シーズン、FCバルセロナのペドリは、繊細なボールタッチと卓越した視野を武器に、中盤の核としての存在感を改めて示しました。度重なる負傷に悩まされた過去からの復活を遂げた今季は、長期離脱なく継続して出場を重ね、コンディションを維持しながらシーズンを戦い抜いたこと自体が大きな収穫でした。彼のプレーはチームのテンポを整え、攻守のリズムを生み出すうえで不可欠なものとなっています。
今季のペドリは、インサイドハーフとして先発出場する機会が多く、特にポゼッション時における緩急の使い分けや、狭いスペースでのターンからの展開力が際立ちました。ボールを持った際のプレッシャー耐性はリーガ屈指であり、彼がボールを収めることで、バルセロナの攻撃に落ち着きをもたらしていました。また、ゴール前に飛び出す意識も高く、リーグ戦では4ゴール5アシストという結果を残し、数字面でも貢献度の高さを証明しています。
特筆すべきは、彼のプレー判断の早さと賢さです。身体能力に依存せず、予測と判断で相手をいなすスタイルは、過密日程の中でも安定したパフォーマンスを維持する理由となっています。また、今季は守備でもハードワークを怠らず、デュエル数やインターセプトの面でも進歩が見られました。
FCバルセロナが若手主体のチームとして再建期を迎えるなか、ペドリのような“完成度の高い若手”の存在は極めて貴重です。現在22歳ながらも、すでにチームの心臓として確固たる地位を築いており、今後のキャリアでキャプテンシーを発揮していくことも期待されています。2025/2026シーズンは、さらなるゴール・アシストの増加と、欧州カップ戦でのインパクトが彼の評価を一段と押し上げる要素となるでしょう。ペドリが完全体としてどこまで伸びていくのか、注目は尽きません。
1位 フェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード)
1億3000万€(221億円)
2024/2025シーズン終了後、レアル・マドリードのフェデリコ・バルベルデは、チームにおける“縁の下の力持ち”としての役割を超え、まさに不可欠なキープレイヤーとしてその存在感を際立たせました。中盤から右サイド、時に攻撃的MFまで幅広くこなすそのユーティリティ性は、カルロ・アンチェロッティ体制の中でますます重宝され、タクティカルな柔軟性を支える要の一人となりました。
今季のバルベルデは公式戦全体で50試合以上に出場し、リーグ戦では6ゴール4アシストを記録。数字以上に彼の貢献度は高く、特に重要な試合でのボール奪取、切り替えの速さ、相手のキープレイヤーへのマンマークなど、守備面での献身はチームに安定をもたらしました。また、持ち前のダイナミズムを活かしたボックス・トゥ・ボックスの動きは健在で、レアルの速攻における推進力として多大な影響を与えています。
また、キャプテンマークを巻く試合も増え、ピッチ上でのリーダーシップを発揮。スペイン語圏だけでなく英語でのコミュニケーション能力も評価されており、多国籍軍団であるレアル・マドリードにおいて貴重な橋渡し役も担っています。精神面での成熟も見逃せず、若手選手にとっての模範的な存在にもなりつつあります。
このシーズンは、トニ・クロースの引退やルカ・モドリッチの出場機会減少といったチームの中盤再編が進む中で、バルベルデが中盤の“屋台骨”としての立場を確立した年でもありました。彼がいかにチームのリズムを担い、攻守両面でバランスを取っているかは、1試合通して見れば誰もが納得するほど。2025/2026シーズン以降はさらに“チームの顔”としての地位を高め、クラブの新時代を引っ張る存在になることが期待されます。
まとめ
2024/2025シーズン終了時点のセントラルミッドフィルダー市場価値ランキングは、現代サッカーにおける「万能型中盤」の価値がますます高まっていることを如実に示す結果となりました。攻撃と守備のバランス、展開力、運動量、戦術理解力など、中盤に求められるあらゆる要素を高い水準で備えた選手たちがトップに名を連ねています。
1位に輝いたのは、レアル・マドリードのフェデリコ・バルベルデ。市場価値は1億3000万ユーロ(約221億円)とトップ評価を受けました。今季も中盤の幅広いエリアをカバーし続け、ボール奪取・展開力・得点力と、あらゆる局面でチームに貢献。攻守両面で「いま最も完成度の高いセントラルミッドフィルダー」としての地位を確立しています。
2位には、デクラン・ライス(アーセナルFC)とペドリ(FCバルセロナ)が1億2000万ユーロ(約204億円)で並びました。
ライスはアーセナル移籍1年目から即座に主力となり、守備の安定感とともにビルドアップや前線への飛び出しでも高い貢献度を発揮。現代型の守備もできるセントラルMFとして評価を上げ続けています。
ペドリは今季もバルサの中盤で圧倒的な存在感を維持。正確なパスワークと視野の広さ、プレッシャーの中でも冷静に判断できる成熟したプレースタイルで若手ながらトップ評価を受けています。
4位には、リヴァプールのアレクシス・マク・アリスターが1億ユーロ(約170億円)でランクイン。加入1年目で中盤の中心に定着し、ビルドアップの起点・守備時のカバーリング・前線への絡みとオールラウンドに貢献。リヴァプールの中盤再建を支えたシーズンとなりました。
5位はインテル・ミラノのニコロ・バレッラで8000万ユーロ(約136億円)。今季もセリエA王者インテルの中盤で攻守にわたり高水準のプレーを継続し、イタリア代表でも中核としての評価を盤石にしています。戦術理解と運動量の高さはインテルのサッカーに不可欠な要素となっています。
今回のランキングからも読み取れるのは、セントラルミッドフィルダーというポジションが「攻守に関わる総合力のポジション」へと完全に進化しているという事実です。特定の役割に偏るのではなく、守備・展開・攻撃参加までこなせる万能性が市場価値に直結しているのが大きな特徴となりました。
さらに、上位陣はいずれも20代前半~中盤の選手が中心であり、今後の成長次第でまだまだ市場価値が動く可能性を秘めた激戦区です。来季以降も若手の台頭とトップ選手たちのさらなる進化から、セントラルミッドフィルダー争いはますます目が離せません。
コメント