2024/2025シーズンも幕を閉じ、各ポジションの市場価値ランキングが大きな注目を集める中、左ウイングのランキングは特にその顔ぶれの豪華さと層の厚さが際立っています。現代サッカーにおいて左ウイングは、単なるサイドアタッカーに留まらず、得点力・創造性・スピード・ドリブル・守備への貢献まで幅広い役割を求められるポジションとなりました。とくに利き足と逆のサイドでプレーする「インサイドカッター型」が主流となり、左ウイングから中央へ切り込んで自らゴールを狙う選手たちが多くのクラブで攻撃の主役となっています。
2024/2025シーズンも、各リーグで左ウイングの選手たちは高いレベルのパフォーマンスを見せ、移籍市場でも大きな注目を集めました。圧倒的な得点力を誇るエースから、チャンスメイクに長けた技巧派、さらには若手の台頭まで、多彩なタレントがひしめき合う中で、誰が最も高く評価されたのかはサッカーファンにとって大きな関心事です。
今回は、Transfermarktの最新データをもとに、2024/2025シーズン終了時点の左ウイング市場価値ランキングを紹介します。今シーズンのパフォーマンスを経て、誰が評価を高め、どの選手が新たにトップグループへ食い込んだのか。現代サッカーのトレンドを反映した左ウイングのトッププレーヤーたちの現在地を詳しく見ていきましょう。
市場価値ランキング – 左ウイング編
10位 ガブリエウ・マルティネッリ（アーセナル）
5500万€（93億5,000万円）
ガブリエウ・マルティネッリは、2024/25シーズンのアーセナルにおいて、公式戦で10ゴール5アシストを記録し、チームの攻撃陣に貢献しました。 プレミアリーグでは33試合に出場し8ゴール4アシストを挙げ、チャンピオンズリーグでは13試合で2ゴール1アシストを記録しました。
シーズン中盤にはハムストリングの負傷により約1か月の離脱を余儀なくされましたが、復帰後は再び先発メンバーとして活躍しました。
特筆すべきは、マルティネッリがゴールを決めた試合でアーセナルが無敗（37勝7分）という記録です。 また、チャンピオンズリーグ準々決勝のレアル・マドリード戦では、アウェイでの試合で決定的なゴールを挙げ、チームの準決勝進出に貢献しました。
マルティネッリは、2019年にブラジルのイトゥアーノからアーセナルに加入し、これまでに公式戦で200試合以上に出場しています。 23歳ながらもチームの中心選手として、今後のさらなる活躍が期待されています。
9位 アンソニー・ゴードン（ニューカッスル・ユナイテッドFC）
6500万€（110億5,000万円）
アンソニー・ゴードンは、2024/25シーズンのニューカッスル・ユナイテッドにおいて、公式戦42試合に出場し9ゴール7アシストを記録しました。 プレミアリーグでは34試合に出場し6ゴール5アシストを挙げ、チームの攻撃陣に貢献しました。
シーズン中、ゴードンは重要な試合で決定的な活躍を見せました。 特に、ボクシング・デーに行われたアストン・ヴィラ戦では、試合開始2分で先制点を挙げ、チームの3-0の勝利に貢献しました。
しかし、FAカップ5回戦のブライトン戦での退場により、ゴードンは3試合の出場停止処分を受け、EFLカップ決勝を含む重要な試合を欠場することとなりました。
このように、ゴードンはシーズンを通じてチームに貢献しつつも、重要な場面での欠場が影響を及ぼしました。 今後のさらなる成長と活躍が期待されます。
5位 コーディ・ガクポ（リヴァプールFC）
7000万€（119億円）
コーディ・ガクポは、2024/25シーズンのリヴァプールFCにおいて、公式戦49試合に出場し18ゴール6アシストを記録し、チームのプレミアリーグ制覇に大きく貢献しました。 プレミアリーグでは35試合に出場し10ゴール4アシストを挙げ、チャンピオンズリーグでは8試合で3ゴール1アシスト、EFLカップでは6試合で5ゴールを記録しました。
アーネ・スロット新監督の下、ガクポは主に左ウイングとして起用され、そのポジションでの適応力と得点力を発揮しました。 特に、トッテナム・ホットスパー戦でのゴールや、マンチェスター・ユナイテッド戦での同点ゴールなど、重要な試合での活躍が光りました。
また、1月にはクラブの月間最優秀選手に選出されるなど、シーズンを通じて安定したパフォーマンスを維持しました。
ガクポの多才な攻撃力と戦術理解度は、リヴァプールの攻撃陣において不可欠な存在となっており、今後のさらなる活躍が期待されています。
5位 ルイス・ディアス（リヴァプールFC）
7000万€（119億円）
ルイス・ディアスは、2024/25シーズンのリヴァプールFCにおいて、公式戦49試合に出場し17ゴール5アシストを記録し、チームのプレミアリーグ制覇に大きく貢献しました。 プレミアリーグでは36試合に出場し13ゴール5アシストを挙げ、チャンピオンズリーグでは9試合で3ゴールを記録しました。
シーズン序盤、ディアスは好調を維持し、特にのブレントフォード戦でのゴールや、マンチェスター・ユナイテッド戦での2得点など、重要な試合での活躍が光りました。 また、チャンピオンズリーグ・バイエル・レバークーゼン戦では、キャリア初のハットトリックを達成しました。
シーズン中盤以降はやや得点ペースが落ちましたが、4月2日のエヴァートン戦での決勝ゴールなど、要所での活躍を見せました。 また、4月27日のトッテナム戦ではゴールを決め、チームの5-1の勝利に貢献しました。
ディアスのパフォーマンスは他クラブの注目を集めており、サウジアラビアのアル・ナスルが彼を主要な移籍ターゲットとしていると報じられています。 また、FCバルセロナも関心を示しており、ディアス自身もバルセロナへの移籍を夢見ているとされています。 リヴァプールは彼との契約延長を望んでいますが、移籍の可能性も否定できません。
このように、ディアスは2024/25シーズンにおいて、リヴァプールの攻撃の中心として活躍し、チームの成功に大きく貢献しました。 今後の去就に注目が集まります。
5位 ブラッドリー・バルコラ（パリ・サンジェルマンFC）
7000万€（119億円）
ブラッドリー・バルコラは、2024/25シーズンのパリ・サンジェルマン（PSG）において、公式戦58試合に出場し21ゴールを記録するなど、攻撃陣の中心選手として活躍しました。 特にリーグ・アンでは14ゴール10アシストを挙げ、得点ランキングで6位にランクインし、アシスト数でも上位に名を連ねました。
シーズン開幕から好調を維持し、8月のモンペリエ戦ではキャリア初の2得点を記録。 その後も安定したパフォーマンスを続け、9月にはリーグ・アンの月間最優秀選手に選出されました。
チャンピオンズリーグでは17試合に出場し3ゴール4アシストを記録。 特にマンチェスター・シティ戦ではゴールとアシストを決め、チームの勝利に貢献しました。
国内カップ戦でも活躍し、クープ・ドゥ・フランス決勝のスタッド・ドゥ・ランス戦では2ゴールを挙げ、3-0の勝利に大きく貢献しました。
このように、バルコラはPSGの攻撃陣において重要な役割を果たし、チームの成功に大きく寄与しました。 今後のさらなる成長と活躍が期待されます。
5位 ニコ・ウィリアムズ（アスレティック・ビルバオ）
7000万€（119億円）
ニコ・ウィリアムズは、2024/25シーズンのアスレティック・ビルバオにおいて、公式戦45試合に出場し11ゴールを記録するなど、攻撃の中心選手として活躍しました。 リーグ戦では29試合に出場し5ゴールを挙げ、ヨーロッパリーグでは13試合で5ゴールを記録しました。
シーズン中、ウィリアムズは重要な試合で決定的な活躍を見せました。 特に、ヨーロッパリーグ準々決勝のレンジャーズ戦では、後半終了間際にヘディングでゴールを決め、チームの準決勝進出に貢献しました。
また、リーグ戦では2月のレアル・バリャドリード戦で2得点を挙げるなど、攻撃陣を牽引しました。
シーズン終盤には、負傷から復帰し、最終節のバルセロナ戦にも出場しました。
ウィリアムズの活躍により、アスレティック・ビルバオはリーグ戦で4位に入り、チャンピオンズリーグ出場権を獲得しました。
そのパフォーマンスは他クラブの注目を集めており、アーセナルやレアル・マドリードなどが関心を示していると報じられています。
しかし、エルネスト・バルベルデ監督は、ウィリアムズがクラブに残留する意向を示していると述べています。
このように、ウィリアムズは2024/25シーズンにおいて、アスレティック・ビルバオの攻撃の中心として、またクラブの成功に大きく貢献する存在となりました。 今後のさらなる活躍が期待されます。
4位 ラファエル・レオン（ACミラン）
7500万€（127億5,000万円）
ラファエル・レオンは、2024/25シーズンのACミランにおいて、公式戦で12ゴール11アシストを記録し、チームの攻撃陣を牽引しました。 特にセリエAでは8ゴール8アシストを挙げ、チャンピオンズリーグでは3ゴール1アシストを記録しました。 また、スーペルコッパ・イタリアーナの決勝では、途中出場ながら2アシストを決め、チームの逆転勝利に貢献しました。
シーズン序盤、レオンは新監督パウロ・フォンセカとの間で戦術的な不一致があり、一時的に出場機会が減少しました。 しかし、11月のチャンピオンズリーグ・レアル・マドリード戦でのアシストや、カリアリ戦での2得点など、重要な試合での活躍を通じて信頼を回復しました。 その後、フォンセカとの関係も改善され、チームの中心選手としての地位を確立しました。
シーズン中盤には、フォンセカ監督が解任され、セルジオ・コンセイソンが新監督に就任。 レオンは新体制の下でも引き続き重要な役割を果たし、特にスーペルコッパ・イタリアーナ決勝では、途中出場から2アシストを記録し、チームの逆転勝利に貢献しました。
チームとしては、セリエAで8位に終わり、チャンピオンズリーグ出場権を逃すなど、期待された結果を残せませんでした。 しかし、レオン自身のパフォーマンスは安定しており、今後のさらなる活躍が期待されています。
2位 ラフィーニャ（FCバルセロナ）
8000万€（136億円）
ラフィーニャ（ハフィーニャ）は、2024/25シーズンのFCバルセロナにおいて、公式戦57試合に出場し、34ゴール22アシストを記録するなど、攻撃陣の中心選手として活躍しました。 特にチャンピオンズリーグでは14試合で13ゴール9アシストを挙げ、得点王およびアシスト王に輝きました。
シーズン序盤、ラフィーニャはハットトリックを2度達成し、特にバイエルン・ミュンヘン戦での3得点は注目を集めました。 また、エル・クラシコではゴールとアシストを記録し、チームの勝利に貢献しました。
国内リーグでは、ラ・リーガで18ゴール9アシストを記録し、得点ランキング4位、アシストランキング3位に入りました。
シーズン終了後、ラフィーニャはバルセロナとの契約を2028年まで延長し、クラブへの忠誠を示しました。
このように、ラフィーニャは2024/25シーズンにおいて、FCバルセロナの攻撃の中心として、またクラブの成功に大きく貢献する存在となりました。 今後のさらなる活躍が期待されます。
2位 フヴィチャ・クヴァラツヘリア（パリ・サンジェルマン）
8000万€（136億円）
フヴィチャ・クヴァラツヘリアは、2024/25シーズン途中の1月にナポリからパリ・サンジェルマン（PSG）へ移籍し、公式戦25試合に出場して7ゴールを記録しました。 リーグ・アンでは14試合に出場し4ゴール3アシストを挙げ、チャンピオンズリーグでは9試合で3ゴールを記録しました。
移籍後、クヴァラツヘリアはPSGの攻撃陣において重要な役割を果たしました。 2月のモナコ戦では初ゴールを決め、同月のチャンピオンズリーグ・ブレスト戦ではゴールを挙げるなど、チームの勝利に貢献しました。
また、4月のアストン・ヴィラ戦では、後半開始3分にゴールを決め、チームの勝利に導きました。
クヴァラツヘリアの加入は、ルイス・エンリケ監督の下で進行中のチーム改革において重要な要素となりました。 彼の多才さと戦術理解力は、PSGの攻撃の多様性を高め、チームの成功に寄与しました。
このように、クヴァラツヘリアは2024/25シーズン後半において、PSGの攻撃の中心として活躍し、チームの成功に大きく貢献しました。 今後のさらなる活躍が期待されます。
1位 ヴィニシウス・ジュニオール（レアル・マドリード）
2億€（340億円）
ヴィニシウス・ジュニオールは、2024/25シーズンのレアル・マドリードにおいて、公式戦で20ゴール14アシストを記録し、チームの攻撃陣を牽引しました。 特にチャンピオンズリーグでは、通算50ゴール関与（29ゴール21アシスト）を達成し、クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマ、ラウールに次ぐクラブ史上4人目の快挙となりました。
国内リーグでは、ラ・リーガで30試合に出場し11ゴール8アシストを記録。 11月のオサスナ戦ではハットトリックを達成し、月間最優秀選手にも選出されました。
シーズン中には、1月のバレンシア戦での退場により2試合の出場停止処分を受けるなど、課題も見られましたが、 12月のインターコンチネンタルカップ決勝ではゴールとアシストを記録し、最優秀選手に選ばれるなど、重要な場面での活躍が光りました。
個人としては、2024年のFIFA年間最優秀選手賞を受賞し、バロンドールでは2位にランクインするなど、世界的な評価を高めました。
シーズン終了後、ヴィニシウスはレアル・マドリードとの契約を2027年まで延長することで合意し、クラブへの忠誠を示しました。
このように、ヴィニシウス・ジュニオールは2024/25シーズンにおいて、レアル・マドリードの攻撃の中心として活躍し、個人としても多くの栄誉を手にしました。 今後のさらなる飛躍が期待されます。
まとめ
2024/2025シーズン終了時点の左ウイング市場価値ランキングは、まさに現代サッカーにおける「攻撃の主役たち」の競演となりました。得点力・ドリブル・スピード・創造性といったあらゆる攻撃的要素を高水準で兼ね備えた選手たちがランキング上位に名を連ね、左ウイングというポジションの価値がいかに高まっているかが改めて浮き彫りとなる結果となりました。
1位は、ヴィニシウス・ジュニオール（レアル・マドリード）が他を大きく引き離して君臨。2億ユーロ（約340億円）という圧倒的な市場価値は、今シーズンも続いた高水準のパフォーマンスを反映しています。持ち味の爆発的なスピードと鋭いカットインはもちろんのこと、プレーの安定感と成熟度が年々増し、ビッグマッチでの勝負強さでもチームを牽引。攻撃面のみならず、守備の献身性も含めた総合力で、現代サッカー屈指の左ウイングとしての評価をさらに高めました。
2位には、同額で2選手が並ぶ結果に。まずフヴィチャ・クヴァラツヘリア（パリ・サンジェルマン）は、ナポリから移籍後も適応力の高さを見せ、持ち前のドリブルと得点感覚をパリでも発揮。相手ディフェンスを翻弄する創造性は依然として健在で、リーグ・アンでも高い評価を受け続けています。同じくラフィーニャ（FCバルセロナ）も、バルサの攻撃を支えるキーマンとして安定した活躍を披露。得点力・アシスト力ともにバランスの取れた貢献を続け、チーム内でも信頼を勝ち取りつつあります。
4位には、ACミランのラファエル・レオン（7500万ユーロ／約127億5000万円）がランクイン。レオンは依然として鋭いドリブルとカウンターでの推進力を武器にセリエAでも存在感を放っており、攻撃の主軸としての評価は引き続き高水準を維持しています。得点だけでなく、味方を活かす柔軟なプレーも含め、今後のさらなる飛躍が期待される存在です。
今回のランキングを通して改めて感じられるのは、左ウイングというポジションの「攻撃の多面性」が市場価値に強く反映されているということです。ドリブル突破力や得点力だけでなく、戦術理解・守備貢献・チーム戦術への適応力なども評価基準として重要視されており、万能型の選手ほど高い評価を受けています。また、比較的若い選手が上位に多く名を連ねており、今後さらに市場価値を高める余地を残している点もこのポジションの特徴と言えるでしょう。
来シーズン以降、新たなスターの台頭や移籍による環境変化がどのようにランキングを動かしていくのか？左ウイングを巡る激しい競争は今後も続きます。
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