2025/2026シーズンがついに開幕し、世界中のサッカーファンが大きな期待と興奮に包まれています。夏の移籍市場では、史上最高額に迫る大型移籍や意外性のある補強が相次ぎ、各クラブの戦力図は大きく変化しました。その影響を受けて選手の市場価値も更新され、今シーズンの勢力関係を占う上で欠かせない指標となっています。市場価値は、直近のパフォーマンスや移籍市場での動向だけでなく、選手が持つ潜在能力や今後の可能性までも反映するため、ファンにとっては見逃せないデータです。
本記事では、その第一弾として 総合ランキングTOP10 を紹介し、世界のサッカー界で最も価値が高い選手たちの顔ぶれをチェックしていきます。ここから始まるシリーズでは、ポジションごとにランキングを掘り下げ、ゴールキーパーからディフェンダー、ミッドフィルダー、そしてフォワードに至るまで、幅広い視点で市場価値を分析していく予定です。既に名声を確立したスーパースターから、急成長を遂げる新鋭まで、誰がトップに立ち、誰が評価を高めているのかを丁寧に追っていきます。
シーズン開幕直後というタイミングだからこそ見えてくる「最新の選手評価」を、まずは総合TOP10から確認していきましょう。そして、この後続くポジション別ランキングもぜひお楽しみにしてください。
市場価値ランキング – 総合編
10位 フェデリコ・バルベルデ(レアル・マドリード)
1億3000万€(221億円)
2024/25シーズンのバルベルデは、レアル・マドリードの中盤に欠かせない“走る司令塔”としてシーズンを駆け抜けました。リーガでは36試合に出場し6ゴール4アシストを記録。得点数こそ突出してはいませんが、ボール奪取から前線への推進力、正確なミドルレンジのパスやシュートまで幅広く貢献しました。特に終盤戦ではアスレティック戦での決勝ゴールなど、大事な局面での勝負強さを発揮。中盤の潤滑油でありながら、自ら決定機を作れる希少な存在感を見せました。
その価値は市場にも表れており、2025年6月時点で1億3,000万ユーロ(約221億円)と評価されています。ウルグアイ代表でも主力としてプレーし、豊富な運動量と戦術的柔軟性で国際舞台でも信頼を集めています。
迎えた2025/26シーズン序盤も、リーグ開幕から安定してスタメンに名を連ねています。数字以上に試合の流れを変える存在であり、アロンソ新体制のもとでも“不可侵”のピースとして重用されています。攻守両面でチームにエネルギーを与えるバルベルデは、今季もレアルのタイトル争いを支える中心人物となるでしょう。
7位 ジャマル・ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)
1億4000万€(238億円)
2024/25シーズン、ムシアラはバイエルンの攻撃を象徴する存在として飛躍しました。ブンデスリーガでは25試合に出場し12ゴール2アシストを記録。細かなタッチで相手をかわすドリブル、狭いスペースを切り裂く加速力、そして決定的なラストパスはチームの攻撃を大きく活性化しました。特に強豪との直接対決ではゴールやアシストで勝負を決める場面も多く、若くして「大舞台に強い選手」として評価を高めています。
チャンピオンズリーグでも存在感を発揮し、バイエルンが欧州の舞台で勝ち上がる過程で重要な得点に絡みました。まだ21歳ながら、攻撃の中心に据えられている点はクラブからの絶大な信頼の証でもあります。市場価値は2025年6月時点で1億4,000万ユーロ(約238億円)と高騰し、欧州全体でもトップクラスの評価を得ています。
迎えた2025/26シーズン序盤も、すでにスタメンとして起用され、ゴールやアシストでチームに貢献。ドイツ代表でもEURO2024で中心的な役割を担い、その経験値を武器にさらに成長を続けています。今やムシアラは「未来のスター」ではなく、すでにバイエルンとドイツ代表をけん引する実力者として確固たる地位を築いています。
7位 フロリアン・ヴィルツ(リヴァプール)
1億4000万€(238億円)
2024/25シーズン、ヴィルツはレバークーゼンで創造性と得点力を両立させ、欧州大舞台での評価を確実に高めました。ブンデスリーガでは31試合に出場し10ゴール、チャンピオンズリーグを含めた全公式戦で45試合16ゴール・14アシストと抜群の数字を残しています。スタイルは狭いスペースでのパスワーク・ワンタッチでの崩し・ドリブル突破といった“攻撃の魔術師”的な要素があり、相手の守備を引きつける動きで味方を活かす場面も多く見られました。
2025年6月、ヴィルツはバイエル・レバークーゼンを離れ、リヴァプールと契約。移籍金は1億ポンド+1600万ポンドのアドオン付きで、クラブ史上最高クラスの補強となりました。新天地での序盤も注目を浴びていて、開幕から複数試合で先発し、試合の流れを作る役回りを任されており、“技術+判断の速さ”でリヴァプールの攻撃に新たな深みを加えています。まだゴールやアシストの数字は本格化途上ですが、パス成功率やキー・パスの創出で既に存在感を示しており、今季はプレミア屈指のアタッカーとしてさらに評価を伸ばすことが期待されます。
7位 ペドリ(FCバルセロナ)
1億4000万€(238億円)
2024/25シーズン、ペドリは驚異的なフィットネスとコンディションで、公式戦59試合に出場し、出場可能だった試合の86%をこなす“心臓”としてチームを支えました。リーガ・エスパニョーラやコパ・デル・レイ、スペイン・スーペルコパを含むタイトル獲得に大きく貢献し、パス成功率やボール奪取数など主要9部門でリーグトップの成績を記録。月間MVP受賞やバロンドール候補にも挙がり、その存在感はいよいよ絶大となっています。
ペドリの強みは、単なるパサーにとどまらない点です。守備では中盤のスペースを埋め、カウンターの芽を潰す読みの鋭さも兼ね備えています。攻守両面で試合のリズムをコントロールできる存在は、フリック新監督にとって不可欠なピースとなっています。
市場価値は2025年6月時点で1億4,000万ユーロ(約238億円)と高評価を維持。EURO2024ではスペイン代表の中心として優勝に大きく貢献し、国際舞台での評価も不動のものとしました。迎えた2025/26シーズン序盤も中盤の主軸として起用され、すでに安定感あるプレーでチームを支えています。まだ22歳という年齢を考えれば、今後さらに成熟度を増し、クラブと代表の双方で長期的に中核を担うことは間違いありません。
6位 ブカヨ・サカ(アーセナルFC)
1億5000万€(255億円)
2024/25シーズン、サカはアーセナルの右サイドを象徴する存在として攻撃を牽引しました。プレミアリーグでは25試合に出場し6ゴール10アシストを記録。シーズン中盤には筋肉系の負傷で離脱しましたが、復帰戦でいきなりゴールを決めるなど勝負強さを発揮しました。縦への突破だけでなく、中央に絞ってウーデゴールやハヴァーツと絡むことで多彩な攻撃を演出。相手にとって常に脅威となるプレーヤーとして存在感を示しました。
また、彼の強みは数字以上に試合全体に与える影響力にあります。サイドに幅を与えつつ、守備では素早い切り替えで相手のカウンターを防ぎ、アルテタ戦術のバランスを担いました。PKキッカーを新加入選手に譲るなど、チームを優先する姿勢もリーダーとしての成熟を感じさせます。
市場価値は2025年6月時点で1億5,000万ユーロ(約255億円)と評価され、世界最高クラスのウインガーとしての地位を確立。EURO2024でもイングランド代表の主力を務め、その信頼度はますます高まっています。迎えた2025/26シーズン序盤も既にゴールやアシストを記録し、アーセナルのタイトル挑戦に不可欠な存在であり続けています。年齢的にも伸びしろが大きく、今後さらに進化を遂げれば、ヴィニシウスやフォーデンと並ぶ絶対的スターとなるでしょう。
5位 ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)
1億7000万€(289億円)
2024/25シーズン、ヴィニシウスはレアル・マドリードの絶対的エースとしてシーズンを牽引しました。ラ・リーガでは30試合に出場し11ゴール8アシストを記録。数字以上に相手守備を崩壊させる影響力は圧倒的で、左サイドからのドリブル突破やカットインは常に脅威でした。チャンピオンズリーグでも8ゴールを挙げ、準決勝や決勝といった大舞台で決定的な仕事を果たし、クラブの欧州戦線をけん引しました。
特徴は爆発的なスピードとスキルに加え、近年はフィニッシュの精度が増し、勝負強さが備わったことです。守備を引きつけて味方にスペースを与えるプレーも増え、チーム全体を生かす存在へと進化しています。若手時代の“突破一辺倒”から、今や試合を決定づける総合力を備えた完成形に近づいています。
市場価値は2025年6月時点で1億7,000万ユーロ(約289億円)と、エムバペやハーランドと並び世界最高クラス。ブラジル代表でも主力としてコパ・アメリカやW杯予選で活躍し、国際舞台での経験も積んでいます。迎えた2025/26シーズン序盤もすでにゴールやアシストでチームをけん引しており、マドリードの攻撃を象徴する存在として揺るぎない地位を保っています。今季もクラブと代表の両方で中心的役割を果たすことは間違いありません。
2位 キリアン・エムバペ(レアルマドリード)
1億8000万€(306億円)
2024/25シーズン、エムバペはついにレアル・マドリードのユニフォームを着てラ・リーガの舞台に立ちました。長年の移籍の噂に終止符を打ち、加入初年度から期待通りのパフォーマンスを披露。リーグ戦では34試合に出場し31ゴールを記録、持ち前の爆発的なスピードと冷静なフィニッシュで瞬く間にエースの座を確立しました。チャンピオンズリーグでもゴールを量産し、ヴィニシウスやロドリゴとの前線トリオは欧州屈指の破壊力を誇りました。
彼の特長は、ゴール前での圧倒的な決定力と縦への推進力に加え、相手を引きつけて味方を活かすプレーにもあります。単なる点取り屋から、チーム全体の攻撃を活性化させる存在へと進化しており、マドリードの戦術に完璧にフィットしました。クラシコやチャンピオンズリーグの大一番でも勝負強さを発揮し、「待望のエース」という評価を現実のものとしています。
市場価値は2025年6月時点で1億8,000万ユーロ(約306億円)と世界最高水準。迎えた2025/26シーズン序盤もすでに得点を積み重ね、クラブの国内外のタイトル獲得に不可欠な存在となっています。まだ26歳と脂の乗り切った時期を迎え、今後はレアルの黄金時代を象徴する選手として語られていくことは間違いありません。
2位 アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティFC)
1億8000万€(306億円)
2024/25シーズンも、ハーランドはマンチェスター・シティの破壊的な得点源としてその存在感を示しました。プレミアリーグでは31試合で22ゴールを挙げ、驚異的な決定力に加え、フィジカルの強さとポジショニングの鋭さで、シンプルな形からでもゴールを量産しました。チャンピオンズリーグでも複数得点を記録し、シティが欧州の舞台で勝ち上がる上で不可欠なピースとなりました。守備網を敷かれてもワンタッチで仕留められる精度と冷静さは、世界最高峰のストライカーにふさわしいものでした。
市場価値は2025年6月時点で1億8,000万ユーロ(約306億円)。クラブの戦術に完全にフィットし、デ・ブライネやフォーデンといったトップクラスのクリエイターとの相性も抜群です。若さに裏打ちされた継続性も魅力で、すでに完成度の高いストライカーでありながら、さらなる進化の余地を感じさせます。
迎えた2025/26シーズン序盤も、開幕からすでに複数ゴールを記録しており、コンディションの良さをアピール。プレミア連覇、そして悲願の二度目のCL制覇を狙うシティにとって、今季もハーランドの得点力は最も頼れる武器です。圧倒的なゴールマシーンとして、彼の存在は今後もシティの黄金期を支え続けるでしょう。
2位 ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)
1億8000万€(306億円)
2024/25シーズン、ベリンガムはレアル・マドリード加入2年目にして中盤の絶対的な存在となりました。ラ・リーガでは31試合に出場し9ゴール8アシストを記録。加入初年度に続き得点力と安定感を発揮し、中盤からゴールを奪える稀有なタレントとしてチームの勝利に直結する働きを見せました。特にビッグマッチでの決定力は際立ち、攻守の切り替えの速さと強度の高いプレーで、ピッチ上のリーダーとして存在感を放っています。
彼の強みは、フィジカルとテクニックを高いレベルで兼ね備えた点です。中盤の底からゲームを組み立てるだけでなく、ゴール前に飛び出してフィニッシュに絡めるため、相手にとって常に脅威となります。さらに守備でも豊富な運動量を活かし、ボール奪取から攻撃へとつなげる切り替えの速さはクラブでも代表でも重宝されています。
市場価値は2025年6月時点で1億8,000万ユーロ(約306億円)。イングランド代表でもEURO2024で中心選手として活躍し、若くして世界のトッププレーヤーの一角を占める存在に。迎えた2025/26シーズン序盤もすでにリーグ戦で得点に絡む活躍を見せており、安定感と勝負強さを兼ね備えた姿はチームの柱そのものです。まだ22歳という年齢を考えれば、今後さらに完成度を高め、マドリードの未来を担う象徴的選手となるでしょう。
1位 ラミン・ヤマル(FCバルセロナ)
2億€(340億円)
2024/25シーズン、16歳のラミン・ヤマルはFCバルセロナの右サイドで歴史的なブレイクを果たしました。ラ・リーガでは35試合に出場し9ゴール13アシストを記録。若さを感じさせない落ち着きと判断力で攻撃の中心に躍り出ました。チャンピオンズリーグでは準決勝でゴールを挙げるなど、欧州の大舞台でも決定的な仕事を果たし、その才能が世界に知れ渡ったシーズンとなりました。
特徴は爆発的なドリブルと切れ味鋭いカットインに加え、ゴール前での冷静なフィニッシュと味方を生かす創造性です。単なる快速ウインガーではなく、試合を支配できる総合的なアタッカーへと成長しつつあります。バルサにとってはメッシ以来とも言われる逸材であり、将来を託された存在です。
市場価値は2025年6月時点で2億ユーロ(約340億円)と、世界サッカー全体でもトップに立つ評価を受けています。迎えた2025/26シーズン序盤もすでにゴールやアシストを記録し、バルサ攻撃陣の中心として活躍。まだ17歳に満たない若さながら、ラ・リーガと欧州の舞台で決定的なインパクトを残し続けています。今後もクラブとスペイン代表の未来を背負う存在として、さらなる飛躍が期待されるでしょう。
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まとめ
2025/2026シーズン開幕直後の市場価値ランキング総合TOP5には、現在のサッカー界を代表するスターと、新たな時代を切り開く若き才能が名を連ねました。1位に輝いたのは、わずか17歳で市場価値2億ユーロ(約340億円)に到達したラミン・ヤマル。バルセロナの未来を背負う存在として、すでに世界最高額の評価を受けています。続く2位には、キリアン・エムバペ(1億8000万ユーロ/約306億円)、アーリング・ハーランド(同)、ジュード・ベリンガム(同)と、世界の頂点を争う三人が並び、スーパースター同士の拮抗した評価が目を引きます。さらに5位には、レアル・マドリードの攻撃をけん引するヴィニシウス・ジュニオール(1億7000万ユーロ/約289億円)がランクインし、ラ・リーガ勢の存在感も際立ちました。
この顔ぶれからは、ヤマルのような次世代スターが一気に頂点へと駆け上がりつつも、エムバペやハーランドといった既存のスーパースターが依然として強い存在感を放ち、さらにベリンガムやヴィニシウスといった20代前半の選手が確実に地位を固めていることがわかります。まさに「新旧のスターが交錯する」時代が到来していると言えるでしょう。
今回紹介した総合TOP10は、そのまま今シーズンのサッカー界を映し出す鏡のような存在です。次回以降はポジションごとのランキングに焦点を当て、ゴールキーパーからフォワードに至るまで、それぞれの分野で誰がトップに立ち、誰が急上昇しているのかを掘り下げていきます。ぜひ引き続きチェックして、2025/2026シーズンを彩るスターたちの市場価値の動きを一緒に追っていきましょう。

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