【2024/2025年シーズン途中】世界のトップセンターバック市場価値ランキング

センターバック(CB)は、サッカーにおいて守備の要となるポジションであり、チームの安定感を支える極めて重要な役割を担います。相手のエースストライカーを封じ込め、セットプレー時には攻守両面で決定的な仕事をこなすセンターバックの存在が、試合の勝敗を左右することも少なくありません。近年では、単に相手の攻撃を跳ね返すだけでなく、ビルドアップの起点となり、的確なパスを供給する能力も求められるようになりました。

現代サッカーにおいて、センターバックはプレースタイルの多様化が進んでいます。空中戦とフィジカルの強さでゴール前を死守する「ストッパー型」、組み立ての起点となる「ボールプレーイング・ディフェンダー」、そして広範囲をカバーしリーダーシップを発揮する「スイーパー型」など、それぞれの特性に応じて市場価値が決定されています。特に、プレッシングを多用する現代の戦術に適応するため、センターバックにはスピードと機動力も求められるようになり、クラブはこのポジションに大きな投資を行っています。

今回は、Transfermarktの最新データをもとに、世界で最も市場価値が高いセンターバックのランキングを紹介します。ここに名を連ねる選手たちは、守備のスペシャリストであるだけでなく、現代サッカーにおいて攻撃の起点となる役割も果たしており、クラブにとって欠かせない存在となっています。彼らがなぜこれほどの市場価値を持つのか、そのプレースタイルやチームでの役割を深掘りし、センターバックというポジションの進化とその真価に迫ります。

目次

市場価値ランキング – センターバック編

8位 ロナルド・アラウホ(FCバルセロナ)

5500万€(93億5,000万円)

ロナルド・アラウホは1999年3月7日生まれのウルグアイ出身ディフェンダーで、現在はスペインのFCバルセロナに所属しています。ウルグアイのウラカン・デ・リベラでユースキャリアをスタートさせ、その後レンティスタスやボストン・リーベルでプレー。2018年8月にFCバルセロナBチームに加入し、2019年10月にトップチームデビューを果たしました。アラウホは188cmの長身と強靭なフィジカルを活かした空中戦の強さが特徴で、スピードも兼ね備えたセンターバックです。右足を主に使用しますが、両足でのボールコントロールが可能で、ビルドアップの起点としても機能します。2025年1月にはFCバルセロナとの契約を2031年6月まで延長。しかし、2025年2月のセビージャ戦で右足首を負傷し、全治3週間と診断されました。また、契約には特定の条件下で契約解除金が減額される条項が含まれており、他クラブからの関心も報じられています。ウルグアイ代表としても各年代別代表を経てA代表に定期的に招集され、2022年のカタールW杯にも出場。クラブと代表の両方で守備の要として期待されており、その高い守備力とリーダーシップで今後のさらなる活躍が期待されています。

8位 ミッキー・ファン・デ・フェン(トッテナム・ホットスパーFC)

5500万€(93億5,000万円)

ミッキー・ファン・デ・フェンは2001年4月19日生まれのオランダ出身ディフェンダーで、現在はプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCに所属しています。オランダのFCフォレンダムでプロキャリアをスタートさせた後、ブンデスリーガのVfLヴォルフスブルクへ移籍。2023年8月にトッテナム・ホットスパーFCに加入し、プレミアリーグでの挑戦を開始しました。身長193cm、体重83kgの恵まれた体格を持ち、空中戦やフィジカルコンタクトに強いセンターバックとして活躍。左利きのディフェンダーであり、ビルドアップ時の正確なパスや広い視野を活かしたプレーも特徴とされています。トッテナム加入後はすぐにレギュラーに定着し、高速なリカバリー能力と対人守備の強さでチームに欠かせない存在となりました。オランダ代表としても活躍し、2024年のUEFA欧州選手権(EURO 2024)では代表メンバーに選出され、今後の国際舞台でのさらなる活躍が期待されています。また、リヴァプールFCがファン・デ・フェンに関心を示しているとの報道もあり、移籍市場での動向にも注目が集まっています。将来を嘱望されるディフェンダーとして、トッテナム・ホットスパーFCおよびオランダ代表でのさらなる成長と活躍が期待されています。

8位 レヴィ・コルウィル(チェルシーFC)

5500万€(93億5,000万円)

レヴィ・コルウィルは2003年2月26日生まれのイングランド出身ディフェンダーで、現在はプレミアリーグのチェルシーFCに所属しています。8歳でチェルシーのアカデミーに入団し、ユースチームで経験を積んだ後、2021年にハダースフィールド・タウンへレンタル移籍。EFLチャンピオンシップで29試合に出場し2得点を記録しました。2022年8月にはブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンへレンタル移籍し、公式戦17試合に出場。2023-24シーズンからチェルシーに復帰し、背番号26を着用してプレミアリーグの舞台で本格的にプレーを開始しました。身長187cmの左利きセンターバックで、空中戦の強さとフィジカルの強靭さが特徴。また、ビルドアップ時の正確なパスや広い視野を活かしたプレーも評価されており、現代的なセンターバックとして注目されています。2025年2月25日に行われたプレミアリーグ第27節のサウサンプトン戦では、前半終了間際にチームの3点目となるゴールを決め、4-0の勝利に貢献。イングランド代表としても各年代別代表を経て、2023年にA代表デビューを果たしました。将来的にはクラブと代表の両方で守備の要となることが期待されており、その高い守備力とリーダーシップで今後のさらなる成長と活躍が期待されています。

8位 レニー・ヨロ(マンチェスター・ユナイテッド)

5500万€(93億5,000万円)

レニー・ヨロは2005年11月13日生まれのフランス出身ディフェンダーで、現在はプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドFCに所属しています。2017年にリールの下部組織に加入し、2022年にプロ契約を締結。同年5月、リーグ・アンのOGCニース戦でトップチームデビューを果たし、16歳6ヶ月1日での出場はクラブ史上2番目の若さとなりました。2024年7月、マンチェスター・ユナイテッドへの完全移籍が発表され、5年契約(1年延長オプション付き)を締結。身長190cm、体重87kgのフィジカルを活かした守備が持ち味で、空中戦の強さや1対1の対応に優れるセンターバックとして期待されています。また、右足の正確なパスとビルドアップ能力も評価されており、現代的なディフェンダーとして高いポテンシャルを持っています。2024年8月には負傷により手術を受け、全治3ヶ月と診断されたものの、2025年1月に復帰し、公式戦での出場を再開。フランス代表としても各年代別代表に招集されており、将来的なA代表での活躍も期待されています。若くしてマンチェスター・ユナイテッドのディフェンスラインを支える存在となる可能性を秘めており、今後の成長とプレミアリーグでの活躍が注目されています。

7位 ブレーメル(ユヴェントスFC)

6000万€(102億円)

グレイソン・ブレーメルは1997年3月18日生まれのブラジル出身センターバックで、現在はセリエAのユヴェントスFCに所属しています。ブラジルのデスポルチーヴォ・ブラジルでキャリアをスタートさせ、サンパウロFCへのレンタルを経て、2017年にアトレチコ・ミネイロへ移籍。2018年にイタリアのトリノFCへ加入し、セリエAでの経験を積んだ後、2022年7月にユヴェントスへ移籍しました。身長188cm、体重83kgのフィジカルを活かした強固な守備が特徴で、空中戦の強さや1対1の対応能力に優れ、ビルドアップ時の正確なパスでも貢献する現代型センターバックとして評価されています。ユヴェントス加入後は守備の要として活躍し、ブラジル代表にも選出。2022年のカタール・ワールドカップのメンバーとしても招集されました。2024年10月2日のチャンピオンズリーグ・ライプツィヒ戦で左膝前十字靭帯を損傷する重傷を負い、手術を受け、復帰には約6~7ヶ月を要すると見込まれています。2024-25シーズン中の復帰は厳しいとされており、ユヴェントスにとって大きな痛手となりました。今後のリハビリと復帰後のパフォーマンスが注目されており、クラブと代表の両方で再び活躍することが期待されています。

6位 クリスティアン・ロメロ(トッテナム・ホットスパーFC)

6500万€(110億5,000万円)

クリスティアン・ロメロは1998年4月27日生まれのアルゼンチン出身ディフェンダーで、現在はプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーFCに所属しています。プロキャリアは地元クラブのベルグラーノでスタートし、2018年にイタリアのジェノアCFCへ移籍。その後ユヴェントスFCへ移籍しましたが、アタランタBCにレンタルされ、2020-21シーズンにはセリエA最優秀ディフェンダー賞を受賞しました。2021年8月にトッテナムへレンタル移籍し、翌2022年8月に完全移籍を果たしました。身長185cm、体重79kgのフィジカルを活かした対人守備の強さが特徴で、空中戦の強さやアグレッシブなプレースタイルも持ち味。また、右足の正確なパスを活かし、ビルドアップにも貢献できる現代的なセンターバックとして評価されています。2025年2月には負傷からの回復が順調であり、ヨーロッパリーグ・ラウンド16での復帰が期待されています。アルゼンチン代表としても活躍しており、2022年のFIFAワールドカップでは優勝メンバーの一員として守備の要となりました。クラブと代表の両方で重要な存在として期待されており、今後のさらなる成長と活躍が注目されています。

5位 パウ・クバルシ(FCバルセロナ)

7000万€(119億円)

パウ・クバルシは2007年1月22日生まれのスペイン出身センターバックで、現在はFCバルセロナに所属しています。7歳でジローナFCのカンテラに入団し、2018年にバルセロナのラ・マシアに移籍。各年代でキャプテンを務めるなどリーダーシップを発揮しながら成長し、2023年7月にプロ契約を締結しました。2024年1月にコパ・デル・レイのウニオニスタス・デ・サラマンカCF戦でトップチームデビューを果たし、その後リーグ戦やチャンピオンズリーグでも出場機会を得ました。特にSSCナポリ戦ではMVPに選出される活躍を見せ、若手ながらも守備の要として評価されています。身長184cm、体重76kgのフィジカルを活かした守備に加え、ボールを持ち上がる能力や正確なパスでのビルドアップにも優れ、現代的なセンターバックとして期待されています。2025年2月にはバルセロナとの契約を2029年6月30日まで延長。また、2024年にはU-23スペイン代表としてパリオリンピックに出場し、金メダル獲得に貢献しました。現在、バルセロナの守備陣を支える若手のホープとして注目されており、今後のさらなる成長と活躍が期待されています。

2位 ルベン・ディアス(マンチェスター・シティFC)

7500万€(127億5,000万円)

ルベン・ディアスは1997年5月14日生まれのポルトガル出身センターバックで、現在はプレミアリーグのマンチェスター・シティFCに所属しています。2008年にSLベンフィカの下部組織に加入し、2015年にプロデビュー。2017年にはトップチームに昇格し、プリメイラ・リーガの若手年間最優秀選手に選ばれるなど、その才能を早くから示しました。2020年9月にマンチェスター・シティに移籍し、移籍金は6800万ユーロと報じられています。加入初年度から守備の要として活躍し、2020-21シーズンにはプレミアリーグ年間最優秀選手賞を受賞。チームのリーグ制覇にも大きく貢献しました。ディアスはフィジカルの強さと高い戦術理解力を備え、空中戦や1対1の局面での強さが際立つだけでなく、正確なパスを駆使したビルドアップ能力にも優れています。また、リーダーシップにも定評があり、ディフェンスラインを統率する能力が評価されています。2025年2月のチャンピオンズリーグ決勝トーナメントでは、レアル・マドリード戦で1-3の敗戦を喫し、大会からの敗退が決定。試合後、「僕たちは十分でなかった。受け入れて前を向くしかない」とコメントし、チームの改善を誓いました。ポルトガル代表としても各年代別代表を経てA代表に定着し、その堅実な守備とリーダーシップでクラブと代表の双方で中心的な存在として期待されています。

2位 アレッサンドロ・バストーニ(インテル・ミラノ)

7500万€(127億5,000万円)

アレッサンドロ・バストーニは1999年4月13日生まれのイタリア出身センターバックで、現在はセリエAのインテル・ミラノに所属しています。アタランタBCのユース出身で、2016年にトップチームデビュー。その後、2017年にインテル・ミラノへ移籍し、パルマ・カルチョへのレンタル移籍を経て、2019-20シーズンにインテルへ復帰しました。身長190cm、体重75kgのフィジカルを活かした守備力に加え、左足の正確なフィードと戦術理解力に優れ、攻撃の起点となる現代的なセンターバックとして評価されています。若くしてリーダーシップを発揮し、インテルの守備陣を支える重要な存在となっています。イタリア代表としても各年代別代表を経てA代表に定着し、2020年にデビュー。2024年のUEFA EUROではアルバニア戦でゴールを決めるなど活躍を見せました。セリエAやヨーロッパの舞台で安定したパフォーマンスを発揮し続けており、クラブと代表の両方で中心選手としての地位を確立。今後もインテル・ミラノとイタリア代表の守備の要としてさらなる成長と活躍が期待されています。

2位 ガブリエウ・マガリャンイス(アーセナルFC)

7500万€(127億5,000万円)

ガブリエウ・マガリャンイスは1997年12月19日生まれのブラジル出身センターバックで、現在はプレミアリーグのアーセナルFCに所属しています。2012年にブラジルのアヴァイFCの下部組織に加入し、2016年にトップチームデビュー。その後、2017年にフランスのリールへ移籍し、トロワACやディナモ・ザグレブへのレンタルを経てリールの守備の要として活躍しました。2020年9月にアーセナルFCへ移籍し、移籍金は約2700万ポンドと報じられています。加入後すぐにレギュラーに定着し、プレミアリーグやヨーロッパリーグで安定したパフォーマンスを披露。身長190cm、体重78kgのフィジカルを活かした守備が特徴で、空中戦の強さや1対1の対応力に優れ、左足の正確なパスでのビルドアップにも貢献しています。また、冷静な判断力とリーダーシップを備え、チームの守備陣を統率する存在となっています。2025年1月のFAカップ3回戦マンチェスター・ユナイテッド戦では同点ゴールを決める活躍を見せましたが、試合はPK戦で敗れました。ブラジル代表としてはU-20やU-23代表を経て、2023年にA代表デビューを果たし、国際舞台での経験を積んでいます。クラブと代表の両方で重要な役割を担う選手として、今後のさらなる成長と活躍が期待されています。

1位 ウィリアム・サリバ(アーセナルFC)

8000万€(136億円)

ウィリアム・サリバは2001年3月24日生まれのフランス出身センターバックで、現在はプレミアリーグのアーセナルFCに所属しています。6歳でサッカーを始め、キリアン・エムバペの父親から指導を受けました。2016年にASサンテティエンヌのユースチームに加入し、2018年にトップチームデビュー。その後、2019年にアーセナルFCへ移籍しましたが、サンテティエンヌ、OGCニース、オリンピック・マルセイユへのレンタル移籍を経て、2022-23シーズンからアーセナルに復帰。以降、守備の要としてプレミアリーグで活躍を続けています。身長192cm、体重83kgのフィジカルを活かした空中戦の強さと1対1の対応能力が特徴で、右足の正確なパスを活かしたビルドアップにも優れています。冷静な判断力と統率力を兼ね備え、若くしてチームの中心選手となりました。2025年1月にはトッテナム戦でハムストリングを負傷し、アストン・ヴィラ戦を欠場。ミケル・アルテタ監督は、選手のコンディション管理に細心の注意を払うとコメントしました。フランス代表としても各年代別代表を経て2022年にA代表デビューを果たし、国際舞台での経験を積んでいます。クラブと代表の両方でさらなる活躍が期待される注目のディフェンダーです。

まとめ

今回のセンターバック市場価値ランキングは、現代サッカーにおけるこのポジションの進化と多様な役割を浮き彫りにする結果となりました。1位に輝いたのは、アーセナルのウィリアム・サリバで、市場価値は8000万ユーロ(約136億円)。サリバは卓越したフィジカルとスピードを兼ね備え、1対1の強さやビルドアップ能力でも高い評価を受けています。アーセナルの守備を支える要として、今後さらなる市場価値の上昇も期待される存在です。

2位には、3名が同額で並びました。マンチェスター・シティのルベン・ディアス(7500万ユーロ/約127億5,000万円)は、リーダーシップと安定した守備力でペップ・グアルディオラのチームに不可欠な選手です。戦術理解力が高く、ボール保持型のスタイルにも適応しており、シティの守備の要となっています。インテル・ミラノのアレッサンドロ・バストーニ(7500万ユーロ/約127億5,000万円)は、左利きのセンターバックとして希少価値が高く、ロングパスやビルドアップの貢献度が市場価値を押し上げています。アーセナルのガブリエウ・マガリャンイス(7500万ユーロ/約127億5,000万円)も、サリバと並ぶ最終ラインの柱として、プレミアリーグ屈指のセンターバックに成長しました。空中戦の強さと対人守備の安定感が評価されています。

5位には、パウ・クバルシ(7000万ユーロ/約119億円)がランクイン。まだ若干17歳ながら、バルセロナの最終ラインを支え、落ち着いたプレーと卓越したポジショニングで世界的な注目を集めています。若さと将来性を考慮すると、今後さらに市場価値が上昇する可能性は十分にあります。

このランキングを見ると、現代のセンターバックには単なる守備力だけでなく、ボールを持つ能力や戦術的な柔軟性が求められていることが明らかです。特にビルドアップの貢献度やパス精度が高い選手ほど評価が高く、市場価値に大きく影響していることがわかります。また、ランキング上位にはプレミアリーグやセリエA、ラ・リーガといったトップリーグで活躍する選手が名を連ねており、各クラブがこのポジションに多額の投資をしていることがうかがえます。

今後のシーズンや移籍市場では、これらのトップクラスのセンターバックたちがどのようなパフォーマンスを見せ、どのように市場価値が変動するのかが大きな注目ポイントです。次世代のスターが台頭するのか、それとも現在のトップ選手たちがその座を守り続けるのか。センターバックというポジションの重要性がさらに高まる中、彼らの成長と活躍から目が離せません。

DAZN
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次